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冷たい風が、頬を吹き付ける。
目を開けると、自分がいた城がもう見えなくなっている。
「寒いなぁ」
かなり薄着だ。しかも、天空から離れたせいか身体が変化してきている。
「女神の野郎……つき落としやがって」
女神に呼ばれたから、わざわざ仕事を急ピッチで終わらせて向かったのに。
なんだ、この仕打ちは。
「天空に戻ったら、死ぬほど文句言ってやるよ」
俺の姿は、どんどん人型になっていく。
あぁ……俺の姿が変わっていく。
「でも、これ……どうすればいいのだろうか」
俺はドラゴン族のトップだ。
いつ、どんな時でも冷静でいなくてはならない。
焦っていては、『竜王』とは名乗れない。
「あーでも……」
まぁ何も思い浮かばないな。
「…………〈焔の鳥〉」
俺は左手を持ち上げて、人差し指を円を書くように回す。
ボウッと赤く輝く焔が発生して、その焔はゆっくりと鳥の形を象っていく。
「……久しいな、〈ルー〉」
完全に魔術が発動し、焔の鳥が息をする。
鳥は俺の指先から離れて、俺の周りをぐるぐると飛ぶ。
「どうした?」
ルー、とは俺が名付けた名前だ。
名無しなんか、可哀想だろう?
「…………もうすぐ、地上かな」
だんだん雲が俺の身体を受け止めなくなってきた。
かなり落ちたな。
地上と天空は、かなり距離があるからなぁ。
「ルー。俺から離れるなよ」
そうやって言うと、ルーは嬉しそうに俺の身体に巻きついた。
明るい焔が俺の身体を暖めてくれる。
「いい子だ」
ルーの頭を撫でると、嬉しそうに鳴いた。
上手く身体を捻って体制を変える。
とてつもなく強い風で、ほとんど身動きは出来ない状態だが、何とか身体の向きを変えることが出来た。
背面で着地は、流石に出来ないからな。
竜王とはいえそんなに、万能ではない。
「あれが、地上か……」
初めて生で見る、人間の住む地上世界。
仕事関係で、四龍の一人からよく話や映像を見たことはあった。
だが、実際この目で見たことはなかった。
「結構いいな」
自然もあって、街もある。
なかなか素晴らしい。
「…………んー……」
ルーは俺の肩に乗って、身体を擦り寄せて来る。
かわいい。
「ルー。今から着地体勢を取るからな」
あとほんの数分で地上の地面だ。
俺は両手を前に出して、術を唱える。
「——〈受け身〉」
瞬間。
俺の身体がふわっと軽くなって、重力なんかあまり気にしなくてもいいようになる。
「単純計算で……着地まであと……五分か」
残り五分。
その五分の間で、安全かつ、柔らかい着地場所を見つけなければいけない。
あんな地面に落ちたら、骨折で済むかも分からない。
パッと見、俺の身体がバラバラにならないような場所は……森しかない。
「そこでいいか」
今俺がいる場所から、森までは左に三十メートルほど移動しなくてはいけない。
この状態だ。
なかなか移動は出来ない。
「くっ…………」
——落ち所が悪かった。
「……ルー。俺をあっちまで引っ張ってくれないか?」
最終手段だ。
俺の肩に乗っているルーを見つめて、視線で訴える。
すると、俺の言いたいことが伝わったのか、ルーの身体は巨大化して、俺を引っ張ってくれた。
凄まじい勢いで横に引っ張られる。
「ありがとう、ルー」
ルーのおかげで横にズレることが出来た。このまま落ちれば、森のどこかには落ちるだろう。
「後は、身を任せるだけだな」
祈るしかない。
無事に降りられるように、と。
身体がバラバラにならなければ、回復は出来る。
さぁ。
どうなるだろうか。
目を開けると、自分がいた城がもう見えなくなっている。
「寒いなぁ」
かなり薄着だ。しかも、天空から離れたせいか身体が変化してきている。
「女神の野郎……つき落としやがって」
女神に呼ばれたから、わざわざ仕事を急ピッチで終わらせて向かったのに。
なんだ、この仕打ちは。
「天空に戻ったら、死ぬほど文句言ってやるよ」
俺の姿は、どんどん人型になっていく。
あぁ……俺の姿が変わっていく。
「でも、これ……どうすればいいのだろうか」
俺はドラゴン族のトップだ。
いつ、どんな時でも冷静でいなくてはならない。
焦っていては、『竜王』とは名乗れない。
「あーでも……」
まぁ何も思い浮かばないな。
「…………〈焔の鳥〉」
俺は左手を持ち上げて、人差し指を円を書くように回す。
ボウッと赤く輝く焔が発生して、その焔はゆっくりと鳥の形を象っていく。
「……久しいな、〈ルー〉」
完全に魔術が発動し、焔の鳥が息をする。
鳥は俺の指先から離れて、俺の周りをぐるぐると飛ぶ。
「どうした?」
ルー、とは俺が名付けた名前だ。
名無しなんか、可哀想だろう?
「…………もうすぐ、地上かな」
だんだん雲が俺の身体を受け止めなくなってきた。
かなり落ちたな。
地上と天空は、かなり距離があるからなぁ。
「ルー。俺から離れるなよ」
そうやって言うと、ルーは嬉しそうに俺の身体に巻きついた。
明るい焔が俺の身体を暖めてくれる。
「いい子だ」
ルーの頭を撫でると、嬉しそうに鳴いた。
上手く身体を捻って体制を変える。
とてつもなく強い風で、ほとんど身動きは出来ない状態だが、何とか身体の向きを変えることが出来た。
背面で着地は、流石に出来ないからな。
竜王とはいえそんなに、万能ではない。
「あれが、地上か……」
初めて生で見る、人間の住む地上世界。
仕事関係で、四龍の一人からよく話や映像を見たことはあった。
だが、実際この目で見たことはなかった。
「結構いいな」
自然もあって、街もある。
なかなか素晴らしい。
「…………んー……」
ルーは俺の肩に乗って、身体を擦り寄せて来る。
かわいい。
「ルー。今から着地体勢を取るからな」
あとほんの数分で地上の地面だ。
俺は両手を前に出して、術を唱える。
「——〈受け身〉」
瞬間。
俺の身体がふわっと軽くなって、重力なんかあまり気にしなくてもいいようになる。
「単純計算で……着地まであと……五分か」
残り五分。
その五分の間で、安全かつ、柔らかい着地場所を見つけなければいけない。
あんな地面に落ちたら、骨折で済むかも分からない。
パッと見、俺の身体がバラバラにならないような場所は……森しかない。
「そこでいいか」
今俺がいる場所から、森までは左に三十メートルほど移動しなくてはいけない。
この状態だ。
なかなか移動は出来ない。
「くっ…………」
——落ち所が悪かった。
「……ルー。俺をあっちまで引っ張ってくれないか?」
最終手段だ。
俺の肩に乗っているルーを見つめて、視線で訴える。
すると、俺の言いたいことが伝わったのか、ルーの身体は巨大化して、俺を引っ張ってくれた。
凄まじい勢いで横に引っ張られる。
「ありがとう、ルー」
ルーのおかげで横にズレることが出来た。このまま落ちれば、森のどこかには落ちるだろう。
「後は、身を任せるだけだな」
祈るしかない。
無事に降りられるように、と。
身体がバラバラにならなければ、回復は出来る。
さぁ。
どうなるだろうか。
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