公爵家の養女

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第一章

誕生日

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 「……なぁ兄貴。リーナに何あげるか決めた?」



 交流会から約二月ほど経ち、いよいよ夏本番を迎えよう頃、14回目のリーナの誕生日が迫っていた。

 エーデルの部屋のソファーに、腕を頭の後ろで組みながら寝ころぶシュタインの問いかけに、向かいに座り本を読むエーデルは「あぁ」と本から視線を外す事なく頷く。


 どうやらシュタインは、リーナへのプレゼントがまだ決まっていないらしく「まじで!! 何あげんの!?」と勢いよく体を起こしては、リーナに贈るプレゼントが何なのかを聞く。

 それでもエーデルは、本から視線を逸らさず「教えない」とだけ答える。



 「えぇ~、教えてくれたっていいじゃん!」



 そう口を尖らせ言うシュタインに、やっと視線を向けたかと思えば、エーデルは「ていうか、リーナの誕生日三日後だぞ? まだ決めてなかったのか?」とあり得ないと言った表情を向ける。

 エーデルの言葉にシュタインは、更に口を尖らせると「だってぇ……リーナにプレゼントなんて初めてだから、何贈っていいかわかんないんだもん」と言う。


 今まではずっと、リーナにプレゼントを贈ったことが無かった。

 何度か誕生日にプレゼントを贈ろうか迷ったのだが、日頃のリーナに対しての、自身の態度から断念して来た。

 だから、今回の誕生日は以前よりリーナと仲良くなれた事もあり、喜んでもらえる物を贈りたいと思っていたシュタインなのだが、何を贈れば喜んでいるかと一カ月程前から考えていたのにも関わらず、気づけばリーナの誕生日は三日後までに迫っていた。

