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35.初めての話し合い
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国王陛下は退室し、貴賓室には第一王子様とその側近の人、宰相が残った。
「大聖女様、まずは我々が大聖女様に犯した罪はどのように処分するかをお決め頂いてもよろしいですか?」
宰相が私が放置された経緯についてすべて説明し、それに関わった者の処分を私に委ねると言う。
メイド1号さんやあの小声悪口二人組、その二人組を送り込んだという王子様の婚約者、分かりやすく私に害する行為をした人たち。
「正直言いますと、もうどうでも良いというか、私がその方たちに関わることはもう無いので、それはこの国の法律で決めてもらえればと思います」
私がそう言うと宰相は困った顔を隠さず、
「大聖女様にこの国の仕組みをまだお伝えしていないため、このようなことを聞くのもおかしな話しなのですが、メイド二人に指示を出した公爵令嬢、フェリクス殿下の婚約者のことです。
この国を維持していくのに公爵家の存在は不可欠です。しかし、国王陛下と同じ立場と言っても良い大聖女様を害する指示を出したことは重罪です。
その公爵家の令嬢の処罰をどのようにするか難しい状況でして…」
そんなに国に重要な家柄の娘が、随分とお粗末なことをしたんだね。そんな凄い人なら暗殺者とか雇って証拠も残さず…とかのような気がするけど。別な意味で愚かしい人で良かった。
「でもいつかは王子様と結婚されるのですよね?ということは、いずれこの国のトップの奥さんになるんですよね?」
自分の婚約者を信用出来ず、異世界から来た私を追い出すように指示を出すような愚かな人が、国のトップの側にいてはダメなのでは?
国民が可哀想だな。
すると王子様が慌てた様子で否定してくる。
「いや、大聖女殿、こうなっては私と公爵令嬢との婚約を継続するのは難しい。それに本来であれば、召喚された聖女殿は次期国王となる私の、その、正妃となることに──」
「殿下、今そのお話しはまだ必要無いのでは?」
今度は側近が王子様の話しを遮る。ん?でも私に関わることを話そうとしてたね?
「あの、セイヒってなんですか?」
王子様の顔が少しずつ赤くなっていくが、側近は触れて欲しくなかったようだ。王子様が言葉を発する前に、
「それに関しては今大聖女様のお耳に入れる段階の話しではございません、申し訳ございません、何卒ご容赦ください」
そう言われてしまえば何も言えない。
「私はただ、そんな人が国の女王様?になるのは、国民がかわいそうだなと思っただけです」
と私が言うと、宰相と側近が難しい顔をしながらも頷いていた。
それに私が許せないのは私を召喚したくせに、私を勝手な誤解で嫌悪し率先して放置した王家だ。この王子様だって私が生きている限り許すつもりはない。
そもそも信頼できない人間がまた同じ過ちを犯すことは容易に想像できる。私は強くなったけどまた裏切られて傷付くのは嫌だ。
「ただもう顔を合わせることはしたくないので、その方たちに会わないようにしてもらえると有難いです。それ以上は私にはもはや関係無いと思っているので、処罰はお任せします」
宰相はわかりましたと言うと、王子様の方をチラッと見た。王子様も宰相の視線を受け頷いた。これでこの話しは良いようだ。
それからは私の仕事についての内容になった。現在進行形で魔物による被害が出ており、辺境の砦からは援軍要請が来ているということだった。
私はその兵士たちの手当てと魔物の浄化をすれば良いらしい。
「大聖女様にはお疲れのところ大変申し訳ないのですが、3日後に早速その辺境の砦に向かって頂ければ有り難いのですが」
3日後?人に被害が出てるのに3日後で良いの?それにここになんの用もなく3日もいるのは絶対に嫌だ。
またなにか嫌な出来事が起きるかもしれないし。
「いえ、今も被害が出ているのですよね?だったら今すぐにでも行ったほうが良いのではないですか?私は構いませんよ?」
話している宰相も隣にいる王子様も、その側近の方も皆えっ?という同じ顔をしている。
「大聖女様、今ということは今この場からということでしょうか?」
宰相より先に王子様の側近の方が我に返った。
「はい、まだお昼前ですし、明るいうちに状況を見ておきたいのもあるので、…いきなりは難しいですか?」
側近の方が震えるように首を横に振りながら、
「いえ私どもにとっては願ってもないお申し出です。大聖女様のご提案の通り、すぐに出立の準備を致します。馬車の支度ができ次第すぐにご案内致しますが、それでよろしいでしょうか?」
この側近の方、話しが早くて助かる。
「はい、すぐに行けるのなら行きましょう。でも私馬車に乗ったこと無いのですが、その砦まではどのくらいかかりますか?」
私の馬車に乗ったことがない発言で、皆がピクッとなっていたが、
「馬車だと5日はかかります。途中で宿泊しながらになりますので」
5日?5日もかかるのに、さっき3日後に出立って言ってたよね?そんなに悠長にしてて良い事態なの?仲間が被害に遭ってるのに?
