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第2章 夏空の少女
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「......タマ、どういうこと?」
綺麗な声色をもってして、ポチが僕に問いかけている。
それをどこか遠くの世界での出来事のように感じながら、
「あ、いや、えっと......」
まとまらない感情と感覚と、それに直結してくれない言葉たちに辟易した。
なんて僕はぽんこつなんだろう。
曲がりなりにも作詞家と名乗っているにも関わらず。
嘆いていたって仕方はないが、僕はうじうじすることが得意だった。
痺れを切らしたのは他でもない、夏空の少女ミナミの方だった。
「何? 修羅場とか面倒くさいんだけど。てか、あたしと玉木の間に何かがあるわけないでしょ? 下手くそな言葉しか紡げない、才能の原石すら見当たらない、こんな普通の男にあたしが惹かれるとでも?」
心底嫌そうな表情で僕のことを貶めるミナミ。
しかし、それでこそ僕の知っている彼女だった。
辛辣な、しかしそれでいて的を得た事実を述べる彼女の言葉に僕はひっそりと安堵した。
ミナミは続ける。
「そんなにそのマグカップを使いたいならご自由にどうぞ。あと、今日のところは帰るけど、次来た時はちゃんと泊まるからね? 用意しておいてよ」
ビシッと人差し指を僕に向け、それから颯爽と去っていった。
赤と黒のピンヒールが彼女には本当によく似合っている。
綺麗な声色をもってして、ポチが僕に問いかけている。
それをどこか遠くの世界での出来事のように感じながら、
「あ、いや、えっと......」
まとまらない感情と感覚と、それに直結してくれない言葉たちに辟易した。
なんて僕はぽんこつなんだろう。
曲がりなりにも作詞家と名乗っているにも関わらず。
嘆いていたって仕方はないが、僕はうじうじすることが得意だった。
痺れを切らしたのは他でもない、夏空の少女ミナミの方だった。
「何? 修羅場とか面倒くさいんだけど。てか、あたしと玉木の間に何かがあるわけないでしょ? 下手くそな言葉しか紡げない、才能の原石すら見当たらない、こんな普通の男にあたしが惹かれるとでも?」
心底嫌そうな表情で僕のことを貶めるミナミ。
しかし、それでこそ僕の知っている彼女だった。
辛辣な、しかしそれでいて的を得た事実を述べる彼女の言葉に僕はひっそりと安堵した。
ミナミは続ける。
「そんなにそのマグカップを使いたいならご自由にどうぞ。あと、今日のところは帰るけど、次来た時はちゃんと泊まるからね? 用意しておいてよ」
ビシッと人差し指を僕に向け、それから颯爽と去っていった。
赤と黒のピンヒールが彼女には本当によく似合っている。
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