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第二章 危険
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しおりを挟む警察に連れていかれたあと、わりとすぐに周は家に帰ってきた。愛生も病院での簡単な検査を終えたあと、刑事に軽く幾つか質問を受けるとそのまま自宅に帰された。
それでも、今日一日の大半が既に過ぎており、窓の外は綺麗な星がまばらに光り始めている。
「ひとまず、一件落着、だな」
周が愛生を見てそう言った。今は二人でリビングのソファに座っているところだ。目の前のローテーブルには先程宅配されたピザの空き箱があり、愛生が周の手を手当てしていた。
愛生は周の言葉に少しむっとして彼の手のひらに巻いている途中の包帯をぎゅっと強く結ぶ。
「いたた。……悪かったって。怒るなよ、な?」
既に手当てを終えている周の右手が愛生の後頭部に伸びてくる。そのまま愛生をなだめるようによしよしと撫でる。
愛生はむすっと膨れっ面をしながらも、ぷいっと顔を逸らした。その様子を見ていた周がくすくすと笑う。
「ほら、おいで」
周が優しく手をひっぱると、思いのほか素直に愛生は彼の胸に顔を寄せた。
「俺、めっちゃ怖かったんだからな!」
愛生が周の胸に顔を摺り寄せてもごもごと言う。
「うん」
周はただ頷くだけだ。
「周が何かやべぇことしてるんじゃないかって」
「うん」
「そ、それに。あいつがなんか迫って来るし」
「うん」
「周は殴りやまないし。怪我、しているし」
「うん」
その間も周は愛生の頭を撫で続けている。そして、愛生がぎゅうっとひときわ強くしがみつくと、撫でていた手を止め、彼の顎に添える。そのまま愛生の顎を持ち上げて、上を向かせる。
周の瞳が愛生を真摯に見つめて言う。
「……愛生、ごめんね」
「もう、いいよ」
愛生が周にキスをした。それで許したということだ。そのままキスが深くなっていく。愛生の舌が周にからめとられて、呼吸が浅くなっていく。
「ふっ……ん、ぁ」
唇の端から液体が垂れて、それをさっと周の舌が舐めとる。淫靡な期待に背中がぞくりと震えて、愛生は周にすがりついた。
ちゅっと軽く唇を吸われ、周が口を離した。
「このまま、する?」
甘く優しく問われ、愛生は潤んだ瞳で周を見つめた。
「……うん、して」
たまらないというように周の眉が寄った。そのまま彼は愛生を抱き上げ、二階へと足を進める。その間にも愛生の華奢な足が周の腰にからみつき、首筋に舌を這わせる。
ちゅうちゅうと吸い付いて、周の首筋に赤い花を咲かせる。ホストである周はいつもキスマークを断るはずなのに、今日は愛生を止めることをしない。
ちらり、と周を見上げると少し微笑んでいるのが分かった。
甘えるように、確かめるように何度も何度も愛生は周に噛みついた。その愛生の頭を周が優しく撫でている。
室内に入り、周が優しく愛生をベッドに下した。愛生はとろんとした表情で、周に向かって腕を伸ばしている。
「周……」
甘える愛生に、周は勢いよく口付けた。ぴちゃぴちゃと水音が静かな室内に卑猥に響く。
「ふぅ、ん」
「っはぁ」
互いの吐息が口内を犯し合う。キスをしながら、周のひんやりとした指先が愛生の肌を撫でていく。いつの間にか互いに服を脱ぎ棄て合って、周が愛生を押し倒す。
劣情に塗れた周の瞳が愛生を見ている。どきどきと愛生の心臓が今にも爆発しそうだ。周の流し目に愛生はいつだって翻弄されてきたのだ。
「愛生」
周が愛生を呼んで、愛生の下着に指をかけた。愛生は周の意図するところに気が付いて、腰を軽く浮かせた。その瞬間、周は愛生の下着をするりとずり下げる。
ぷるん、とそそり立った愛生のものがこぼれ出る。周がそれを見て、ふっと笑う。愛生の心臓が期待と緊張にひときわ高鳴る。
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可愛い両片思いのお話です✨
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