私の謎に思っている感情に気が付いた側近の方が、
「私の仲間が怪我をしているという報告を受けております。すぐにでも出立できるという大聖女様のお気持ちに感謝致します」
私を気遣って3日後にしたけど、本当は今すぐにでも行きたいのね、この人は。
でも馬車で5日は長過ぎる。その間にまた怪我人が出てしまうんじゃない?一気に皆で行けるかな?
今度は隣にいるノアさんが私の気持ちに反応した。
コソコソと小声で、
(レイ、転移しようとしてるだろ?お前の魔力は桁違いだから恐らくは大丈夫だけど、一度下見した方が良いかもしれないぞ)
ノアさんの言う通りにしておこう。ノアさんが魔法を使ったところを見たことは無いけど、凄く詳しいのはこれまでの発言でなんとなくわかっていた。
私はノアさんの目を見て頷くと、側近の方に砦の場所と距離を地図上で教えてもらった。
「一度この場所に行ってみます。どんな感じかわかったらすぐに戻るので、その後、砦に行く人たち皆で移動しましょう。少しこのまま待ってていてください」
私はノアさんが、
「もちろん俺も行くよ」と言ってくれたので、手を繋いだまま『この砦へ』と心で願った。
淀んだ空気が漂う石造りの城壁の上に立っていた。
「うわっ!!誰だ!?どうして!?」
同じく城壁にいた兵士の方が驚いている。
「驚かせてごめんなさい。また来ます。このお手紙をお渡しします」
側近の人が、私が瞬間移動で砦に行くというとお手紙を持たせてくれたので、サッと渡した。
手紙を渡しながら周りを見渡し、この後団体で瞬間移動する場所を確認した。
砦の中に中庭のような広い場所があった。
次は皆であの場所に降り立ちましょうかとチラッとノアさんを見ると、うんうんと頷いていたので、また城に戻った。
「大聖女様、まずは我々が大聖女様に犯した罪はどのように処分するかをお決め頂いてもよろしいですか?」
宰相が私が放置された経緯についてすべて説明し、それに関わった者の処分を私に委ねると言う。
メイド1号さんやあの小声悪口二人組、その二人組を送り込んだという王子様の婚約者、分かりやすく私に害する行為をした人たち。
「正直言いますと、もうどうでも良いというか、私がその方たちに関わることはもう無いので、それはこの国の法律で決めてもらえればと思います」
私がそう言うと宰相は困った顔を隠さず、
「大聖女様にこの国の仕組みをまだお伝えしていないため、このようなことを聞くのもおかしな話しなのですが、メイド二人に指示を出した公爵令嬢、フェリクス殿下の婚約者のことです。
この国を維持していくのに公爵家の存在は不可欠です。しかし、国王陛下と同じ立場と言っても良い大聖女様を害する指示を出したことは重罪です。
その公爵家の令嬢の処罰をどのようにするか難しい状況でして…」
そんなに国に重要な家柄の娘が、随分とお粗末なことをしたんだね。そんな凄い人なら暗殺者とか雇って証拠も残さず…とかのような気がするけど。別な意味で愚かしい人で良かった。
「でもいつかは王子様と結婚されるのですよね?ということは、いずれこの国のトップの奥さんになるんですよね?」
自分の婚約者を信用出来ず、異世界から来た私を追い出すように指示を出すような愚かな人が、国のトップの側にいてはダメなのでは?
国民が可哀想だな。
すると王子様が慌てた様子で否定してくる。
「いや、大聖女殿、こうなっては私と公爵令嬢との婚約を継続するのは難しい。それに本来であれば、召喚された聖女殿は次期国王となる私の、その、正妃となることに──」
「殿下、今そのお話しはまだ必要無いのでは?」
今度は側近が王子様の話しを遮る。ん?でも私に関わることを話そうとしてたね?
