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社の章ー秘密の欠片ー
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一度に入ってきた多くの情報を俺の脳が必死に噛み砕いている。だけど理解と納得をするには理性と常識が邪魔をした。
……いっそこの場合、ちさみてぇな浮世離れした奴の方が順応するかもな。案の定「侑お兄ちゃんとカイお兄ちゃんの宝具は何なの……」と訊いている。『宝具』とか今聞いた言葉さっそく使いこなしてんじゃねーよ頭柔らかすぎかよ。
奴と手を繋いでいるカイ兄は、ちょっと言いにくそうにちさと侑兄を交互に見た。
「僕のは、その、弓ですが……」
そこでカイ兄は黙る。え、なんで黙る? 慶弥もどことなく気まずそうに目を泳がせている。
俺が疑問に思ったその時、侑兄があっさり告げた。
「ああ、俺は持ってないんだ。『選ばれてない』」
「え……」
「は?」
ちさと俺はほぼ同時に気の抜けた声を上げる。そんな俺たちの反応に侑兄は「たまにそういう奴が出るんだよ、気にするな」と自嘲した。
俺は気になった――ちさもだろう――が、何となく侑兄がこの話を終わらせたいような雰囲気だったから話題を変えた。はぐらかされそうだし、幸い訊きたい事は山ほどある。
が、そろそろ時間的に引き返さないと帰宅が真夜中になるという事で俺達は神社跡を出た。原っぱの村を真っ直ぐ出入口まで突っ切る。車に辿り着くまでの道中、俺は侑兄に沢山の質問をした。
……いっそこの場合、ちさみてぇな浮世離れした奴の方が順応するかもな。案の定「侑お兄ちゃんとカイお兄ちゃんの宝具は何なの……」と訊いている。『宝具』とか今聞いた言葉さっそく使いこなしてんじゃねーよ頭柔らかすぎかよ。
奴と手を繋いでいるカイ兄は、ちょっと言いにくそうにちさと侑兄を交互に見た。
「僕のは、その、弓ですが……」
そこでカイ兄は黙る。え、なんで黙る? 慶弥もどことなく気まずそうに目を泳がせている。
俺が疑問に思ったその時、侑兄があっさり告げた。
「ああ、俺は持ってないんだ。『選ばれてない』」
「え……」
「は?」
ちさと俺はほぼ同時に気の抜けた声を上げる。そんな俺たちの反応に侑兄は「たまにそういう奴が出るんだよ、気にするな」と自嘲した。
俺は気になった――ちさもだろう――が、何となく侑兄がこの話を終わらせたいような雰囲気だったから話題を変えた。はぐらかされそうだし、幸い訊きたい事は山ほどある。
が、そろそろ時間的に引き返さないと帰宅が真夜中になるという事で俺達は神社跡を出た。原っぱの村を真っ直ぐ出入口まで突っ切る。車に辿り着くまでの道中、俺は侑兄に沢山の質問をした。
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