17 / 104
第17話 王国軍
しおりを挟む
「おやっさん朝から無理なお願いをしてすいませんでした。タクマもありがとうな」
「なにを言ってやがるんだ。そこに腹を減らした人が居るなら、料理を作る。料理人にとって当たり前のことをしただけだ。それに、カインがしっかりと料理の腕を上げているのを目の前で確認できて、師匠として鼻が高いぞ」
「ありがとうございます。おやっさんの教えがあればこそです」
カール村の人達への食事の提供を終えて、おかみさんやマリーとチュールも一緒に朝ご飯を食べながら話していた。
「でもカインこれからどうするんだ? カール村の人達を助け出しても、この先あれだけの人数で、この街に滞在するのも大変だろ?」
「恐らくですが…… この街のギルドが出している斥候の人間が戻ってくれば殆どの問題は片付いてるんじゃないでしょうか」
「ずいぶん自信たっぷりだねカイン。じゃぁきっと大丈夫」
「チュールちゃんも自信たっぷりに言うんだね」
「だってカインだもん」
「でも、俺はカール村で食堂でも始めるつもりで戻って来たけど、当分は村の人達も食堂でご飯を食べる余裕とか無いだろうし、そこは少し予定変更です」
「どうするんだ?」
「そうですね。チュールと一緒に旅を続けようかと。まだ見ぬ食材、チュール達の様な亜人の人達との交流。そしてすべての人類が差別なく安心して暮らせるような場所を求めてみようかと」
「随分と大きな夢だな」
「俺に出来るのは、料理くらいですが夢を見るくらいは良いんじゃないかと。一度きりの人生ですから」
「そうか、頑張れカイン。俺も応援してやる。疲れたり何かあったりした時はいつでもここに戻ってこい」
「はい」
「今日はどうするんだ?」
「昨日徹夜だったから、少し寝たらまたカール村へ行ってみようと思います」
「そうか。ゆっくりと休め」
「チュールはここの問題が片付くまでは『ひまわり食堂』のお手伝いを頑張るんだぞ?」
「うん」
◇◆◇◆
俺が一眠りして目を覚ますと、既に昼過ぎだった。
「おはようございます。おやっさん」
「よう起きたか。ギルドが随分と騒がしそうにしてたぞ」
「そうですか。顔を出してみます」
顔を洗ってギルドへと向かうと、確かに大勢の冒険者たちが集まっていた。
「アマンダ。この騒ぎは何事だ?」
「カイン。それがね斥候に出していた人間が戻って来て、カール村に居た帝国軍の連中が慌てたようにカール村から撤退して行ったって報告があったんだよ。事実関係がはっきりしないから、今から街の衛兵と冒険者の合同チームで、カール村へ向かう所だよ」
「そうか、俺も行ってみよう。それとな、ちょっと聞きたいんだが……」
「なに?」
そう言って、俺は昨日の古代遺跡から持ち帰った本を一冊取り出して、アマンダに開いて見せた。
「この本なんだが、文字が全く読めないんだけど、読める人を知らないか」
「わー、随分難解な文字だね。でも、どこかで見たような気もする。ちょっと待っててね。マスターに聞いて見る」
「おう。頼むな」
それから5分程の時間を空けて、アマンダが戻って来た。
「カイン。この本だけどね。どうやら古代エルフ文字が使われてるそうだよ」
「そうなんだ。誰か読める人は居るのかな?」
「ハイエルフと呼ばれる、エルフの王族なら読めるかもしれないって」
「そっか。どこに住んでるんだろうな?」
「それは解らないわね。どこかの森の中と言うのは間違いないけど、隠蔽が施されていて、普通の人族では辿り着けない筈だから」
「そうか。王国内でエルフと出会えるか?」
「どうでしょう。カインはずっと王都に居たんでしょ? エルフは見かけなかったの?」
「そう言えば記憶にないな。獣人やドワーフは見かけたが」
「可能性としては、奴隷オークションには稀に出品されるらしいけど、落札した人はエルフを手に入れても、人目に晒さないのが当たり前みたいだからね」
「それは何で?」
「取り返されるのを恐れてかな? 基本攫って来てるから、取り返されても不思議では無いからね。隷属の首輪があるから、その鍵が無いと助け出すのも難しいでしょうけど」
「そうか……」
奴隷オークションなら、来るときに寄って来た豚男の街か。
カール村の件が片付いたら少し探ってみるか。
でも、チュールは近寄らせたくないから、もう暫くおやっさんに頼まなきゃならねぇかな?
