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追憶 side1―Tomo
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アノ時アノ言葉を言った俺をキミはどんな思いで聞き入れたんだろ・・・・・・。
※※※
「ねぇーともぉー、今日親いないから家でお勉強会しない?」
「ごめーん、今日塾なんだー」
「えー、でも倫の塾日って今日じゃなくない?」
「前に行けなかったやつの振替り今日入れてたんだ。今度埋め合わせするから、ごめんね♡」
生徒玄関先で呼び止められた俺は同級生の女の耳元で断りの言葉を囁くと女はみるみる顔を赤らめ両手で頬を押さえていた。
(ったく、一回シたからって毎回張り付いて来ないでほしいよなー)
俺は放心状態でいる女を残し、そのまま自身が通う進学塾へと向かった。
☆☆☆
(そのまま来たからちょっと早すぎたな・・・まっ、ヒマだし自習がてら着てたメッセ返すか)
手持ち無沙汰な俺は、一先ず自習スペースに向かうと既に誰かが使ってるのが見受けられた。
(あいつ・・・確か)
短髪だった髪がそのまま伸びたようなヘアスタイルだがダサさはなく、細い割にはガッチリした体型、爽やかな顔立ちだがあまり人を寄せつけない雰囲気・・・以前、俺が初めてあいつ、貴島昇多を見た時の第一印象。それ以上もそれ以下もなくただその程度の感覚。授業の時間帯が違うのか会うことは滅多になかったし話したこともなかったが、塾の女たちが休み時間に貴島の話をしているのをちょくちょく聞こえていたのもあり、自分の中で勝手に近しい人物になっていた。
(ま、男に興味はねーけど)
俺は貴島が座っている席より少し離れた後ろの席へと座り、早速未読スルーしていた女の子たちへ返事を返していた。
(あー、この女誰だったっけー?・・・あっ思い出した、この前逆ナンされてそのままヤッた女だ・・・えーっと、この女はー・・・)
段々返事を返すのが億劫になり、ふとスマホから視線を外し前に座る貴島に向けた。
(あいつはこんなクズみたいなことしなさそうだな)
そう自分に対し自虐するとふと笑みが零れた。
☆☆☆
授業が終わり外に出ると自分より少し早く出た貴島の姿が見えた。その隣には特別目立つようなタイプではない女が貴島と楽しそうに話しているのがわかった。
(へぇ、彼女いたんだ・・・にしても、あいつならもうちょっとレベル高い女狙えそうだけど)
表情が変わらない貴島が笑顔を女に向けている珍しい姿を眺め立ち止まる。互いに心を許している雰囲気が伝わり、その時何故だか二人から目が離せず見入っていた。
――――――――――
「ねぇ、この前の宿題で出された数学のプリントのさ問5の答え見せてくんない?」
俺は今回も塾の日時変更をし、前に座る昇多の背中を人差し指で突き無理やり此方に向かせた。ニコニコしながら話しかける俺とは対照的に、いかにも面倒臭そうな表情を貴島は俺に向けてきた。
「・・・お前、確か和坂だよな?お前、頭いいだろ。いつも模試トップなくせに」
「いやー俺、数学はあんまいつも自信なくてさ。まぁ一応やったんだけど、あってるか確認したくて」
昇多は軽く溜息を吐くと鞄にしまってあったファイルから言われたプリントを出し俺に見せてくれた。
「おっ!答え一緒だった。サンキューな昇多」
「あぁ・・・ってなんで俺の名前知ってんの?時間だってそんなに被ってないから接点ねーのに」
「だって上位者のとこお前の名前結構あるし、それによく女子たちが俺と同等のイケメンがいるってよく噂聞いてたからね、ってなわけで時間帯一緒になった時はよろしくな、昇多」
「・・・あぁ、えっと「和坂倫。倫ってみんな呼ぶからそれで♪」
「よろしく、倫」
対照的な俺たちが初めて接点をもった日だった。
※※※
「ねぇーともぉー、今日親いないから家でお勉強会しない?」
「ごめーん、今日塾なんだー」
「えー、でも倫の塾日って今日じゃなくない?」
「前に行けなかったやつの振替り今日入れてたんだ。今度埋め合わせするから、ごめんね♡」
生徒玄関先で呼び止められた俺は同級生の女の耳元で断りの言葉を囁くと女はみるみる顔を赤らめ両手で頬を押さえていた。
(ったく、一回シたからって毎回張り付いて来ないでほしいよなー)
俺は放心状態でいる女を残し、そのまま自身が通う進学塾へと向かった。
☆☆☆
(そのまま来たからちょっと早すぎたな・・・まっ、ヒマだし自習がてら着てたメッセ返すか)
手持ち無沙汰な俺は、一先ず自習スペースに向かうと既に誰かが使ってるのが見受けられた。
(あいつ・・・確か)