 時の流れは早すぎると、齢13のシュタインはその時初めて痛感したのだった。



 「ネックレスがいいかと思ったけど、この前どこかの誰かさんがあげてたしさー」



 そうジロッとエーデルを睨みつけるシュタインに、エーデルは「別に、あげればいいだろ?」と返すと、シュタインは「ぜーんぜんわかってない!」と怒り出す。



 「俺は誰もあげた事ないやつを、リーナにあげたいの!!」



 そう胸に手を当て、鼻息荒く言うシュタイン。

 彼は妙にこだわりが強く頑固な所がある。
 それを分かっているエーデルは「そうか」と軽く流す。

 そんなエーデルを指差し「あ! 今面倒くさいって思っただろ!」と絡んでくる。



 「いいよ、別に! 兄貴なんかに頼らないで決めるもんね!」



 シュタインはそう、一人で騒ぎ出したかと思えば、エーデルの部屋から出て行く。

 そんなシュタインを呆れたように見送るエーデル。


 その日から三日間、シュタインは隙を見つけては何処かに出かけているようだった。

 そして三日が経ち、リーナの誕生日の日となった。



 「リーナ、誕生日おめでとう!!」



 ダイニングルームは、この日のために用意された飾り付けで溢れかえり、部屋のあちらこちらに白い薔薇が飾られている。

 リーナに相応しい誕生日会場に変わっている。


 テーブルの上には豪華な食事が並べられており、美味しそうな匂いが食欲を唆る。

 リーナがダイニングルームへとやって来ると、シュタインとエミリアがリーナをお祝いの言葉で出迎える。


 
 「え、エミリア……!?」



 予想外の人物に驚くリーナの背後から「俺もいるよ」と言う声が聞こえて来る。

 振り返ると、エーデルとリヒトがおり、二人は「誕生日おめでとう」とリーナを祝う。


 リーナには、家族だけで祝うと知らせており、リヒトとエミリアが来る事は秘密にしていたのだ。

 シュタインとエミリアは「凄く驚いてたな!」「サプライズ大成功!」と笑い合う。



 「俺とエミリアに祝って貰えたら、リーナが喜ぶからって、エーデルが誘ってくれたんだ」



 エーデルが……! とエーデルに顔を向けると、エーデルは「どうせなら、大勢いる方がいいだろ」とぶっきらぼうに言う。

 リーナは「ありがとう、エーデル! 二人も来てくれてありがとう!」と嬉しそうに笑うのを見て、皆んなも顔を見合わせ笑い合う。



 「そうだ! はい、リーナ! これ、私と兄様から!」



 そう笑顔でリーナにプレゼントを贈るエミリア。

 まさかプレゼントを貰えるなんて思わなかったのか「え……いいの……?」と驚いたように、エミリアとリヒトからのプレゼントを受け取る。

 エミリアは「開けてみて!」とそわそわしている。



 「わぁ……! 手袋だ……! 可愛い!」



 エミリアとリヒトからのプレゼントは、レースで出来た白色の手袋だった。

 早速手袋をはめてみるリーナ。

 リーナの手にぴったりのサイズで、今日着ているドレスにとても良く似合っている。


 リーナは「ありがとう、凄く嬉しい!」とお礼を言うと、エミリアは頰を赤くし、嬉しそうにリヒトと顔を見合わせて「うん!」と頷く。



 「綺麗なブローチ……」



 エミリア、リヒトに続け、エーデルから贈られたのは白薔薇をモチーフにした、ホワイトオパールで作られたブローチだった。

 光の加減で七色に輝く姿はとても美しい。

 まさに、リーナにぴったりの贈り物だ。



 「……はい、これ。俺からのプレゼント」



 何処か緊張した面持ちで、素っ気なくリーナにプレゼントを渡すシュタイン。

 リーナは「ありがとう」と受け取り、早速中身を見る。



 「可愛い……!」



 そう目を輝かせ、シュタインから貰った髪飾りを見るリーナ。

 シュタインからのプレゼントは、温かい黄色と白色のお花で作られた髪飾だった。

 シュタインは「気にいるかどうか分からないけど……」と不安そうにしている。


 そんなシュタインに、リーナは「シュタイン、着けて!」と頼むので、シュタインは「俺!? い、いいけど……」と言い、リーナの髪に今私た髪飾りを着ける。



 「どうかな?」



 耳の少し上につけられたその髪飾りは、とても良くリーナに似合っており、エーデルは「いいじゃん。凄く似合ってる」と言い、リヒトとエミリアも褒める。

 髪飾りを着け、更に美しさに拍車が掛かったリーナを見て、嬉しそうにするシュタイン。


 リーナは「ありがとう、シュタイン! とても綺麗で凄く嬉しい!」と花咲くような笑顔で、シュタインにお礼を言うと、シュタインも「うん。凄く似合ってるよ、リーナ」と笑い返す。

 ずっと、リーナにプレゼントを渡すまで不安そうにしていたシュタインを見ていたエーデルは、二人のやり取りを見て嬉しそうに笑みを浮かべている。



 「おや、もうプレゼントを渡しているのかい?」



 そう言って、ダイニングルームにやって来たのは、公爵と執事長のアルバートで、皆は「おはようございます」と挨拶をする。

 公爵は「遅れてすまないね。私からのプレゼントは、もう届いたようだね」と笑みを浮かべる。



 「はい! 素敵なドレス、ありがとうございます」



 公爵からのプレゼントは、リーナが今着ている白のフリルが沢山ついたドレスで、朝起きた時に届けられていたのだ。



 「それじゃあ、改めて。14回目の誕生日おめでとう、リーナ」



 公爵に続け、他の皆んなも「おめでとう」とリーナにお祝いの言葉を贈る。

 家族からではなく、友人から祝って貰える事が凄く嬉しく、リーナは満面の笑みを浮かべ「ありがとうございます」と返す。


 しばらく、ご馳走を食べ勧めた頃、メイド長のエマたちがダイニングルームへと誕生日ケーキを運んでくる。

 四段に重ねられたそのケーキの上に、蝋燭が刺され、ゆらゆらと火が揺れている。


 エミリアが「リーナ、お願い事して!」と言い、リーナは顔の前で手を重ね合わせ、目を瞑りお願い事をする。

 そして、お願い事が終わり勢いよく蝋燭の炎を消すと、拍手が巻き起こる。

  
 それからケーキを食べ、何気ない会話をし、14回目の誕生日は楽しく終わったのだった。

 その日は、夜遅くまで誕生日を祝うので、リヒトとエミリアはヴァンディリアに泊まった。


 リーナの部屋のベッドで、寝息を立て、気持ちよさそうに眠るエミリアを、リーナは上半身を起こし、微笑ましそうに見つめる。

 客室があると言ったのだが、エミリアがリーナと寝たい! と駄々を捏ねたので、一緒のベッドで寝ることになった。

 幸い、リーナの部屋のベッドは少女たちが二人寝ても、問題ないくらい大きさなので、ゆっくりと眠れそうだ。


 リーナは、皆んなに祝ってもらえた事が嬉しく、まだ胸がドキドキしているため、中々眠りにつけず、少し夜風にあたろうと、眠っているエミリアを起こさぬよう、そーっとベッドから降りては部屋を出て行く。

