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「・・・まあ、さっきの恰好より少しはマシか」
史果の服装を上から下まで厳しい眼差しでチェックした歩生は少々・・・いや、かなり妥協したような口調で自分に納得させる様に呟いていた。
「すみませんね、私の私服の中でも結構奮発した服だったんですけど」
嫌味ったらしい口調で話す史果に“ふーん”と鼻を鳴らしながら歩生はソファから立ち上がると「出かけるぞ」と言葉を放ちそのままスタスタと玄関へと向かった。
「ちょっ、どこ行くんですか!?」
行先も何も聞かされぬまま歩生を追いかけるように史果はバタバタと彼の後を追った。
☆☆☆
「鹿島様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
「あー、さっき電話でも伝えたけど、とりあえず先に彼女の服頼むわ。あとそれに合いそうな俺のも何着か見繕って」
ハイブランドのセレクトショップが立ち並ぶ場所へと有無を言う前に強制連行された史果は、ショップスタッフに試着室へと押されるように連れて行かれた。
「鹿島様、お待たせいたしました。事前にご注文頂いておりました内容のドレスをご用意させていただきましたが、いかがでしょうか?」
「ん、いいんじゃない」
歩生は待合い用のソファに座り、出された珈琲を飲みながらスタッフに連れて来られた史果に視線を向けた。
落ち着いたピンクベージュの色合いに鎖骨から胸元にはレースが施されボディラインがはっきりとしたノースリーブのミディアムドレスに身を包む。膝丈ほどのスカート横にはスリットが入っているも下品さはなく大人の色気を演出していた。
「あ、あの・・・これは一体・・・?それに何で歩生さんもスーツに?」
先ほどのラフな服装から一変、歩生自身もダークスーツに身を纏い雰囲気をがらりと変えていた。基希同様、外見はパーフェクトのため彼らの性格を知らなければ思わず見惚れてしまうような容姿。実際、近くにいた別の女性スタッフは今にも目からハートが飛び出してきそうなのが此方にも犇々と伝わるほどだった。
何が何だか理解できず、困惑した表情の史果に気を留めることなく歩生は店長らしき人物に見たこともない色のカードを手渡していた。
(ちょっ、あんな色のカード見たことないんですけど!?この衣装いくらすんのよ!?タグも見当たらなかったしッッ!!)
オロオロとする史果に呆れながら支払いを済ませた歩生は、腕時計で現在の時刻を確認した。
「ほら、次行くぞ」
「え?あっ!」
「ありがとうございました。お気をつけて」
スタッフに頭を下げられ史果もつられて下げていると歩生に腕を引っ張られ店を後にした。そのあとも何の目的でどういう理由かの説明もなく行きつけの店なのか、ヘアサロンに連れて来られ個室に案内されるとあれよあれよとヘアメイクを施された。気付けば頭から爪の先まで激変させられた史果は、先にヘアセットを終え別の個室で待っていた歩生の元へ案内された。入るなり先程同様品定めするかのよう歩生は史果に視線を向けポツリと一言呟いた。
「馬子にも衣装・・・だな」
「・・・・・・」
女性として会っていた頃の歩生は何処へ・・・などと喉元まで出かかった言葉を思いっきり呑み込み遠い目をした史果は、彼に気付かれぬよう深い溜息を吐いた。
「あのー・・・そろそろ教えてくれてもよくないですか?」
「行けばわかるよ」
それだけ言葉を放った歩生は、予め呼んでいたタクシーに史果と乗り込み運転手に目的地を告げた。
その場所名に一瞬『何故!?』と思いながらも問いかける雰囲気ではなく、到着するまで互いに沈黙のまま運転手は言われた場所へと車を走らせた。
史果の服装を上から下まで厳しい眼差しでチェックした歩生は少々・・・いや、かなり妥協したような口調で自分に納得させる様に呟いていた。
「すみませんね、私の私服の中でも結構奮発した服だったんですけど」
嫌味ったらしい口調で話す史果に“ふーん”と鼻を鳴らしながら歩生はソファから立ち上がると「出かけるぞ」と言葉を放ちそのままスタスタと玄関へと向かった。
「ちょっ、どこ行くんですか!?」
行先も何も聞かされぬまま歩生を追いかけるように史果はバタバタと彼の後を追った。
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「鹿島様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
「あー、さっき電話でも伝えたけど、とりあえず先に彼女の服頼むわ。あとそれに合いそうな俺のも何着か見繕って」
ハイブランドのセレクトショップが立ち並ぶ場所へと有無を言う前に強制連行された史果は、ショップスタッフに試着室へと押されるように連れて行かれた。
「鹿島様、お待たせいたしました。事前にご注文頂いておりました内容のドレスをご用意させていただきましたが、いかがでしょうか?」
「ん、いいんじゃない」
歩生は待合い用のソファに座り、出された珈琲を飲みながらスタッフに連れて来られた史果に視線を向けた。
落ち着いたピンクベージュの色合いに鎖骨から胸元にはレースが施されボディラインがはっきりとしたノースリーブのミディアムドレスに身を包む。膝丈ほどのスカート横にはスリットが入っているも下品さはなく大人の色気を演出していた。
「あ、あの・・・これは一体・・・?それに何で歩生さんもスーツに?」
先ほどのラフな服装から一変、歩生自身もダークスーツに身を纏い雰囲気をがらりと変えていた。基希同様、外見はパーフェクトのため彼らの性格を知らなければ思わず見惚れてしまうような容姿。実際、近くにいた別の女性スタッフは今にも目からハートが飛び出してきそうなのが此方にも犇々と伝わるほどだった。
何が何だか理解できず、困惑した表情の史果に気を留めることなく歩生は店長らしき人物に見たこともない色のカードを手渡していた。
(ちょっ、あんな色のカード見たことないんですけど!?この衣装いくらすんのよ!?タグも見当たらなかったしッッ!!)
オロオロとする史果に呆れながら支払いを済ませた歩生は、腕時計で現在の時刻を確認した。
「ほら、次行くぞ」
「え?あっ!」
「ありがとうございました。お気をつけて」
スタッフに頭を下げられ史果もつられて下げていると歩生に腕を引っ張られ店を後にした。そのあとも何の目的でどういう理由かの説明もなく行きつけの店なのか、ヘアサロンに連れて来られ個室に案内されるとあれよあれよとヘアメイクを施された。気付けば頭から爪の先まで激変させられた史果は、先にヘアセットを終え別の個室で待っていた歩生の元へ案内された。入るなり先程同様品定めするかのよう歩生は史果に視線を向けポツリと一言呟いた。
「馬子にも衣装・・・だな」
「・・・・・・」
女性として会っていた頃の歩生は何処へ・・・などと喉元まで出かかった言葉を思いっきり呑み込み遠い目をした史果は、彼に気付かれぬよう深い溜息を吐いた。
「あのー・・・そろそろ教えてくれてもよくないですか?」
「行けばわかるよ」
それだけ言葉を放った歩生は、予め呼んでいたタクシーに史果と乗り込み運転手に目的地を告げた。
その場所名に一瞬『何故!?』と思いながらも問いかける雰囲気ではなく、到着するまで互いに沈黙のまま運転手は言われた場所へと車を走らせた。
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