◇◆◇◆
街の衛兵は国の公務員だ。
ギルドからもたらされた情報を基に関係各所への、連絡で忙しく動き回っていた。
一番優先するべき連絡は、現在すでに王都を出発して、各地で兵を増やしながら南下してきている、王国軍への連絡である。
この国では、各地の領主が独自に軍を組織する事は許されておらず、全ての兵士は国から各領地へと派遣されている。
反乱防止のためには、有効な手段であろう。
今回の国境線での帝国軍の侵略では大規模な衝突が予想される。
守備側の方が、通常は有利になりやすいが、今回は補給線になり得る農業区域のカール村を最初に抑えられているので、その定石も通用しにくい。
カール村だけで10万以上とされる帝国軍の糧食を賄う事は無理だが、カール村と帝国領を隔てる大河沿いには帝国側にも十分に広大な農地が広がっており、その穀倉地帯がある限りは、帝国軍の方が侵攻に有利な状況だろう。
問題は帝国軍の目的だ。
最終的には勿論王国の併合であるであろうが、いきなりそれを始めるには、戦力が足りない筈だ。
今までに入っている情報では、カール村から王国側への侵略はまだ行われていない。
山越えになるのもあるが、帝国側の動き次第では国境の村の放棄迄考えなければならないだろう。
それよりも手前の山脈に陣地を構築して迎え撃つ方が、防衛上守りやすいからだ。
◇◆◇◆
今回の王国の防衛軍の派兵には、何軒かの新興貴族家が出撃命令を出されている。
国通しの戦争は何年も起こっていなかったので、その間に新しく貴族位を陞爵した家は、家格に応じた兵を出さなければならないからだ。
その為に、安くない恩給を国は貴族に与えているのである。
家格に応じた兵はどうやって揃えるのかと言うと、傭兵である。
若しくは、貴族家への就職を求めた貴族家の三男以下の子弟が、働き次第で正式に家人として雇ってもらえる可能性を夢見て手弁当で志願する。
そんな、出撃命令を出された新興貴族家の中に、ギースの姿もあった。
(ハルク達はCランクダンジョンの探索に出ているから、俺が今回の出撃要請は『ドラゴンブレス』一派として代表で参戦している。お飾りな出撃だが今回だけはしょうがない。一応、国王陛下に忠誠を誓う形で陞爵は行うので、こういう機会に参戦をして初めてその貴族位が他の貴族へも認められるようなもんだからな)
男爵家の家格に合わせた、自分と身の回りの従士それと5名程の傭兵を追加で募集して、参加している。
従士は勿論ギースの新しいパーティメンバーである姫騎士たちだ。
白銀で揃えられた鎧や武器が、今回の隊列の中でも一際目を引いている。
「あれがSランクダンジョンを攻略した、『ギース・フォン・ドラゴンブレス』男爵か。流石に見栄えのいいメンバーで揃えて来てるな」
周りからの評判もすこぶる高い。
(やはり、今回の参加は俺の名前を高めるのには重要だったな。パーティメンバーを決めるのに、見た目を優先した事も間違いなかった)
「なにを言ってやがるんだ。そこに腹を減らした人が居るなら、料理を作る。料理人にとって当たり前のことをしただけだ。それに、カインがしっかりと料理の腕を上げているのを目の前で確認できて、師匠として鼻が高いぞ」
「ありがとうございます。おやっさんの教えがあればこそです」
カール村の人達への食事の提供を終えて、おかみさんやマリーとチュールも一緒に朝ご飯を食べながら話していた。
「でもカインこれからどうするんだ? カール村の人達を助け出しても、この先あれだけの人数で、この街に滞在するのも大変だろ?」
「恐らくですが…… この街のギルドが出している斥候の人間が戻ってくれば殆どの問題は片付いてるんじゃないでしょうか」
「ずいぶん自信たっぷりだねカイン。じゃぁきっと大丈夫」
「チュールちゃんも自信たっぷりに言うんだね」
「だってカインだもん」
「でも、俺はカール村で食堂でも始めるつもりで戻って来たけど、当分は村の人達も食堂でご飯を食べる余裕とか無いだろうし、そこは少し予定変更です」
「どうするんだ?」
「そうですね。チュールと一緒に旅を続けようかと。まだ見ぬ食材、チュール達の様な亜人の人達との交流。そしてすべての人類が差別なく安心して暮らせるような場所を求めてみようかと」
「随分と大きな夢だな」
「俺に出来るのは、料理くらいですが夢を見るくらいは良いんじゃないかと。一度きりの人生ですから」
「そうか、頑張れカイン。俺も応援してやる。疲れたり何かあったりした時はいつでもここに戻ってこい」
「はい」
「今日はどうするんだ?」
「昨日徹夜だったから、少し寝たらまたカール村へ行ってみようと思います」
「そうか。ゆっくりと休め」
「チュールはここの問題が片付くまでは『ひまわり食堂』のお手伝いを頑張るんだぞ?」
「うん」
◇◆◇◆
俺が一眠りして目を覚ますと、既に昼過ぎだった。
「おはようございます。おやっさん」
「よう起きたか。ギルドが随分と騒がしそうにしてたぞ」
「そうですか。顔を出してみます」
顔を洗ってギルドへと向かうと、確かに大勢の冒険者たちが集まっていた。
「アマンダ。この騒ぎは何事だ?」
