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目覚めた当初は身体の痛みや発声に苦労していたものの、時の経過とともに体調は次第に回復していった。
ただ、体調が完全に整うまで学園は休学扱いとし、学業はモーリス邸で家庭教師を受ける形が採られた。
「では、今日はここまでにして、明日は次のページから始めましょう」
「はい、ありがとうございました。お忙しい中、無理をお願いしてすみません」
ベルーラは背筋を正すと、教師に向けて静かに一礼した。
「そんなこと、気にしなくていいのよ♡休みの日なんてほとんど外に出ないし、本を読んで過ごしているだけだもの。だから、私にとってもいい気分転換なの♪」
明るめのアッシュグレーの髪を後ろで小さく結び、やんわりとした物腰の奥に危うげな色香を滲ませる美女・・・ではなく、美貌を備えた美青年は、朗らかな笑みを浮かべていた。
薄紅を引いた艶のある唇をわずかにすぼめ、人差し指を添えながらベルーラの言葉に応えるようにどこか含みのある仕草で肩をすくめた。
今回、臨時でベルーラの勉学を支えてくれたのは、ノアの幼なじみで現在は王都にて学術研究所に身を置くアーシェン・マイノルトである。
彼の家は貴族ではあったが、名家とは言えなかった。しかし幼い頃から博識だったこともあり、奨学制度によって王立学校へと進むことができた。
首席で卒業後、王立学院へ進学すると二十五歳という若さで国最高峰の勲章を授与。その功績を評価され、今は王宮に仕える文官の一人となっているという。そうした経歴に加え、眉目秀麗、高身長に高学歴とくれば、どの女性も放っておかないはずだが・・・。
「真面目なお勉強はここまで。少し肩の力を抜きましょ♡」
アーシェンは、持参した教材を片付けると、机に向かっていたベルーラの傍へと近づいた。
「ねえ、ベルちゃん。さっき廊下ですれ違ったいいおと・・・好青年、お兄様よね?あの立ち姿、反則だわ♡まだ独身? 恋人はいないの?これはもう、私の方からご挨拶し─「はい、はい。アーシェン様、本日もお忙しい中、ありがとうございました。明日もよろしくお願いいたします!」
アーシェンは妖艶な色香を漂わせ、やや興奮した様子でベルーラとの距離を詰めようとした。その瞬間、ノアが強引に二人の間へ割って入りその動きを遮った。
「あんっ、もうッ! ノアったら。まあ、時間はたっぷりあるし徐々に距離を詰めればいいか♡じゃあベルちゃん、明日も今日と同じ時間にお邪魔するわね。体調が辛い時は無理しないで、すぐ言ってちょうだい。・・・それから、お兄様の件も忘れないでね♡♡」
「え、あ、はい・・・・・・本日もありがとうございました。ノア、下までお見送りして」
アーシェンはベルーラに投げキスをすると、名残惜しげに手を振りながらノアと共に部屋を出て行った。
☆☆☆
「毎度毎度、ほんとーーーに申し訳ございませんっっ!!」
「うふふ、そんなに毎回頭を下げなくていいのよ。最初は少し驚いたけれど、先生の教え方はとてもわかりやすくて、学校の授業よりもずっと捗るわ」
アーシェンに家庭教師を頼んで以来、数回の授業を重ねるうちに、帰り際にはいつも先ほどのような茶番劇をしてから帰るのが日課になっていた。
「あれは先生なりの冗談よ。そうそう、お兄様から聞いたんだけど、先生は社交界にデビューした学生の頃から、“夜会の蝶”と呼ばれるほどかなり有名な方だったんですって?社交場に足を踏み入れた瞬間、ご令嬢たちに囲まれていたそうよ」
「はい、仰る通りです。見た目は申し分ないのですが・・・問題は中身でして。最初はアーシェン目当てで集まっていたご令嬢方も、いつの間にか彼を交えて恋話に花を咲かせる始末。あれほどの容姿を持ちながら・・・まあ、恋愛は自由なので口出しはしませんが。ただ、ヴィルス様の貞操に影響が及ぶかもしれないと考えると・・・。そんな人物をお嬢様に紹介してしまった身として、旦那様と奥様に合わせる顔がありません」
頭を抱え気の毒になる程ひたすら謝るノアにベルーラは宥めテーブルに置いてある紅茶を一口含んだ。
「もう、大丈夫だって。先生は先生なりに私を元気づけて下さってるんでしょうし、私も先生とノアのやり取りが毎回面白くて気が滅入ることもなくいられるのよ。それに先生は、私の身に起こったことご存知なんでしょ?だからこそ、怖がらせないためにああやって楽しませてくれているんだと思うわ」
アーシェンが帰った後、ノアはいつも決まって意気消沈していた。その姿を気の毒に思いながらも、今のベルーラにとっては、あの時間が心を和ませてくれる大切なひとときでもあった。
コンコン。
控えめなノック音と共に、扉の向こうから声がかかった。
