はちゃめちゃな世界で君と。

高殿アカリ

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Port Town

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喧嘩別れをした後味の悪さを抱えながらも、ショッピングモールでメリッサと合流し、ミレイを返してもらうために港町の倉庫に乗り込むべく、アクセルを踏み込んだのだった。

メリッサが乗ってきたかつての相棒に跨り、彼女を後ろに乗せ、頬を切る風は少しだけ俺の心を和ませた。

騒音の中、メリッサがミレイを連れ去った集団に関する情報を伝える。

「詳しいことは私にも分からないんだけどね。あくまでも噂だから。でも、彼らはとにかく極悪非道な集団なの。女の子を誘拐して乱暴に扱ったり、アンデッドと女の子を同じ部屋に閉じ込めて戦わせたりしているという話よ。……そして彼らに連れ去られた少女たちは誰一人として戻ってきてはいない。……ミレイが、もし……」

「余計なことは考えるな。誰も戻ってきていないということは案外幸せに暮らしてるということかもしれないだろう。確証はない。あくまでも噂話とお前も言っただろう」

俺の言葉でメリッサの腕に力が籠ったのが背中越しに伝わってきた。

「それもそうね。心配しても仕方ないわ。まずは実情を把握しないと、ね」
「あぁ、そうだ。さ、そろそろ見えてきたぞ」

潮の香りが風に紛れ、煉瓦造りの倉庫と何段にも積み重ねられたコンテナが寂れた港に佇んでいる。

見つからないように近くの茂みにバイクを置くと、俺たちは倉庫に向かって歩いた。

倉庫の周りは鉄柵で囲われており、ゆらゆらとアンデッドたちが気怠そうに徘徊していた。
何の変哲もない、この世界の光景である。

背後からアンデッドの頭部を潰しつつ、鉄柵の前までやってくる頃には、倉庫の中にいた男たちがわらわらと集まってきていた。

強面の彼らは、手に鈍器を持ち、警戒心を露わにしながら俺たちを睨みつけていた。
俺は堂々とした態度で彼らに話しかけた。

「そちらに俺たちの仲間が連れていかれた。片腕のない少女だ。大事にはしたくない。何かの手違いなんじゃないのか? すぐに彼女を解放して欲しい」

男たちは俺の言葉ににやにやと下品な笑みを浮かべている。

「さぁな、俺たちは何も知らねぇなぁ」

そうだそうだと彼らが口を揃えて言うものだから、俺も引き下がるわけにはいかなくなった。

「それならば中を見させてもらってもいいだろうか。片腕のない少女がいない、という確かな証拠が欲しい」
「あぁ、いいぜ」

スキンヘッドの男が鉄柵の扉を開けた。
俺はメリッサを背中に庇いながら、慎重に彼らのテリトリーへと足を進める。

一歩踏み出すごとに、靴底が砂利と触れ合う音が鳴る。

太陽がじとりと俺たちを照らして、緊張が高まったその瞬間、誰かに勢いよく頭を押さえつけられた。
スキンヘッドの男だった。

「ゴードン‼」

メリッサの悲鳴が聞こえた。
俺は力づくで抵抗しようと試みるも、何人かの男たちによって身体を拘束されている。

……浅はかだった。
クレオときちんと作戦会議をしていれば、こんな無様な結果にはならなかっただろう。

「お嬢ちゃんはこっちだぜ」
「いやよ! 触らないでっ」

メリッサが男たちに抵抗している足元が見えた。

「くそっ」

これでは何も守れない。
俺が腰のショットガンに手をかけようとした、その時だった。
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