やさしいおねえちゃん

くり

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やさしいおねえちゃん

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仲間はずれにされた。

だれも、助けてくれなかった。
いっちゃんは、向こうむいてた
けいちゃんは、下むいてた。
ともだちがいなくなった。

ひとりで、おうちに帰ろう。

歩いてるうちに、涙がざーざー出てきた。
おとなのひとが、みんなあたしを見てる。

はずかしいなあ。
でも、涙とまらないんだ。

もういやだ。
おうちにも帰りたくないと思った。

うらみちに入って、
ひとがいないところに行って、
電信柱の影で、泣いてた。

「どした?」

声をかけられて、ふりむいたら、
高校生くらいのおねえちゃんが、
ふたりいた。にこにこしてた。

「だいじょうぶ?」

だいじょうぶじゃないから、
「ううん」って言った。

「そっかー」
「おうち近いの」

 「うん」

 「いっしょに行こうか」

 「ううん。
 ひとりで帰れる。だいじょうぶ」

「それは、だいじょうぶなんだ」

おねえちゃんたちが、大笑いした。
ちょっと、うれしかった。

 「じゃあね 気をつけてね」

 おねえちゃんたちが、ばいばいしてくれた。
あたしも、いっぱいばいばいした。

 涙が止まってくれた。

おうちに帰ろう。
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