 夜も遅いため、廊下は月明かりが照らしているも、薄暗くリーナの足音だけが響いている。


 廊下の窓から空を見上げては、その美しく光る月を見て、テラスから眺めるにはピッタリねと、リーナお気に入りのテラスへと歩みを進める。

 昔もよく、眠れない時とか、色々と考えてしまう時に夜中に一人、こっそりとやって来ては空を見上げ、夜風にあたっていたテラス。


 今日ももう、遅い時間なので誰もいないと思っていた。

 だがテラスに一人の人影が見える。


 その後ろ姿は見覚えがあり、顔を見なくても誰なのかが分かる。



 「リヒト?」



 そうテラスで空を眺める彼の名前を呼ぶリーナ。

 すると彼は、リーナの方を振り返ると、すごく驚いた表情を浮かべたかと思えば、柔らかく笑みを浮かべ「びっくりした」と言うので、リーナは「そんな顔してた」と笑う。



 「眠れないの?」



 そうリーナに問いかけるリヒトに、リーナは「まだ浮かれてるみたい」と眉を下げ笑う。

 なら、少し話さないかと、リヒトは自身の隣に来るように言うので、リーナはリヒトの隣に立ち空を見上げる。



 「リヒトも眠れないの?」

 「まぁ……そんな感じかな」



 そう笑うリヒトに、自分の家じゃないからかな? と思うリーナ。

 その隣でリヒトは「凄く良いテラスだね」と言う。



 「よく外が見えて、ここから中庭も見えるし」

 「そうなの。私もこのテラスがお気に入りで、昔はよく、このテラスから中庭にいるエーデルやシュタインを見てたっけ……」



 そう、回帰前のことを思い出して懐かしく思うリーナ。

 あの頃は、エーデルとシュタインと仲が良くなく、中庭で読書をするエーデルと、遊ぶシュタインと一緒に過ごしたいと思い、このテラスから見ていた。

 きっと、エーデルとシュタインは気づいてないだろうけど。



 「リーナは本当に、エーデルとシュタインが好きなんだね。ここ最近、一緒に過ごして思ったよ」



 リヒトがよく、ヴァンディリアに訪れていると知った日から、リヒトは頻繁にヴァンディリアにやって来ては、リーナたちと共に過ごしていた。

 そんな彼がそう思うと言うことは、よっぽど態度に出ているのだろう。


 少し照れ臭くなりながらも「うん、大好き」と笑うリーナ。

 そんなリーナをじっと見つめたかと思えば、リヒトは「……さっき、眠れないのかって聞かれたけど、実はリーナに会える気がして、ここに居たんだ」と突然言う。

 その言葉に驚くリーナに、リヒトは「そしたら本当に会えたから、びっくりしたよ」と眉を下げ笑う。


 だから、あんなに驚いた顔をしていたのかと、一人納得するリーナにリヒトは「実は、リーナに渡したいものがあるんだ」と言うと、胸ポケットから綺麗に包装された箱を取り出すと、それをリーナに渡す。


 
 「開けてみて」



 そうリヒトに言われるがまま、箱を開けると、シンプルなデザインのブレスレットが入っていた。

 ダイヤモンドで出来た雪の結晶がポイントの、金色と白色を中心に作られてたそのブレスレットは、シンプルだが上品で、リーナのイメージにピッタリだ。


 リーナは「これは……?」と驚いたように問いかけると、リヒトは「リーナへの誕生日プレゼントだよ」と言う。



 「プレゼント? さっき手袋貰ったよ?」



 先程、確かにリヒトとエミリアからレースの手袋を貰った。

 だがリヒトは「あの手袋を買った後に、このブレスレットを見つけてね。リーナに似合うと思って買ったんだ」と言う。



 「元々、エミリアと一緒のプレゼントとは別に、プレゼントしようと思っていたから……貰ってくれたら嬉しいな」



 そう言うリヒトに、リーナは「本当に、ありがとう……凄く嬉しい」とお礼を言うと、リヒトに着けさせて? と頼む。

 リヒトは「もちろん」と頷くと、リーナの左手を優しくとり、ブレスレットを着ける。


 リヒトの思った通り、白く美しいリーナの手に、ブレスレットが良く映え、似合っている。

 リヒトに「似合ってる?」と聞くリーナに、リヒトは「凄く」と頷く。


 そしてリヒトは呟くように、リーナに言う。

 

 「……今日だけじゃなく、これからも一緒に誕生日を過ごせたら良いな」



 そう呟く彼が、一瞬、回帰前震える手でリーナの腕を掴み、縋るような様子だった彼と被り、リーナはリヒトの手をそっと取る。

 そんなリーナに驚くリヒト。

 リーナは柔らかく笑みを浮かべ、言う。



 「誕生日だけじゃなく、これからも沢山一緒に過ごそう」



 リーナの言葉に、リヒトの輝く黄金色の瞳は一瞬揺れる。

 かと思えば、優しく笑みを浮かべ「約束だよ」と言うと、誓うようにリーナの手の甲に口付けをする。

 そして、もうしばらく空を眺めながら、話を続ける二人は、たまたま居合わせたエーデルが、何か思ったようにその場を後にした事には気づかなかった。


 それから月日は経ち、エーデルは18歳、リーナとシュタインが16歳を迎える年となった。

 その年は、リーナがデビュタントを迎える年でもあり、回帰前、ヴァンディリア公爵が事故で亡くなり、エーデルが18歳と言う若さで当主就任した年でもあった。
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