ヴァールハイト~希望の光~

紗流

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第四章

一歩進めずその場で停滞

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 『我が朱雀家に投票してくれた皆さん、ありがとうございます。これから私が行う法案で皆さんが苦労するかもしれません。安心してください、その時は朱雀家が責任をもって皆さんを守ります』
 舞台に立つ明日香を湊と雷土は見つめていた。子供のように泣く姿から一変、舞台上の明日香は凛々しく、堂々とした姿だった。
「よかったな、無事に当選して」
「うん。これからは姫様一人で、じゃなくて、私たちでやっていかないと。だから、君も自分の記憶が見つかるまで姫様を支えてね」
「ああ、そうだな」
 ふと、明日香が立つステージの上に目がいった。そこには、大きな窓がありそこに二つの人が立って、見下ろしていた。
「あ、あれは」
 湊は驚きの声を上げて、指を指した。黄金の装飾や、色鮮やかな色の着物を着ているところから、その人物が『姫』だと分かった。だが――。
「あれ、明日香じゃないのか?」
 姫の顔は紛れもなく、明日香とうり二つの顔だった。もちろん、湊だけでなく会場にいる人たちがその存在に気付き、ざわざわし始める。皆の視線に気づき、明日香もその方向を向くと、ようやく姫の存在に気付いた。
 パチ、パチ
 その小さな拍手の音は小さいこそすれ、どこか圧迫感のある雰囲気がある。
『明日香とやら、よくここまでの民衆を味方につけることができたな。ほめてつかわす。
ただ、そちがこれから行う政策は国民を殺すことになるがそれでも良いのか?』
 会場のいたる所にあるスピーカーから女の子の声が響く。抑揚のない声だ。
「いずれノイズに滅ぼされる運命にある。それを回避するための法律だ。国民が死ぬなんてありえない」
『よく考えてみよ。この国は多くの魔素に包まれている。人はそれを体内に留め、魔術や寿命を延ばしている。だがな、魔素が世界中に分散すると、人は魔術を使えないし、寿命だって短くなるはずだ。そうだな、大昔のように十分の一、百歳までになるだろう』
「まさか!」
『どうやら気付いたな。そうだ、今この国で百を超える年齢の者が七千万いる。魔素が亡くなった時点で急激な老化が始まり、死に至るだろうな。そうなれば、お前は大量殺人犯として名を馳せることになるがな』
 客席から見ていた湊は立ち上がり、ステージへと駆けて行った。
(あの子の言うことが正しければ、この国を、国民を愛していた明日香が父親と同じように国民に殺されかねない、それだけは阻止しないと)
 まだ、魔術を使うのは難しいが、そんな悠長なことは言っていられない。湊は自らの足元に魔術で発生させた風を使い、大きく跳躍した。そして、明日香を背中で隠すように、明日香と姫の間に降り立った。
「失礼を承知だが、こいつ……明日香はまだ若い。誰だって考えればすぐに分かることだったんだ。だけど、こいつは自分の親父に憧れ、この国を守ろうとしてたんだ。それだけを忘れないでくれ。……、あと、この案件は一旦保留にしてくれて構わない」
 おい、と横やりを入れようとした明日香の口をふさいで、湊は明日香の耳元で囁いた。
後で説明する、と――。
『なるほど、そちの言い分は分かった。保留の件も認めよう。フフ、面白い奴よ。この私にそんな反骨心を見せてくるなんてな、その面白さに免じ今回は緋鳥明日香の謀反はなかったことにしてやる。今回だけな』
 そう言い残し、姿を消した。姫が言った言葉に安堵した湊はその場に座り込む。
「どうして邪魔をした? 姫(あいつ)が顔を出したんだ。アイツと直接交渉ができる場面だったんだぞ!」
「お前を親父さんと同じように国民から殺されたくなかったんだ。守るっているものから裏切られる辛さはお前が一番分かっているだろ? あのまま姫の言葉を無視しようなら確実にこの場にいる奴に殺されていたぞ」
 湊の言葉に明日香は何かに気付いたように目を開いた。そして、すまないと謝ってくる。
「私は今まで、頑張ってきたんだ。皆を守るために……」
「ああ、だから考え方を変えるんだ! ノイズの殲滅、それしかないんだ」
「言っただろ、ノイズは魔素が無くならない限り永遠に現れると」
「それなら、永遠に戦おうぜ! それなら、あの頭のお堅い姫さまだってわかってくれるはずだ。魔素はこの世に不要だと」
「敵はノイズだけじゃなくなる、それでも良いのだな」
 湊ははっきりとした口調でああ、と肯定した。
「いつかは、お前の考えを理解して、一緒になって戦う仲間も見つかるはずだ、俺みたいにな。……とにかく、ここは一旦、退場しよう。この調子じゃ、会議も閉会せざるを得ないだろう」
 湊は明日香の手を引いて壇上から階段を伝っており、雷土のもとに近づいた。雷土も現状を察して、この会場内から退場した。

