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第93話 ドラゴンブレス⑯
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アンナが集めて来た情報に心が躍った。
俺達が仕掛けたゴーレム達が、俺の持つコアが破壊された事により制御を失い、皇宮から出て来て帝都を壊滅状態に陥れた。
その対応すら満足に行えなかった帝国皇帝は、避難していた公爵家で暗殺され、帝国は完全な無政府状態。
帝国内の各領主が覇権を争う戦国時代へと突入していた。
「ミルキー俺は決めたぞ。帝国に乗り込み、手頃な貴族家を潰して乗っ取る。そこからどんどん周りの貴族家を吸収して、帝国を手に入れるぞ」
「ちょっと、ギース。考えとしては悪く無いけど、ギースって対人戦余りやった事無いでしょ?」
「案ずるな。俺の持つ聖剣が俺を導く。ほら、この間も古代遺跡の中でシュタットガルドとか言う糞ジジイと対峙しただろ? その時に農民達を結構な数、斬り殺してしまったんだが、その時の俺の気持ちは解るか?」
「付き合いは浅くても、ギースに仕えると言って、ついて来た人達だから、それなりに悲しかった? とかかな」
「違う。心が震える程に、歓喜の渦が沸き上がった」
「えっ? それって駄目な感情じゃ無いの?」
「解って無いな。聖剣と聖鎧を身につけた俺は、正に神なんだよ。その神である俺、自らの手によって天国への階段を上らせてやった、あいつらは幸せなんだよ。俺の神としての存在をきっと、天界で広めてくれているだろう」
「ギース。あんたさ…… 大丈夫なの?」
「ミルキーさん。私はギース様のお考え間違って無いと思いますわ。理由はどうあれ、Sランク冒険者であった、シュタットガルド翁と戦っても、結局はギース様や私達は生き残り、シュタットガルドは死にました」
「アンナは解ってるじゃ無いか。人類最強と言われた糞ジジイを殺した俺は、既に人類を超えていると言う事だ。それが全てだ!」
そこで、ギースはしまい込んでいた、聖剣『ゼクスカリバーン』と聖鎧『ホーリークロス』を取り出し身につけた。
ミルキーの目には、ギースが装備をした途端に、青白いオーラが浮かび上がって見えた。
「ギース…… 本当に神様になっちゃう? だったら私も絶対いい思いをさせなさいよ? ずっと付き合ったんだから」
「ああ、任せろ。俺を信ずる者には祝福を、俺を否定する者には絶望を与える。目指すはこの世界の支配者だ」
「なんだかめちゃくちゃな事言ってるだけにも思えるけど、ギースなら何とかしそうな気もするよ」
「ギース様、帝国領にこのまま向かうとして、仲間はどうされますか?」
「そんな事決まってるさ。服従か死を選ばさせながら、まっすぐ進むだけだ。行くぞ」
それからのギースの足取りは、正に人智を超える物であった。
ひたすら真っすぐに、帝都を目指し、出会う人物や軍に対しては、『服従か死を選ばせてやる』そのセリフだけで、国境を乗り越えて来た。
現在は帝国の北部辺境伯の管理下にある子爵領の本体と対峙している。
約500名の子爵軍に対して、ミルキーが無作為に範囲魔法を打ち込む。
隊列が崩れた所に、アンナが紛れ込み指揮官を暗殺する。
大勢が決した頃になると、ギースが聖剣の能力を最大出力で振り下ろす。
山が削れ地形が変わる程の攻撃だ。
「もう一度聞く。服従か死どちらを選ぶ?」
敵の子爵が膝をつき、ギースの靴に口づけをした。
「これより当子爵家は、このギース・フォン・ドラゴンブレスの支配下にある。これから真っすぐに帝都へ向かう。間にある貴族領は全て『服従か死』を選ばせる。一切引く事は許さぬ。突き進め!」
「「「おおおおお」」」
ギースの剣と鎧からは青白いオーラが巻き上がり、そのオーラはエンシェントドラゴンを象っているかのようにも見える。
