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迷子の子どもが啼いていた。
夕方五時の公園で。
ブランコだけが寂しく揺れている。

ブランコで遊ぶ子どもは一人だけ。
それでも空は優しいから。
それでも橙色の夕焼けが愛に満ち溢れていたので。

子どもは泣いてさようならをした。

残された私は、たった一人きりで鳴いていた。
離れてゆく子どもの手に、幾重もの未来を重ねて。
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