「ベル、入っていいか?」
「お兄様?ええ、どうぞ」
返事を待ってから、兄のヴィルスがベルーラの部屋へ入ってきた。
噂をすれば、というところか。
兄が現れたことで、ベルーラとノアは何とも言い難い表情を浮かべ、思わず互いに視線を交わしていた。
そんなやり取りを知るはずもないヴィルスは、勧められるままソファへ腰を下ろした。
ノアから紅茶を受け取るその瞬間、ベルーラに悟られぬよう、ヴィルスはノアに軽く目配せをした。意図を察したノアは、黙ったまま一礼すると静かに部屋を後にした。
ベルーラはその様子に疑問を覚えたものの、口には出さず、静かに兄を見つめた。しかし、ヴィルスは何事もなかったかのように紅茶を口にし、一息置いてからカップをソーサーへ静かに戻した。
「ベル、その・・・どうだ?」
「どう・・・そうね、傷痕もずいぶん薄くなったし、お医者様も残らないと仰っていたから、安心しているわ」
「・・・そうか。・・・いや、俺が心配しているのは、その・・・精神面だ。あんな思いをしたんだ。異性に対して恐怖心が芽生えても、おかしくないと思ってな」
心配を向ける兄の話を聞きながら紅茶を口にしたベルーラは、カップをそっと下ろすと安心させるように微笑んだ。
「そうね、目を覚ましてから外には出ていませんし、男性といえばお父様とお兄様くらい。・・・あ、先生も男性でしたね」
「・・・あーうん、そうだな」
ベルーラがアーシェンの名を口にした途端、何かを思い出したのか、ヴィルスの身体が一瞬強ばるのが伺えた。その反応に気づきながらもベルーラは見て見ぬふりをし、再びカップを口元に近づけた。
「・・・ごほん。医師や父上とも相談したんだが、邸の中にばかりいるのも気が滅入るだろう。明後日あたり、気晴らしに領地へ出かけてみないか?もちろん気が乗らなければ無理をする必要はないし、途中で具合が悪くなったら、すぐ戻るつもりだ。どうだ?」
(正直に言えば一人でいると・・・思い出してしまう。気晴らしが大切だと分かってはいるけど、外に出るのは少し怖いのも事実。でも・・・そんな気持ちを口にすれば心配をかけてしまうわよね。少しでも前に進んでいる姿を見せた方が、皆も安心してくれるかな)
「・・・そうね。お兄様がお忙しくなければ、お願いしたいです」
ヴィルスの提案に一瞬ためらいを見せたものの、ベルーラはにこりと微笑み、頷いて提案を受け入れた。
ただ、体調が完全に整うまで学園は休学扱いとし、学業はモーリス邸で家庭教師を受ける形が採られた。
「では、今日はここまでにして、明日は次のページから始めましょう」
「はい、ありがとうございました。お忙しい中、無理をお願いしてすみません」
ベルーラは背筋を正すと、教師に向けて静かに一礼した。
「そんなこと、気にしなくていいのよ♡休みの日なんてほとんど外に出ないし、本を読んで過ごしているだけだもの。だから、私にとってもいい気分転換なの♪」
明るめのアッシュグレーの髪を後ろで小さく結び、やんわりとした物腰の奥に危うげな色香を滲ませる美女・・・ではなく、美貌を備えた美青年は、朗らかな笑みを浮かべていた。
薄紅を引いた艶のある唇をわずかにすぼめ、人差し指を添えながらベルーラの言葉に応えるようにどこか含みのある仕草で肩をすくめた。
今回、臨時でベルーラの勉学を支えてくれたのは、ノアの幼なじみで現在は王都にて学術研究所に身を置くアーシェン・マイノルトである。
彼の家は貴族ではあったが、名家とは言えなかった。しかし幼い頃から博識だったこともあり、奨学制度によって王立学校へと進むことができた。
首席で卒業後、王立学院へ進学すると二十五歳という若さで国最高峰の勲章を授与。その功績を評価され、今は王宮に仕える文官の一人となっているという。そうした経歴に加え、眉目秀麗、高身長に高学歴とくれば、どの女性も放っておかないはずだが・・・。
「真面目なお勉強はここまで。少し肩の力を抜きましょ♡」
アーシェンは、持参した教材を片付けると、机に向かっていたベルーラの傍へと近づいた。
「ねえ、ベルちゃん。さっき廊下ですれ違ったいいおと・・・好青年、お兄様よね?あの立ち姿、反則だわ♡まだ独身? 恋人はいないの?これはもう、私の方からご挨拶し─「はい、はい。アーシェン様、本日もお忙しい中、ありがとうございました。明日もよろしくお願いいたします!」
アーシェンは妖艶な色香を漂わせ、やや興奮した様子でベルーラとの距離を詰めようとした。その瞬間、ノアが強引に二人の間へ割って入りその動きを遮った。
「あんっ、もうッ! ノアったら。まあ、時間はたっぷりあるし徐々に距離を詰めればいいか♡じゃあベルちゃん、明日も今日と同じ時間にお邪魔するわね。体調が辛い時は無理しないで、すぐ言ってちょうだい。・・・それから、お兄様の件も忘れないでね♡♡」