そして、ギースの瞳は赤黒く光っていた。
俺達が仕掛けたゴーレム達が、俺の持つコアが破壊された事により制御を失い、皇宮から出て来て帝都を壊滅状態に陥れた。
その対応すら満足に行えなかった帝国皇帝は、避難していた公爵家で暗殺され、帝国は完全な無政府状態。
帝国内の各領主が覇権を争う戦国時代へと突入していた。
「ミルキー俺は決めたぞ。帝国に乗り込み、手頃な貴族家を潰して乗っ取る。そこからどんどん周りの貴族家を吸収して、帝国を手に入れるぞ」
「ちょっと、ギース。考えとしては悪く無いけど、ギースって対人戦余りやった事無いでしょ?」
「案ずるな。俺の持つ聖剣が俺を導く。ほら、この間も古代遺跡の中でシュタットガルドとか言う糞ジジイと対峙しただろ? その時に農民達を結構な数、斬り殺してしまったんだが、その時の俺の気持ちは解るか?」
「付き合いは浅くても、ギースに仕えると言って、ついて来た人達だから、それなりに悲しかった? とかかな」
「違う。心が震える程に、歓喜の渦が沸き上がった」
「えっ? それって駄目な感情じゃ無いの?」
「解って無いな。聖剣と聖鎧を身につけた俺は、正に神なんだよ。その神である俺、自らの手によって天国への階段を上らせてやった、あいつらは幸せなんだよ。俺の神としての存在をきっと、天界で広めてくれているだろう」
「ギース。あんたさ…… 大丈夫なの?」
「ミルキーさん。私はギース様のお考え間違って無いと思いますわ。理由はどうあれ、Sランク冒険者であった、シュタットガルド翁と戦っても、結局はギース様や私達は生き残り、シュタットガルドは死にました」
「アンナは解ってるじゃ無いか。人類最強と言われた糞ジジイを殺した俺は、既に人類を超えていると言う事だ。それが全てだ!」
そこで、ギースはしまい込んでいた、聖剣『ゼクスカリバーン』と聖鎧『ホーリークロス』を取り出し身につけた。
ミルキーの目には、ギースが装備をした途端に、青白いオーラが浮かび上がって見えた。
「ギース…… 本当に神様になっちゃう? だったら私も絶対いい思いをさせなさいよ? ずっと付き合ったんだから」
「ああ、任せろ。俺を信ずる者には祝福を、俺を否定する者には絶望を与える。目指すはこの世界の支配者だ」
「なんだかめちゃくちゃな事言ってるだけにも思えるけど、ギースなら何とかしそうな気もするよ」
「ギース様、帝国領にこのまま向かうとして、仲間はどうされますか?」
「そんな事決まってるさ。服従か死を選ばさせながら、まっすぐ進むだけだ。行くぞ」
それからのギースの足取りは、正に人智を超える物であった。
ひたすら真っすぐに、帝都を目指し、出会う人物や軍に対しては、『服従か死を選ばせてやる』そのセリフだけで、国境を乗り越えて来た。
現在は帝国の北部辺境伯の管理下にある子爵領の本体と対峙している。
約500名の子爵軍に対して、ミルキーが無作為に範囲魔法を打ち込む。
隊列が崩れた所に、アンナが紛れ込み指揮官を暗殺する。
大勢が決した頃になると、ギースが聖剣の能力を最大出力で振り下ろす。
山が削れ地形が変わる程の攻撃だ。
「もう一度聞く。服従か死どちらを選ぶ?」
敵の子爵が膝をつき、ギースの靴に口づけをした。
「これより当子爵家は、このギース・フォン・ドラゴンブレスの支配下にある。これから真っすぐに帝都へ向かう。間にある貴族領は全て『服従か死』を選ばせる。一切引く事は許さぬ。突き進め!」
「「「おおおおお」」」
ギースの剣と鎧からは青白いオーラが巻き上がり、そのオーラはエンシェントドラゴンを象っているかのようにも見える。
そして、ギースの瞳は赤黒く光っていた。
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