「カイン。それがね斥候に出していた人間が戻って来て、カール村に居た帝国軍の連中が慌てたようにカール村から撤退して行ったって報告があったんだよ。事実関係がはっきりしないから、今から街の衛兵と冒険者の合同チームで、カール村へ向かう所だよ」
「そうか、俺も行ってみよう。それとな、ちょっと聞きたいんだが……」
「なに?」
そう言って、俺は昨日の古代遺跡から持ち帰った本を一冊取り出して、アマンダに開いて見せた。
「この本なんだが、文字が全く読めないんだけど、読める人を知らないか」
「わー、随分難解な文字だね。でも、どこかで見たような気もする。ちょっと待っててね。マスターに聞いて見る」
「おう。頼むな」
それから5分程の時間を空けて、アマンダが戻って来た。
「カイン。この本だけどね。どうやら古代エルフ文字が使われてるそうだよ」
「そうなんだ。誰か読める人は居るのかな?」
「ハイエルフと呼ばれる、エルフの王族なら読めるかもしれないって」
「そっか。どこに住んでるんだろうな?」
「それは解らないわね。どこかの森の中と言うのは間違いないけど、隠蔽が施されていて、普通の人族では辿り着けない筈だから」
「そうか。王国内でエルフと出会えるか?」
「どうでしょう。カインはずっと王都に居たんでしょ? エルフは見かけなかったの?」
「そう言えば記憶にないな。獣人やドワーフは見かけたが」
「可能性としては、奴隷オークションには稀に出品されるらしいけど、落札した人はエルフを手に入れても、人目に晒さないのが当たり前みたいだからね」
「それは何で?」
「取り返されるのを恐れてかな? 基本攫って来てるから、取り返されても不思議では無いからね。隷属の首輪があるから、その鍵が無いと助け出すのも難しいでしょうけど」
「そうか……」
奴隷オークションなら、来るときに寄って来た豚男の街か。
カール村の件が片付いたら少し探ってみるか。
でも、チュールは近寄らせたくないから、もう暫くおやっさんに頼まなきゃならねぇかな?
◇◆◇◆
街の衛兵は国の公務員だ。
ギルドからもたらされた情報を基に関係各所への、連絡で忙しく動き回っていた。
一番優先するべき連絡は、現在すでに王都を出発して、各地で兵を増やしながら南下してきている、王国軍への連絡である。
この国では、各地の領主が独自に軍を組織する事は許されておらず、全ての兵士は国から各領地へと派遣されている。
反乱防止のためには、有効な手段であろう。
今回の国境線での帝国軍の侵略では大規模な衝突が予想される。
守備側の方が、通常は有利になりやすいが、今回は補給線になり得る農業区域のカール村を最初に抑えられているので、その定石も通用しにくい。
カール村だけで10万以上とされる帝国軍の糧食を賄う事は無理だが、カール村と帝国領を隔てる大河沿いには帝国側にも十分に広大な農地が広がっており、その穀倉地帯がある限りは、帝国軍の方が侵攻に有利な状況だろう。
問題は帝国軍の目的だ。
最終的には勿論王国の併合であるであろうが、いきなりそれを始めるには、戦力が足りない筈だ。
今までに入っている情報では、カール村から王国側への侵略はまだ行われていない。
山越えになるのもあるが、帝国側の動き次第では国境の村の放棄迄考えなければならないだろう。
それよりも手前の山脈に陣地を構築して迎え撃つ方が、防衛上守りやすいからだ。
◇◆◇◆
今回の王国の防衛軍の派兵には、何軒かの新興貴族家が出撃命令を出されている。
国通しの戦争は何年も起こっていなかったので、その間に新しく貴族位を陞爵した家は、家格に応じた兵を出さなければならないからだ。
その為に、安くない恩給を国は貴族に与えているのである。
家格に応じた兵はどうやって揃えるのかと言うと、傭兵である。
若しくは、貴族家への就職を求めた貴族家の三男以下の子弟が、働き次第で正式に家人として雇ってもらえる可能性を夢見て手弁当で志願する。
そんな、出撃命令を出された新興貴族家の中に、ギースの姿もあった。
(ハルク達はCランクダンジョンの探索に出ているから、俺が今回の出撃要請は『ドラゴンブレス』一派として代表で参戦している。お飾りな出撃だが今回だけはしょうがない。一応、国王陛下に忠誠を誓う形で陞爵は行うので、こういう機会に参戦をして初めてその貴族位が他の貴族へも認められるようなもんだからな)
男爵家の家格に合わせた、自分と身の回りの従士それと5名程の傭兵を追加で募集して、参加している。
従士は勿論ギースの新しいパーティメンバーである姫騎士たちだ。
白銀で揃えられた鎧や武器が、今回の隊列の中でも一際目を引いている。
「あれがSランクダンジョンを攻略した、『ギース・フォン・ドラゴンブレス』男爵か。流石に見栄えのいいメンバーで揃えて来てるな」
周りからの評判もすこぶる高い。
(やはり、今回の参加は俺の名前を高めるのには重要だったな。パーティメンバーを決めるのに、見た目を優先した事も間違いなかった)
1
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる