俺が最後まで愛した恋人

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第4巻 2人との距離感

俺が最後まで愛した恋人

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第4巻

いよいよ林間学校が始まる。
俺からすると悪夢が始まる。
俺は肝試しが好きだ。
もちろん、女子とかには全く興味はない。
ただ単純に驚くと楽しいのだ。
だが今回は別の意味で驚きがあるため今回の肝試しは過酷なのである。
まずはバスでその宿泊場に行くらしい。
バスの席順が発表された。
ん?
出席番号順だと?
なら、安心だ。
教室の机の個数により、出席番号で座ると隣に変人女が来てしまう。
今回は俺の勝ちだ。
と思っていたが……
先生「席が足りないから補助席使うぞー」
んっ?
まさか、俺の嫌な予感が的中しなければいいが…
そう思いながら隣を見る。
「何か?」←筒木かをり
いるじゃねぇか~~!
なんでだよ。
神様は俺を何度見捨てるのだ。
「いや、なんかなー。最近いつも近くにいるなーと思ってなー。」
俺はよそを向きながら頭をかいた。
しかしなぜなのか、こいつが最近可愛く見えて仕方ねぇ。
認めたくはないが。
「帽子、にやってんじゃねぇか。」
俺は照れくさに言った。
すると
「うん!ありがとっ。とても嬉しいよ!」
と、満喫な笑顔で返事を返してくれた。
よくわからん。
こいつは本当に。
つい最近まで
「きしょい」
など
「こんな奴」
などと、口悪かったが、
なぜ今日に限ってなのか。
気になって宿泊場で筒木を呼び出した。
「何よ。話って。」
腕組みしながら筒木は言った。
俺は単刀直入に言った。
「お前は俺をどう思ってるんだ。」
すると、
「馬鹿じゃないの?私はあんたの妹よ。私はあんたの事が気になってるのよ。」
ドキッ!
なんだよ。
こいつ、告白か?
「か、勘違いしないでよね!別にあんたのことを好きで言ったわけじゃないんだからね。ただ、義理の妹ってのを隠したいだけ…。」
赤い顔して筒木は言った。
なんだ、めっちゃ可愛い。
本当に口悪さえなければ初めての恋をしていたかもしれない。
人は必ずしも欠点があるものだな。
「そ、そうか。わ、悪かったな。」
なんか変な空気になってしまった。
二人は目を合わせなかった。
そのまま話は終わり、みんなの元へ戻った。
先生「じゃあ、今からバーベキューの準備をするからみんなで協力するように。男子は男らしく重い荷物でも持ってあげること。いいな!」
皆は一斉にバーベキューの準備に取り掛かる。
俺は、あいつからのあの言葉が気になり、何故か筒木から目が離れなかった。
俺は、準備をしている此上を呼んだ。
「秋、こっちに来い!」
「なんだよいきなり。また筒木さんのことで何か?」
サッシが早いな。
「まぁ、そんなところだ。」
「ふーん。んで何?」
俺は林間学校に到着した時に筒木と話したことすべてを秋に話した。
「なるほど。つまり、前まで見せなかった態度が自分の前で徐々に出て来たから不思議だということか。」
「うん。」
「つまりそれは、筒木さんがお前の事を気に入っているのではないのか?」
それは俺も思った。
あいつが、妹になった事で兄であるこの俺のことを信じているのか。
でも、それならば何故あんなに赤い顔をしてまで話して来たのだろうか。
謎に包まれるばかりである。
すると、秋が
「お前ら、いっそのこと付き合っちまえば?」
「…」
耳がおかしくなったのか。
今聞こえたのはなんだったのか。
「秋、よく聞こえなかった。もう一回言ってくれ。」
再び問う。
「だーかーら、付き合えばって言ってんの。」
こいつ、何を根拠に付き合えと?
秋も、実は変人だったのか。
今自分でもわかる、今の俺の顔はやばいと。
でも、あいつは普通に可愛いし、ただ口が悪い女なだけだ。
すると秋が、
「本当はお前も気づいているんだろう?あいつもお前もお互いに好気なんだという事を。」
そうか、俺はあいつのこと気になってたのか。
そういえば、目が合った時とかも、お互い照れてたしな。
だが、たとえ俺が告白して付き合ったとして、あいつが兄妹の関係を隠すつもりでいるため、あいつにとってメリットなのか。
そもそも、嬉しいのか?
その返事は秋にしなかった。
そしていよいよ夜が来る。
地獄の肝試しである。
先生「よーし、そしたら二人組をつくってくれー。男女でも構わないぞ~。」
俺の首を絞めるかのように痛い言葉が突き刺さる。
俺はあいつのところへ行った。
そしたら、筒木は1人で孤立していた。
『なんだあいつ、友達いないのか』
こんな事を思いながら、筒木に話しかけた。
「よっ。こんなところで何してんだ?」
「べ、別に。行く人がいないわけじゃないのよ。勘違いしないでくれる?」
俺は、こいつをほっとけなかった。
「なぁ、お前が俺のことをどう思ってるのか関係ねえ。だけんどよ、困っている妹を助けない兄はどこにいる。気が強くなるのは、お前の性格だからなおせとは言わねぇ。だけど、少しは頼ってくれてもいいんだぜ。」
ヤベェ、俺の口が勝手に動くように次々と言葉が出て来た。
すると筒木は赤い顔で、
「じゃあ……今…頼ってもいい?」
「あぁ、一緒に行こう!」
俺は筒木の手を握りしめてその勢いで二人組のペアを組んだ。
こうして俺たちは、暗い林の中を進んで行ったのである。


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