 三人は、朱雀家の屋敷の前にいた。他の建物と比べ一回り小さく、金銀、宝石といった装飾が建物に施されていない。一言でいえば質素だ。
「ふふ、なんだ? このボロ屋敷は、みたいな顔をしているな」
「べ、別に何とも思ってないぞ!」
「正直に言っていいさ。だって本当の事だから……。『華は捨て武を高めよ』が我が家の家訓でね。着飾るのは慣れてないんだよ」
 とにかく入るぞ、明日香は先頭に立ち、屋敷へと湊を誘導した。明日香が屋敷の扉を開けると、畳の匂いがした。
「「はあ、疲れた……」」
 そういう声が二つもした。明日香と雷土が二人して同時に来ていたものを脱ぎ始めた。明日香は薄いピンクの布地の着物を、雷土は黄色い明るい着物だ。
 そこから現れたのは、真っ白な肌と、下着だ。何故ここで脱ぐんだ、と疑問に思いつつ湊は自分の目を手で覆った。もしかしたら下着を見たことに怒っているかもしれない、湊は明日香たちの怒声をビビりながら待ったが、明日香たちからは何もなかった。
 手を退かして、二人の様子を見てみると、二人は畳の上に座り、うちわを煽いでいた。
「ふふ、顔を赤くして、何を恥ずかしがっている? この助平」
「あのなぁ、お前ら女だろ。もう少し慎みを持った服装をだね」
「湊くん、なんか文句あるみたいだけど、基本この家の女は性格が男の子と変わらないと思っていいから。下着を見られたからって恥ずかしがらないよ。も、もしや、君はそういう姿が見たいのか!」
 何か変なことを思いついたのか、雷土は湊の顔を見て一瞬、ニヤリと笑うと明日香に小声で耳打ちしていた。雷土が何を言っているか分からないが、明日香は興味津々に聞いていた。時折、湊の顔を見ては顔を赤くし、そっぽを向いた。小首をかしげ、二人を見ていると話がオア割ったんだろう、雷土がそっと明日香の元から退いた。
「ねぇ、湊さん。私、先程から少し熱っぽいのですよ~。貴方様のそのおでこを私のおでこに当ててお熱を測ってくれませんか?」
 明日香は四つん這いになり、下着の肩ひもを外しながらゆっくりと近づいてくる。
「な、なんで話し方がいつもと違う! 何ではだける必要がある!」
「こ、こうすればお前が喜ぶって雷土の奴が……。わ、私も君にはとても感謝してるんだ。だけど、どうすれば恩返しができるか分からなかったんだ」
「とりあえず、着物を着てくれ」
「す、すまない」
 素直に言うことを聞いてくれるのはいいが、明日香は下着の肩ひもをもとに戻しただけで、着物は着てくれなかった。
 ピンポーン
「誰か来たみたいだ。俺が出るからお前たちは服を着ろ。暑いなら薄着を着てろ」
 はーい、と言いながら湊は玄関へと向かい、扉を開けた。そこには見知った少女の顔あった。見知ったというより、一戦を交えた仲だ。お互い、知っているとはいえ話したことはない。
「あの私、白虎家の白露(しらつゆ)虎(こ)雪(ゆき)っていうものです。あの時は興奮していたとはいえ、手を出してすいませんでした」
「俺は、四津上湊。ま、外は暑いんだ、中に入ってくれ」
 言葉で謝ったからと言って油断はできない。後ろからついてくる虎雪に警戒しつつ、明日香の元に連れて行った。
 居間に戻ったときには、明日香は記事が薄めの上着を着ていて、それがまた新鮮で思わず見とれていた。明日香は来客者が虎雪だと知ると、少し複雑な顔になり、よく来たなと歓迎した。
「姉さま、ごめんなさい。私……私ぃ」
「気にするな、お前がこの国の事を思ってやったことくらい分かる。知っていたんだな、この国から魔素が無くなったらどうなるかってことを」
 虎雪は黙って頷いた。
「姉さま、言い訳に過ぎないけど言ってもいいですか? あの日、姉さまを襲った日、私にはその時の記憶がありません。姉さまの考えは昔から聞いていて、反論する意思はありました。でも、姉さまに傷をつけてまで止める気はなかったんです」
「やはりか……。あの時の虎雪はどこか普段と違う感じがした。あの日、姫に呼び出された、とかなかった?」
「まさにその通り。姫様に用事があるとかで呼び出された。そこからの記憶がないです」