短髪だった髪がそのまま伸びたようなヘアスタイルだがダサさはなく、細い割にはガッチリした体型、爽やかな顔立ちだがあまり人を寄せつけない雰囲気・・・以前、俺が初めてあいつ、貴島昇多を見た時の第一印象。それ以上もそれ以下もなくただその程度の感覚。授業の時間帯が違うのか会うことは滅多になかったし話したこともなかったが、塾の女たちが休み時間に貴島の話をしているのをちょくちょく聞こえていたのもあり、自分の中で勝手に近しい人物になっていた。
(ま、男に興味はねーけど)
俺は貴島が座っている席より少し離れた後ろの席へと座り、早速未読スルーしていた女の子たちへ返事を返していた。
(あー、この女誰だったっけー?・・・あっ思い出した、この前逆ナンされてそのままヤッた女だ・・・えーっと、この女はー・・・)
段々返事を返すのが億劫になり、ふとスマホから視線を外し前に座る貴島に向けた。
(あいつはこんなクズみたいなことしなさそうだな)
そう自分に対し自虐するとふと笑みが零れた。
☆☆☆
授業が終わり外に出ると自分より少し早く出た貴島の姿が見えた。その隣には特別目立つようなタイプではない女が貴島と楽しそうに話しているのがわかった。
(へぇ、彼女いたんだ・・・にしても、あいつならもうちょっとレベル高い女狙えそうだけど)
表情が変わらない貴島が笑顔を女に向けている珍しい姿を眺め立ち止まる。互いに心を許している雰囲気が伝わり、その時何故だか二人から目が離せず見入っていた。
――――――――――
「ねぇ、この前の宿題で出された数学のプリントのさ問5の答え見せてくんない?」
俺は今回も塾の日時変更をし、前に座る昇多の背中を人差し指で突き無理やり此方に向かせた。ニコニコしながら話しかける俺とは対照的に、いかにも面倒臭そうな表情を貴島は俺に向けてきた。
「・・・お前、確か和坂だよな?お前、頭いいだろ。いつも模試トップなくせに」
「いやー俺、数学はあんまいつも自信なくてさ。まぁ一応やったんだけど、あってるか確認したくて」
昇多は軽く溜息を吐くと鞄にしまってあったファイルから言われたプリントを出し俺に見せてくれた。
「おっ!答え一緒だった。サンキューな昇多」
「あぁ・・・ってなんで俺の名前知ってんの?時間だってそんなに被ってないから接点ねーのに」
「だって上位者のとこお前の名前結構あるし、それによく女子たちが俺と同等のイケメンがいるってよく噂聞いてたからね、ってなわけで時間帯一緒になった時はよろしくな、昇多」
「・・・あぁ、えっと「和坂倫。倫ってみんな呼ぶからそれで♪」
「よろしく、倫」
対照的な俺たちが初めて接点をもった日だった。
応援ありがとうございます!
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こんにちは🐣
作者さんの作品へのコメント2回目の者です!
昇多の気持ちとか、澪との関係とか、続きが気になります、、、、バレー部の女子は今…?
澪とのラブラブ展開が見たいです(相手はどちらでも)(>_<)
投稿楽しみにしています(^-^)
読んでくださりありがとうございますヾ(●´∇`●)ノ
澪ならどちらを選ぶのか・・・考えれば考えるほど難しい展開になりそうです( ̄▽ ̄;)
こんにちは。連日の更新お疲れ様です。おお〜とうとう強引にな事に。
(でもエッチはドキドキしました(*^_^*))
そうやって繰り返していく内に澪が、大爆発しちゃわないか心配です…心も体も傷ついてどうなるのか( >_<)
そしてバレー部の彼は倫とそうなっていたことを知ったらどうなるのか。凄く気になります❗
また更新お待ちしています(^_^)ノ
ありがとうございます(*゚▽゚*)
ヒロインにはかなりかわいそうな想いをさせてます💦
これから三人の関係がどうなってくのか・・・出来ればみんなハッピーエンドに終わらせたいのですが・・・( ˊᵕˋ ;)💦
初めまして。こんにちは。成子といいます。
いつも楽しみに拝見しています。続きが気になっていたので更新とても嬉しいです。
倫くんどうしても澪ちゃんを手に入れたくて誤解を招く現場を作り出したのかな?
と、推測していますが…続きが楽しみです(*^_^*)
三角関係って凄く気になりますし、色んなお話が想像出来てドキドキしますね。
お忙しい中更新大変だと思いますが頑張ってください。応援しています。
初めまして。読んで下さりありがとうございます(*´ω`*)
ちょっと(かなり・・・?)歪んだ性格のヒーローですが、お暇な時にまた読んでもらえると嬉しいです(。ᵕᴗᵕ。)
更新頑張ります(ง •̀_•́)ง