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社の章ー秘密の欠片ー
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迷ったら終わりな気がして俺とちさは自然と近くにいた。出来たばかりの侑兄たちの足跡を追う。
先頭を歩く侑兄は、歩調を俺達に合わせてくれていたので息は上がらない。落葉などで歩きにくかったが。
「話すのは……お前達の10歳の誕生日にしようと思っていた」
前を見たまま侑兄は言う。俺とちさは顔を見合せ、「何で?」と侑兄の後頭部に向かって訊ねた。俺達の誕生日までたった半年だ。どうしてその日なんだろう。
侑兄はたっぷりの間を置いて、告げる。
「境木の人間にとって10歳の誕生日は特別だからだ」
……なんだそれ。ますます意味が分からない。ちさも首を傾げている。
木々が少なくなってきて、古ぼけた石橋が見えてきた。その向こうを見て俺はハッとする。
ドラマで見たことがある『立入禁止』の黄色いテープが張り巡らされていたのだ。なんだ、ここ。なんか事件でもあったのか?
――ドクン
何故か心臓が大きく鳴った。怖い……わけじゃない。でも、どこか懐かしい感じがした。初めて来た場所の筈なのに。既視感ってやつだろうか?
先頭を歩く侑兄は、歩調を俺達に合わせてくれていたので息は上がらない。落葉などで歩きにくかったが。
「話すのは……お前達の10歳の誕生日にしようと思っていた」
前を見たまま侑兄は言う。俺とちさは顔を見合せ、「何で?」と侑兄の後頭部に向かって訊ねた。俺達の誕生日までたった半年だ。どうしてその日なんだろう。
侑兄はたっぷりの間を置いて、告げる。
「境木の人間にとって10歳の誕生日は特別だからだ」
……なんだそれ。ますます意味が分からない。ちさも首を傾げている。
木々が少なくなってきて、古ぼけた石橋が見えてきた。その向こうを見て俺はハッとする。
ドラマで見たことがある『立入禁止』の黄色いテープが張り巡らされていたのだ。なんだ、ここ。なんか事件でもあったのか?
――ドクン
何故か心臓が大きく鳴った。怖い……わけじゃない。でも、どこか懐かしい感じがした。初めて来た場所の筈なのに。既視感ってやつだろうか?
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