「え、あ、はい・・・・・・本日もありがとうございました。ノア、下までお見送りして」
アーシェンはベルーラに投げキスをすると、名残惜しげに手を振りながらノアと共に部屋を出て行った。
☆☆☆
「毎度毎度、ほんとーーーに申し訳ございませんっっ!!」
「うふふ、そんなに毎回頭を下げなくていいのよ。最初は少し驚いたけれど、先生の教え方はとてもわかりやすくて、学校の授業よりもずっと捗るわ」
アーシェンに家庭教師を頼んで以来、数回の授業を重ねるうちに、帰り際にはいつも先ほどのような茶番劇をしてから帰るのが日課になっていた。
「あれは先生なりの冗談よ。そうそう、お兄様から聞いたんだけど、先生は社交界にデビューした学生の頃から、“夜会の蝶”と呼ばれるほどかなり有名な方だったんですって?社交場に足を踏み入れた瞬間、ご令嬢たちに囲まれていたそうよ」
「はい、仰る通りです。見た目は申し分ないのですが・・・問題は中身でして。最初はアーシェン目当てで集まっていたご令嬢方も、いつの間にか彼を交えて恋話に花を咲かせる始末。あれほどの容姿を持ちながら・・・まあ、恋愛は自由なので口出しはしませんが。ただ、ヴィルス様の貞操に影響が及ぶかもしれないと考えると・・・。そんな人物をお嬢様に紹介してしまった身として、旦那様と奥様に合わせる顔がありません」
頭を抱え気の毒になる程ひたすら謝るノアにベルーラは宥めテーブルに置いてある紅茶を一口含んだ。
「もう、大丈夫だって。先生は先生なりに私を元気づけて下さってるんでしょうし、私も先生とノアのやり取りが毎回面白くて気が滅入ることもなくいられるのよ。それに先生は、私の身に起こったことご存知なんでしょ?だからこそ、怖がらせないためにああやって楽しませてくれているんだと思うわ」
アーシェンが帰った後、ノアはいつも決まって意気消沈していた。その姿を気の毒に思いながらも、今のベルーラにとっては、あの時間が心を和ませてくれる大切なひとときでもあった。
コンコン。
控えめなノック音と共に、扉の向こうから声がかかった。
「ベル、入っていいか?」
「お兄様?ええ、どうぞ」
返事を待ってから、兄のヴィルスがベルーラの部屋へ入ってきた。
噂をすれば、というところか。
兄が現れたことで、ベルーラとノアは何とも言い難い表情を浮かべ、思わず互いに視線を交わしていた。
そんなやり取りを知るはずもないヴィルスは、勧められるままソファへ腰を下ろした。
ノアから紅茶を受け取るその瞬間、ベルーラに悟られぬよう、ヴィルスはノアに軽く目配せをした。意図を察したノアは、黙ったまま一礼すると静かに部屋を後にした。
ベルーラはその様子に疑問を覚えたものの、口には出さず、静かに兄を見つめた。しかし、ヴィルスは何事もなかったかのように紅茶を口にし、一息置いてからカップをソーサーへ静かに戻した。
「ベル、その・・・どうだ?」
「どう・・・そうね、傷痕もずいぶん薄くなったし、お医者様も残らないと仰っていたから、安心しているわ」
「・・・そうか。・・・いや、俺が心配しているのは、その・・・精神面だ。あんな思いをしたんだ。異性に対して恐怖心が芽生えても、おかしくないと思ってな」
心配を向ける兄の話を聞きながら紅茶を口にしたベルーラは、カップをそっと下ろすと安心させるように微笑んだ。
「そうね、目を覚ましてから外には出ていませんし、男性といえばお父様とお兄様くらい。・・・あ、先生も男性でしたね」
「・・・あーうん、そうだな」
ベルーラがアーシェンの名を口にした途端、何かを思い出したのか、ヴィルスの身体が一瞬強ばるのが伺えた。その反応に気づきながらもベルーラは見て見ぬふりをし、再びカップを口元に近づけた。
「・・・ごほん。医師や父上とも相談したんだが、邸の中にばかりいるのも気が滅入るだろう。明後日あたり、気晴らしに領地へ出かけてみないか?もちろん気が乗らなければ無理をする必要はないし、途中で具合が悪くなったら、すぐ戻るつもりだ。どうだ?」
(正直に言えば一人でいると・・・思い出してしまう。気晴らしが大切だと分かってはいるけど、外に出るのは少し怖いのも事実。でも・・・そんな気持ちを口にすれば心配をかけてしまうわよね。少しでも前に進んでいる姿を見せた方が、皆も安心してくれるかな)
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ヴィルスの提案に一瞬ためらいを見せたものの、ベルーラはにこりと微笑み、頷いて提案を受け入れた。
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