公爵家の養女

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第一章

気まずい過去

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 「リーナ、他の令嬢たちと楽しそうに過ごせてるみたいで良かったね」



 着いて早々、友人たちに囲まれたシュタインは、話しすぎて喉が渇いたと言いながら、近くで同じく友人と談笑していたエーデルの元へとやって来ると、令嬢たちと楽しそうに話すリーナを見て嬉しそうに言う。

 エーデルは、シュタインに飲み物を渡すと「あぁ。過去の事があったから心配していたけど、問題なさそうだな」と頷く。


 リーナが公爵家にやって来てから直ぐの時、公爵に連れられ、リーナたちはとある簡易的なパーティーへと参加したのだが、それが間違いだった。

 突如、公爵家に養子として迎え入れられたリーナを見て、一部の者たちが〝公爵の隠し子ではないのか〟〝下民を由緒あるヴァンディリアの養子にするなんて〟と言う噂が広まっていたのだ。


 その噂を聞いていた者たちが、リーナを見ては有る事無い事を言い、心無い言葉を浴びさせたのだ。

 その件があってから、リーナはパーティーどころか、外にすら出る事は無くなってしまったのだ。


 その事があったから、公爵も無理やりリーナを外に連れ出す事はなかった。

 今回、リーナが自分からパーティーに参加したいと言い、公爵たちは喜んだものの、またそんな思いをしないか心配していたのだが、楽しそうに他の令嬢たちと話をするリーナを見て、エーデルとシュタインは安心したように笑い合う。



 「そう言えば、父上はどこに行ったの?」



 辺りを見渡すシュタインに、エーデルは「さぁ……? リーナが他の令嬢たちと話しているのを確認したら、どこかへ行ったけど」と飲み物を口にする。

 そんなエーデルたちの元に、一人の少年が近づいて来る。


 かと思えば、エーデルに「未成年なのに、白昼堂々とお酒を飲んでいる奴がいるな」と声をかけるのだ。

 その声に、エーデルとシュタインは「ん?」と顔を向ける。


 そこには漆黒の髪をし、黄金色の瞳をした少年がいたずらに笑い立っていた。

 そんな彼にエーデルは「……やっと来たか、リヒト」と呆れたように言う。



 「妹の誕生日パーティーだろ? そんな時くらい、遅れずに来たらどうだ?」



 眉を顰め、軽く少年に小言を言うエーデルに、少年は「メイドたちが重たそうな荷物を運んでいたから手伝っていたんだよ」と、給仕からワイングラスに入った紫色の飲み物を受け取る。



 「パーティーが開かれようが、メイドたちは変わらず、仕事に追われていると言うのに、ほとんどの者はパーティーに借り出され、人手が足りてないんだ」



 そう言って、先ほど受け取った飲み物を口にすると「なんだ。お酒じゃないのか」と戯けたように言う。

 エーデルは「分かってたくせに」と自身も同じ飲み物を口にする。



 子息たちが楽しそうに話をしている側で、令嬢たちも会話に花を咲かせていた。

 その内容は、年頃の少女たちが集まれば必ずと言って良いほどされる話。


 そう、貴族の令嬢たちの初々しい恋の話だ。



 「そう言えば、シャスマン子息はパーティーに招待されていないのですか?」



 誕生日ケーキが来る前の腹ごしらえの軽食を話のお供に、一人の令嬢がエミリアに目を輝かせながら尋ねる。

 シャスマン子息? と不思議に思いながらも、リーナは一口サンドウィッチを食べ、話を振られたエミリアを見ると、エミリアは頰を赤くし「もちろん……! まだ来ていませんけど……!」と答える。