「だから、もう過ぎたことだ。気にせず、いつも通りおしゃべりしよう。姉妹としてな」
 泣きながら抱き着く虎雪を慈愛ある顔で見つめながら優しい手つきで小さな頭を撫でる。しかし、その顔は悲痛なものに変わり、撫でている方とは逆の手で畳に向かい拳を振り落とした。誰から見ても、明日香は怒りを露わにしていた。
「この子までも利用して私を消しかけるつもりか。くそ、忌々しい魔女が!」
「しかし、白虎家が使えないとすれば、残りの四大守護家が襲ってくるかもですよ。朱雀家に比べ遥かに姫への忠誠心が強いですから」
 雷土の言葉に明日香は怒りを抑え、握った拳を開いた。記憶がない湊は現状の朱雀家がどんな立ち位置にいるのか分からず、小首をかしげていた。
「話に水を差す悪い。四大守護家ってなんだ?」
「朱雀、白虎、青龍、玄武、この四つは代々姫の近くを守護してきた家系だ。……、しかし、青巳(あおみ)と桐生(きりゅう)が姫側についたら厄介だ。あいつらは、本当に国より姫に依存しきっている。姫が国を変えるって本当に思っているんだ」
「姫だって国の事を考えているはずだ」
「違う、アイツは国の事なんか考えてない。自分が統率、いや、支配していることしか考えてない。あいつが永遠に支配する国、ディストピアを考ええるんだ。国民は自分を振興するためにいる駒としか思ってないんだ」
「姫様、その辺にした方がいいですよ。湊くんにはここで暮らしていて、姫様がそこまで言う理由を知っていけばいいんですから」
 まだ、この国がどんなところか分からない。明日香の憎しみ、姫の真理、この二つがどんなものなのか見定める必要がある。もう一度握りしめられた明日香の手を見ながら湊はそう思った。
「あ、あの姉さま。湊様とはどんな関係なの? 四津上家はどこにあるの? なんで、湊様はここにいるの?」 
 先程まで明日香に慰められていたはずの虎雪は、疑問の言葉を吐きながら、明日香に詰め寄った。何かが乗り移ったかの如く性格を変えた虎雪に向かい、どうしたんだと尋ねた。虎雪は湊と目が合うと顔を赤くした。
「白虎家の女は、代々強いオスに憧れるんですよ。憧れて、憧れて、次第に気持ちが好意に変わるんですぅ。あの日、湊様が私に勝ってから貴方様の顔が頭から離れないんです。そのぉ、湊様、膝の上に座ってもいいですか? 今からそちらに行きますぅ」
 本当に別人になった虎雪は、湊にじりじりと近づいてくる。そして、言葉通り湊の膝の上に座ってきた。
「私のことは雪とお呼びください。私は湊様とお呼びしますから」
 なんて大人な台詞を言うんだ。体型は雷土とさほど変わらないのに……。明日香を姉さまと呼ぶくらいだ、年下のはずだぞ。なんでこんなに色っぽいんだ。虎雪に抱きしめられながら、混乱していると明日香が立ちあがって、小雪の真っ白な着物の襟を掴んだ。
「お前はまだ十五歳だろ。結婚できる年齢じゃないんだ。年頃の女子がそんなにベタベタと引っ付くな。それに湊は今は私のしょ、所有物だ。人のものを盗むな」
「ちょっと待て。俺はお前の所有物になった覚えはないし、それにその言葉は誤解を生むぞ!」
「で、でも。お前は私の守護者なんだろ。だったら、私のものって言ってもさほど変わらないだろ」
「へ、変な受け止め方をするな。俺はただ、って白露も引っ付くのは止めろ。体を擦りつけるな、首を舐めるな」
 明日香のセリフに過剰に反応して、湊に対する肉体接触をエスカレートしていく。湊と明日香は小雪を体から剥がしながら、湊の現状を説明した。

「疲れて眠ったな。全く、まだ子供なんだから」
「こいつも白虎家の当主なのか?」


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みんなの感想(1件)

関谷俊博
2016.08.14 関谷俊博

本格SFの薫りがします。文章がしっかりしていて、描写が確かです。世界観もいい。続き、楽しみにしています。

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