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第10話

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 私に婚約破棄を申し渡して、私の友達だった女と結婚したディビットにざまぁを仕掛けた。

 今の所作戦は順調だ。
 既に王都の屋敷は借金の方に取り上げられ、今はアストラル家の領地に引き上げているそうだ。

 ただ、対面を気にする貴族社会では、王都での活動が満足に出来ない貴族家は、落ち目だと言っても良いだろう。

 ディビットと結婚したミザリーは、実家が危機感を感じて、無理やりに離婚させて保身に走っている。

 でもディビットの伯爵家は、アストラル領に帰ればまだ領地も、屋敷もある。
 第一夫人による、使い込みによる借金だと言う恩情から、父の伯爵位まで取り上げられることは無かった。

 このまま少し我慢して領地の税金を上げるなどの手段で、復活する可能性は無いとは言えないよね。

 それに対して私は、自分の実家で在ったスティングレー家と、ディビットの実家であるアストラル家の屋敷を、差し押さえ物件として随分安く購入した。

 私はそのどちらの家にも住みたくも無かったから、平民出身のホストスタッフで今回大活躍してくれた、アダムとギャバンにそれぞれプレゼントしたよ。

 二人とも私に惚れてくれてるみたいだけど、今はまだ私は色恋に落ちる余裕は無いからね!

 キャバにホスクラに会員制クラブ。
 すでに私が王都に構える店舗は10件にまで増えていた。

 私が警察官僚の侯爵様に提案して許認可制になったカジノの経営は、私のような前世の記憶にある徹底したサービスを追求した考え方が出来ないと、中々軌道に乗せる事は難しいから、当分は私の1人勝ちと言っても良いだろう。
 私の資金力は、王都の貴族の中でもトップクラスと言っても良い程になってきた。

 この豊富な資金力を使って次に起こす行動は、アストラル家の没落を楽しませて貰おうかな?


  ◇◆◇◆ 


「サンドラぁ? 古着の買い取り専門店の調子はどう?」
「はいアゲハ様、すこぶる順調でございますよ。貴族家には今まで古着屋にドレスを売るなんて言う習慣が無かったので、私が訪問買い取りに伺いますと、どこのお家も喜んで提供してくださいます。指輪やネックレスの買取も始めましたから、増々商売は順調に行えてます」

「貴金属は…… 流石にうちのお店の子に無償で貸し出すって言う訳にもいかないでしょ?」
「アフターや同伴出勤の時にお客様と一緒に訪れておねだりさせるんですよ。王都の有名宝飾店で先に高い商品を見せておいてから、それに比べれば良心的な値段設定の私達のセブンスショップに案内させて、購入して貰えれば、購入代金の半額は、嬢達に払い戻すんです。みんな大喜びでジャンジャン貢がせてますよ」

「サンドラ…… お主も悪よのぅ」
「アゲハお嬢様ほどではクックック」

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