 あぁ……なるほど。

 エミリアの意中のお相手なのねと、微笑ましくなりながらも一人納得するリーナ。


 そんなリーナを他所に、令嬢たちはときめきながら、歓声を上げる。



 「シャスマン子息も、エミリア様に好意的ですわよね? 一体、どんなプレゼントを用意してやって来られるのでしょう……!」

 「グランべセル公女様の誕生日プレゼントですよ? きっと他の参加者よりも凄いものに決まっていますわ!」



 そう令嬢たちの妄想はみるみる膨らんでいき、シャスマン子息の期待値は勝手に上がって行く。

 そしてその令嬢たちの妄想の矛先は、一人、微笑ましそうに話を聞いていたリーナに向けられた。



 「ヴァンディリア公女は意中の相手はいませんの?」

 「えっ!?」



 まさか、自分に話が振られるとは思っていなかったリーナは、思わず大きな声で驚いてしまう。

 だが、そんな事はお構いなしと、キラキラと輝き、狂気じみても見える令嬢たちの視線が、リーナを逃しはしないと言っている。



 「お美しく、アサーナトスの剣と呼ばれるヴァンディリア公爵家の公女様が、どんな相手を慕っておられるのか気になりますわ~」

 「婚約者はおられるのですか?」



 興味津々と言った表情で、問いかけられ、リーナは「えっと……」と困ったように笑う。



 「婚約者はいません……意中の相手も。ずっとパーティーには参加していなかったので……」



 期待に応えられず申し訳ないと思いながらも、正直に話すと、令嬢たちは「そう言えば、ずっとヴァンディリア公女は体調がよろしくなかったのですよね」「だったらこれからですわね!」と楽しそうに話をし出す。



 「ピスタン子息はどうかしら? 中々の美少年だとお聞きしましたよ」

 「私、一度拝見したことがあるのですが、まるで花が咲くような麗しい方でした~」



 そうキャッキャっと頰を赤くし、楽しそうに話す令嬢たちについていけず、愛想笑いでしか返すことができないリーナ。

 ヴァンディリア公女はどう思います? と尋ねられ「うーん……そう言った話には疎くて……」と頬に手を当てる。



 「えぇ!? 勿体無い! ヴァンディリア公女のようにお綺麗でお家柄もいいお方は、選び放題ではありませんか!」



 そうしてまた、令嬢たちはそれぞれ思った事を話し始める。

 そんな中、一人の令嬢が「まぁでも、ヴァンディリア公子みたいな方を毎日のように見ていたら、そんじょそこらの方じゃ満足できませんわよね」と言うのだ。


「え……?」と驚くリーナを他所に、令嬢たちは「ほんとほんと!」「令嬢なら一度は公子たちとの恋を夢見るものですわ~」と頰を赤め話し出す。



 「義兄妹と言え、公子たちにときめいたりする事はありませんの?」



 そう期待の眼差しを向けて来る令嬢たち。

 きっと、彼女たちは純粋に問いかけてきているのだろう。

 そうは分かってはいるものの、リーナの中にある苦い記憶のせいで、言葉を詰まらせてしまう。



 『年頃の、それも美しく若い男女が一つ屋根の下で暮らしているのだぞ? そう言う事の一つや二つあってもおかしく無いと思わないか?』

 『いくら義兄妹と言っても、血は繋がってはいないもの。』



 ただ、歳が近い男女と言うだけで、彼らの興味だけで広められたその噂は、表立って問題になることはなかったが、常にその事についつの関心がリーナとエーデルには向けられていた。



