美味いだろ?~クランをクビにされた料理人の俺が実は最強~

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第24話 イシュルブルグ

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「カイン本当にありがとう。私達はこれからこの村を今まで以上に発展させるわ。司教様の願いでもあるし」
「シスター。俺も出来るだけの援助はさせて貰うから、弟たちを頼むな」

「お兄ちゃん、美味しいご飯ありがとうね。俺達も頑張ってシスターのお手伝いするから、また遊びに来てね」
「おう。頑張れよ後輩ども」

 まだまだこの村は色々足りないものもあるが、きっとみんなで力を合わせて乗り超えてくれるだろう。

 未来が楽しみだな。

 俺達はカール村から、タベルナの街を経由して、王都方向へと向かう道を進んだ。
 目的地は奴隷商の街だ。

 二日程を掛けて、街の側まで辿り着いた。

「チュール。フィルと一緒に街には入らずに待って居て貰って良いか? 前回の件があるから面倒になりそうだし」
「うん」

「フィルも頼んだぞ?」
「任せて」

 俺はこの街の冒険者ギルドへと顔を出して、情報を集める事にした。

「ちょっと聞きたいんだが?」
「あ、カインさん。前にカインさん達がいらっしゃった後に、急に代官が交代する事になったんですが、何かご存じですか?」

 へーあの代官クビになったのか。
 まぁ自業自得だな。

「いや。俺は知らないよ?」
「新しい代官は、伯爵の次男がやって来てるんですが、結構話の分かる人って言う噂ですよ」

「そうか。それならこの街の為には良かったんじゃないか? 所でさ、エルフに遭いたいんだけど、伝手は無いか?」
「エルフですか。流石に凄く高額な取引になるので、この辺りでは伯爵様の領都でしか、取引は行われて無いでしょうね」

「そうか。ありがとう。武器や鎧の取引はこの街でも直接武器屋や防具屋でいいのかい?」
「そうですね」

「解った。ありがとう」

 そう言って、俺は街の武器屋へと向かった。
 俺自身は武器なんて包丁とナイフフォークしか使わないからな。
 帝国軍から貰って来た武器や防具は、金に換えてカール村の復興にでも使った方が世の為だよな。

「こんちわ、ちょっと武器の買取お願いしたいけどいいかな?」
「おう、見せて見な」

「兄ちゃん。この武器何処で手に入れた。凄い金のかかったこしらえのいい武器だ。素材もミスリルと魔導鋼の合金だからいい値段になるぞ? ただし俺の店では、武器の能力は評価して金額を付けるが、拵えの良さや華美な装飾に関しては値段を付けねぇ。高く売りたいなら、王都か伯爵領都のオークションで売る方が良いぞ」
「へぇ、おっさん正直だな。他にも何本かあるから、この剣はおっさんの言い値で売ろう。情報料だ」

「そうかじゃぁ金貨100枚で売って貰おうか」
「それでもそんなにするのかよ……」

「ああ。オークションにかければ最低金貨150枚からだな」
「そうか。金貨100枚で十分だ。売った。話は変わるが伯爵領都なんだけど、亜人族の扱いはどうなんだ?」

「ちょっと前までのこの街の様な理不尽な誘拐は流石に無いな。この街も代官が変わって、拉致は禁止になった。普通に奴隷商に連れて行けば買い取るけどな」
「そうなんだ。それは良かった」

「それでも、この街では亜人は暮らしにくいのは確かさ。前の代官の時に拉致された者まで助けられたわけでは無いし」
「そうなんだ。なぁ新しい代官は話の解る人って聞いたけど、それは本当なのか?」

「どうだろうな、俺も会った事は無いが、貴族様だから良い人って言っても、限度があると思うぞ」
「そっか。色々ありがとうな」

 俺は、取り敢えずこの伯爵領の領都へと向かう事にした。
 王都だと『ドラゴンブレス』関係で面倒な事になりそうだしな。

 拉致の心配が無いならチュールとフィルも一緒で大丈夫だと思い、二人を迎えに行った。

「カイン。もう用は済んだの?」
「この街ではな。今から伯爵領都に向かう」

 そう言って三人で、歩き始めた。

「フィル。無理して徒歩に付き合わなくてもいいんだぞ? ケラに乗りなよ」
「だって一人だけケラに乗ってると、なんか悪いじゃん」

「大丈夫。私は体力はある! 猫獣人だし」
「そっか。チュールちゃんがそう言ってくれるなら。ケラお願い」

「任せニャ」

 そう言って、クロヒョウ形態へと変身した。

「ケラ。その姿凄い! カッコいい!!」
「チュールも何か、従魔飼うか?」

「獣人は、従魔を連れ無い」
「そうだったな。でもフィルとケラを見れば分かるだろ? 従魔の契約とは隷属とは全く違う。将来を共に生きて行く事をお互いに誓う、親友の契りの様なもんなんだ」

「そっか。それならいいかも。でも無理に探すんじゃ無くて、旅の途中で出会いがあれば! っていう事にする」
「解った」

 奴隷商の街から、伯爵領の領都迄は15㎞程の距離だ。
 その間の街道は、馬車での往来が可能な様に道も整備されてる。

 この世界では道の整備は、土魔法の使い手が地面をならし、錬金術師がセラミック化を施すか、石畳にするのが主流だが、石畳は主に街中での舗装方法として使われる。

 3時間程でこのイシュターク伯爵家の領都イシュルブルグへと到着した。
 
「ここの街では不本意ではあるけど、奴隷を購入しようと思う」
「ええ? そうなの? 何か意味はある?」

「まぁ今は色々と知られたくない事の方が多いから、態々王国の貴族を相手に揉め事を起こしたくないって言うのがあるし、エルフを仲間に入れる事は、俺達の活動の為には意味が大きい。だから、まずエルフの売買額の相場を聞きに行く。チュールはケラと一緒に宿で待っててくれ。安全性には問題が無いと言う事だから大丈夫だ」
「うん」

 俺は、チュールと出会った時の山賊たちから手に入れてた金は、カール村の復興で殆ど寄付してしまったから予算は先程の街で手に入れた金貨100枚しか無い。

 恐らく、足らないと思う。

 オークションハウスもこの街では存在するようだから、そこで足りない部分の現金収入を得ようと思う。

 フィルと二人で奴隷商へと入って行った。
 
「いらっしゃいませ。どのような奴隷をお探しで?」
「そうだな、見目のいいエルフは手に入らないか?」

「エルフでございますか。エルフは通常、店舗で手に入れる事は、ほぼ不可能です。もし入荷があっても必ずオークションに出品されますので。ダークエルフでしたら現在在庫もございますが?」
「そうか。因みにエルフはオークションでどの程度の値段が付いているのだ?」

「前回出品された、エルフ女性の落札額は金貨1200枚でした。ただしそのエルフは年齢300歳越えで、前の飼い主が老衰で亡くなったために出品された物でした。若ければ2500枚から5000枚ほどの値が付く事も不思議ではございません」

「そうか。次にエルフが出品される予定はいつだ?」
「来週のオークションには正真正銘の10代後半のエルフ少女が出品されると噂になっておりますが、恐らく見目にもよりますが、金貨4000枚以下の落札は無いでしょうな」

「解った。武器や防具のオークションはいつ開かれるんだ?」
「それは毎週水曜日ですね、明後日です」

「出品するには、どうすればいい?」
「商業ギルドに持ち込んで、手数料を収めて出品されています」

「なる程。ありがとう」

 そう奴隷商の男に伝えて、店を後にした。
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