「あの、セイヒってなんですか?」
王子様の顔が少しずつ赤くなっていくが、側近は触れて欲しくなかったようだ。王子様が言葉を発する前に、
「それに関しては今大聖女様のお耳に入れる段階の話しではございません、申し訳ございません、何卒ご容赦ください」
そう言われてしまえば何も言えない。
「私はただ、そんな人が国の女王様?になるのは、国民がかわいそうだなと思っただけです」
と私が言うと、宰相と側近が難しい顔をしながらも頷いていた。
それに私が許せないのは私を召喚したくせに、私を勝手な誤解で嫌悪し率先して放置した王家だ。この王子様だって私が生きている限り許すつもりはない。
そもそも信頼できない人間がまた同じ過ちを犯すことは容易に想像できる。私は強くなったけどまた裏切られて傷付くのは嫌だ。
「ただもう顔を合わせることはしたくないので、その方たちに会わないようにしてもらえると有難いです。それ以上は私にはもはや関係無いと思っているので、処罰はお任せします」
宰相はわかりましたと言うと、王子様の方をチラッと見た。王子様も宰相の視線を受け頷いた。これでこの話しは良いようだ。
それからは私の仕事についての内容になった。現在進行形で魔物による被害が出ており、辺境の砦からは援軍要請が来ているということだった。
私はその兵士たちの手当てと魔物の浄化をすれば良いらしい。
「大聖女様にはお疲れのところ大変申し訳ないのですが、3日後に早速その辺境の砦に向かって頂ければ有り難いのですが」
3日後?人に被害が出てるのに3日後で良いの?それにここになんの用もなく3日もいるのは絶対に嫌だ。
またなにか嫌な出来事が起きるかもしれないし。
「いえ、今も被害が出ているのですよね?だったら今すぐにでも行ったほうが良いのではないですか?私は構いませんよ?」
話している宰相も隣にいる王子様も、その側近の方も皆えっ?という同じ顔をしている。
「大聖女様、今ということは今この場からということでしょうか?」
宰相より先に王子様の側近の方が我に返った。
「はい、まだお昼前ですし、明るいうちに状況を見ておきたいのもあるので、…いきなりは難しいですか?」
側近の方が震えるように首を横に振りながら、
「いえ私どもにとっては願ってもないお申し出です。大聖女様のご提案の通り、すぐに出立の準備を致します。馬車の支度ができ次第すぐにご案内致しますが、それでよろしいでしょうか?」
この側近の方、話しが早くて助かる。
「はい、すぐに行けるのなら行きましょう。でも私馬車に乗ったこと無いのですが、その砦まではどのくらいかかりますか?」
私の馬車に乗ったことがない発言で、皆がピクッとなっていたが、
「馬車だと5日はかかります。途中で宿泊しながらになりますので」
5日?5日もかかるのに、さっき3日後に出立って言ってたよね?そんなに悠長にしてて良い事態なの?仲間が被害に遭ってるのに?
私の謎に思っている感情に気が付いた側近の方が、
「私の仲間が怪我をしているという報告を受けております。すぐにでも出立できるという大聖女様のお気持ちに感謝致します」
私を気遣って3日後にしたけど、本当は今すぐにでも行きたいのね、この人は。
でも馬車で5日は長過ぎる。その間にまた怪我人が出てしまうんじゃない?一気に皆で行けるかな?
今度は隣にいるノアさんが私の気持ちに反応した。
コソコソと小声で、
(レイ、転移しようとしてるだろ?お前の魔力は桁違いだから恐らくは大丈夫だけど、一度下見した方が良いかもしれないぞ)
ノアさんの言う通りにしておこう。ノアさんが魔法を使ったところを見たことは無いけど、凄く詳しいのはこれまでの発言でなんとなくわかっていた。
私はノアさんの目を見て頷くと、側近の方に砦の場所と距離を地図上で教えてもらった。
「一度この場所に行ってみます。どんな感じかわかったらすぐに戻るので、その後、砦に行く人たち皆で移動しましょう。少しこのまま待ってていてください」
私はノアさんが、
「もちろん俺も行くよ」と言ってくれたので、手を繋いだまま『この砦へ』と心で願った。
淀んだ空気が漂う石造りの城壁の上に立っていた。
「うわっ!!誰だ!?どうして!?」
同じく城壁にいた兵士の方が驚いている。
「驚かせてごめんなさい。また来ます。このお手紙をお渡しします」
側近の人が、私が瞬間移動で砦に行くというとお手紙を持たせてくれたので、サッと渡した。
手紙を渡しながら周りを見渡し、この後団体で瞬間移動する場所を確認した。
砦の中に中庭のような広い場所があった。
次は皆であの場所に降り立ちましょうかとチラッとノアさんを見ると、うんうんと頷いていたので、また城に戻った。
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