 〝若く美しい男女が、一つ屋根の下に住んでいて間違いを犯さないわけがない〟

 そんな下品でしょうもない大人たちのくだらない妄想のせいで、リーナもエーデルも苦労をして来た。


 仮に間違いが起きていたとしても、何かあなた達に関係があるのか。

 そう言ってやりたかったが、その手の話に何を言っても悪くなって行くだけで、リーナもエーデルもその事について何も意見を述べる事はなかった。



 そんな記憶が思い出され、リーナは何て答えたら……と困っていると「夢を見ているところ悪いけど、あなた達にいい事を教えてあげる!」と言う声がする。

 見ると、エミリアが腕を組み、何やらキリッとした凛々しい表情を浮かべて言うのだった。



 「どんなに顔が良かろうが、素敵だろうが所詮は兄なの! だからトキメキも何もないわ! だって私がそうだもの!!」



 ドドンッという効果音がついていそうな迫力で、そう何故か得意げに宣言するエミリア。

 そんなエミリアにリーナだけではなく、その場にいる令嬢達は目をぱちぱちとさせ驚いている。



 「紳士を具現化した存在だの、帝国三大美男の一人だの何だの言われているし、顔も妹の私から見ても綺麗な顔立ちをしていると思うけれど、そんなのは兄と言う関係だけで何の意味もなさなくなっていくわ!」

 「あなた達だって、ご兄弟がいるでしょう? 考えてみて! ときめいた事が一度でもあった?」


 そう胸の前で拳を作り、熱く語るエミリアの言葉に、令嬢たちの頭の中に兄弟の顔が思い出される。

 そして何かを悟ったのか「そう、ですわよね」「所詮、兄弟は兄弟ですわ」と納得し出す。


 エミリアのおかげで、誰もリーナに対し質問した事は覚えておらず、話題が変えられ、リーナはほっと胸を撫で下ろす。



 (あそこで、エミリアが入ってくれなかったら、何も言えずにいたわ……もしかして、わざと間に入ってくれたのかしら?)



 リーナは顔を上げ、向かい側に座るエミリアを見ると、エミリアはリーナ目掛けウィンクをする。

 その瞬間、リーナはエミリア……!とエミリアがかっこよく見えた。



 「――にしても、やっぱりヴァンディリア公子とグランべセル公子は素敵ですわよね」



 話がそれたと思った数分後、また一人の令嬢により、先程の話題が掘り返される。

 その事にエミリアは「またその話?」と眉を顰める。

 一人の令嬢に続け他の令嬢も「本当に。エミリア公女にはわからないかもしれませんが、他人からすればそれはもう憧れの的なんですよ!」と鼻息荒く言う。


 そんな令嬢たちに「そんなものかしら」とさほど興味なさげに返すエミリア。



 「外では紳士の具現化なんて言われているけど、怒るとおっかないのよ。それに口うるさいし」



 そう不満そうに言うエミリアに、すかさず「兄と言うのはそう言うものですわ。」と令嬢。

 エミリアは「この前だって、私がちょーっと一人で外出しようとしただけなのに兄様ったら――」と兄への不満を続けようとした。


 だが、他の令嬢たちが頰を赤らめ、髪型を気にし出し何かおかしいと、眉を顰める。

 一体どうしたのか、エミリアがそう尋ねる隙もなく「俺が何だって?」と言う声が、エミリアの背後から聞こえて来る。


 その瞬間、エミリアはやばいと言った表情を浮かべ、ゆっくりと後ろを振り返る。



 「……兄様」



 艶やかな漆黒の髪は陽の光にあたり、黄金色の瞳が真っ直ぐエミリアを見つめている。

 そんな彼を見た令嬢たちは「グランべセル公子……!」「グランべセル公子よ……!」と先ほどまでの勢いが消え、しおらしくなる。


 そんな中、リーナだけは彼を見て気まずそうにしていたのだ。

 エミリアの座っている椅子の背もたれに、片手を突いては、エミリアに顔を近づけ「一体何を話そうとしていたんだ」と問い詰める彼。


 その姿に、令嬢たちは「麗しい……!」と胸を高鳴らせている。



 「別に。ただ、お兄様の自慢話をしようとしていただけよ。と言うか、乙女たちの輪に入ってこないでよね、兄様」



 流石は妹。

 彼を見て、嫌そうな顔を浮かべるのは彼女くらいだろう。

 そんな彼女に彼は「父上が誕生日ケーキの用意ができたから、呼んでくるよう言われたんだよ」と言う。



 「誕生日ケーキ! 皆んな行きましょう!」



 貴族の誕生日パーティーと言えば、何段にもなった誕生日ケーキ。

 エミリアは待ってましたと言わんばかりに立ち上がると、令嬢たちにも声をかける。



 「リーナも行きましょう」

 「え、えぇ」



 リーナはチラッと少年の事を見ると、視線がバッチリ合う。

 その瞬間、気まずさから思わず視線を逸らしてしまった。


 やっぱり、音楽祭の時助けてくれたのは彼だと、汗が止まらないリーナ。

 そう。今目の前にいる少年は、リーナが音楽祭で男たちに絡まれていたところを助けてくれた、あの紳士的な少年だったのだ。


 助けてもらったお礼を言わなければならないのだが、リーナは彼を目の前にすると気まずさで、目を合わさずにはいられなくなるのだ。



 『――また、泣いているのですか?』



 回帰前、リーナが婚約者を探すために、参加したパーティーで、他の令嬢たちに嫌がらせを受け、会場から少し離れた庭園の椅子に座り一人泣いていた当時17歳のリーナに、そう、低く落ち着いているが、どこか温かみがある声がかけられる。

 涙でぼやける視界には、月明かりに背を向ける中、美しい黄金色の瞳が輝く、一人の背が高く体格の良い男性が映る。


 そんな彼に、リーナは『……泣いてなんかいませんわ、グランべセル公子』と強がる。



 『誰に傷つけられたのですか?』

 『だから、泣いてませんってば!』



 初めて、リーナと彼が出会った日も、こうして一人泣いているリーナの元へ、突如彼が現れたのだ。

 それから何度か、リーナが一人いるところに、彼が姿を見せるようになった。


 いつものリーナなら、直ぐに笑みを浮かべ大丈夫だと返すが、その日は何故か凄く心がモヤモヤとしており、つい大きな声で『泣いてないって言っているでしょう!』とぶつけてしまう。

 そして、立ち上がり去って行こうとするリーナの腕を、彼は優しく掴む。



 『離して』

 『嫌です。ここで離したら、貴方はまた、一人でひっそりと泣くでしょう?』

 『だから何? そんなの貴方には関係ないわ』



 そう冷たく突き放そうとするリーナ。

 だが、彼は真っ直ぐ真剣な表情をリーナに向けると、どこか辛そうな声で言うのだった。



 『関係、ないかもしれません。ですが、俺の知らない所で貴方が泣いていたと知れば、胸が張り裂けそうなくらい痛むのです。直ぐにでもあなたの元へ行き、その美しい瞳から流れる涙を拭い、泣き止むまで抱きしめられればどれほどいいだろうと、貴方にとってその様な存在になれる事を願ってしまうのです』


 
 彼の言葉に『じょ、冗談はよして……』と返すも、あまりにも真剣な表情で、戸惑い、涙が引っ込む。

 そんなリーナに、彼は続ける。



 『もう、一人で泣かないでください。泣きたいのなら、俺が見える所で泣いてください』



 リーナの腕を握る手が震えている。

 すがるように言う彼に、何か声をかけようとしたものの、何処からか話し声が聞こえてき、リーナはハッとすると『誤解されるようなこと言わないで。貴方と私は親しい間柄でもないでしょう?』と冷たくあしらう。


 そして『もう、これ以上誤解をされ続けるのはごめんなの。』と言うと、リーナは手を払い、ヒールを鳴らしながら歩いて行くのだった。



 それからリーナは直ぐに、婚約したため、それが彼、グランべセル公子との最後の会話だった。

 その事があり、リーナは非常に彼と話すのが気まずかった。

 けれど、音楽祭で男たちに絡まれていた所を助けてもらったと言うのに、知らないふりをするのはいかがなものなのか。


 リーナは視線をグランべセル公子に向け直す。

 だが、彼はリーナには声をかけず、歩いて行ってしまったのだ。



 そんな彼を見て、気づいてない……事はないわよね……? と不思議に思いながらも、エミリアに呼ばれ、リーナはその時は彼に声をかける事かったのだった。
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