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上手く天空に戻れなくて、まだ地上をさまよっているのだろうか。
「……ケルラ。俺の話を落ち着いて聞いてくれ」
『え? う、うん……』
クロのことがかなり心配だが、まず第一に話さなければいけないことを話すことにした。
きっとクロよりも先に戻っているヤミから、告げられたはずだ。
「俺はまだ天空には戻らない」
『…………うん』
それは頭で理解しているのか、ケルラは少し間を開けて頷く。
「——戻る時は、人間と一緒だ」
天空の自分の部屋で話をしているケルラの眉が、ぴくっと動く。
反応したのは、『人間』という単語だ。
『…………その人間は、ルメアの何なの?』
地上に落ちてしまった際、偶然にも出会って助けて貰った『命の恩人』なら、一緒に帰る必要もない。
そもそも、人間は天空では生きられない。
じゃあその人間は、ルメアのなんなのか。
「え? ……んー……」
首を捻って、南波斗と自分の関係を探るルメア。
これは……”付き合っている”と言っていいのか?
南波斗から、告白もされたし、ルメアも返事を返したはずだ。
そして、ある時にルメア自身も南波斗のことが『好き』と気付いた。
だから、多分俗に言う『両思い』。
それを言葉にすると、ルメアの顔が赤みを帯びてくる。
「…………付き合っている……?」
疑問形になりながらも、南波斗との関係を言うなら、あれがとてもしっくりしたのだ。
まぁ当然、ケルラは『、は』と声を漏らす。
信じて貰えないのは、分かっていた。
「ケルラ。信じなくてもいい。だが俺はその人間が好きなんだ」
そう、ただ好き。
そう簡単に南波斗とは離れられないし、一人にすることは出来ない。
——好きなんだよなぁ……アイツのことが
一度認めてしまえば、もう恥ずかしがらなくてもいいし、困惑することもなくなる。
「その人間と一緒に天空に行けるようになるまで、俺は帰らない」
いつかの父上が、ルメアにそう言ってくれた。
今まで黙っていたケルラが、口を開く。
『………………そっか……』
ルメアの予想とは全く違う答えに、カクンッと膝が折れる。
「……否定しないのか?」
『なんで? ルメアがやっと恋を分かったんだから、僕は嬉しいよ?』
まるでルメアのお母さんのような言い方だった。
「お母さんみたいだぞ……」
『ある意味僕は、ルメアのお母さん、だからね』
クスクスと笑いながら、ケルラはルメアの言葉を肯定する。
ルメアも、その笑い声に釣られて同じように笑う。
『……僕は嬉しいよ、ルメア』
そしてふいに、悲しい雰囲気をまとった喋り方で、ケルラは語り出す。
「なにが?」
『ルメアが……恋を分かってくれて嬉しい。話せて嬉しい』
顔は見えていないが、ルメアには分かる。
——泣いていそうだな……
悲しい声がする。
「ケルラと話せて、俺も嬉しいよ」
『ふふっ……。…………楽しみに待ってるね。ルメアが恋人と一緒に天空に帰ってくるの』
わざとだろうか。
わざわざ『恋人』という単語を使うケルラに、もし彼が目の前にいたら、デコピンをかましていた。
そんなことを思いながらも、ルメアは頷き「おう」と言った。
ケルラはまた『ふふっ』と笑って、最後にルメアの名前を呼んだ。
「なんだ?」
『ありがとう。大好きだよ』
急に愛の告白をされたが、ルメアはクスッと笑って受け取る。
「うん。俺も、好きだよ」
同じように伝えると、ケルラはとても嬉しそうに笑った。
『ふふっ。…………じゃあ、また連絡するね』
そう言い残して、ケルラは通信を切った。
ブツッとした音が、ルメアの鼓膜を穿った後、完全にケルラとは繋がらなくなった。
久しぶりに話せたから、ルメアも嬉しかった。
ケルラとは前々から話したいと思っていたからな。
「……——また後でな。ケルラ」
あとは、父上を待つだけだ。
「……ケルラ。俺の話を落ち着いて聞いてくれ」
『え? う、うん……』
クロのことがかなり心配だが、まず第一に話さなければいけないことを話すことにした。
きっとクロよりも先に戻っているヤミから、告げられたはずだ。
「俺はまだ天空には戻らない」
『…………うん』
それは頭で理解しているのか、ケルラは少し間を開けて頷く。
「——戻る時は、人間と一緒だ」
天空の自分の部屋で話をしているケルラの眉が、ぴくっと動く。
反応したのは、『人間』という単語だ。
『…………その人間は、ルメアの何なの?』
地上に落ちてしまった際、偶然にも出会って助けて貰った『命の恩人』なら、一緒に帰る必要もない。
そもそも、人間は天空では生きられない。
じゃあその人間は、ルメアのなんなのか。
「え? ……んー……」
首を捻って、南波斗と自分の関係を探るルメア。
これは……”付き合っている”と言っていいのか?
南波斗から、告白もされたし、ルメアも返事を返したはずだ。
そして、ある時にルメア自身も南波斗のことが『好き』と気付いた。
だから、多分俗に言う『両思い』。
それを言葉にすると、ルメアの顔が赤みを帯びてくる。
「…………付き合っている……?」
疑問形になりながらも、南波斗との関係を言うなら、あれがとてもしっくりしたのだ。
まぁ当然、ケルラは『、は』と声を漏らす。
信じて貰えないのは、分かっていた。
「ケルラ。信じなくてもいい。だが俺はその人間が好きなんだ」
そう、ただ好き。
そう簡単に南波斗とは離れられないし、一人にすることは出来ない。
——好きなんだよなぁ……アイツのことが
一度認めてしまえば、もう恥ずかしがらなくてもいいし、困惑することもなくなる。
「その人間と一緒に天空に行けるようになるまで、俺は帰らない」
いつかの父上が、ルメアにそう言ってくれた。
今まで黙っていたケルラが、口を開く。
『………………そっか……』
ルメアの予想とは全く違う答えに、カクンッと膝が折れる。
「……否定しないのか?」
『なんで? ルメアがやっと恋を分かったんだから、僕は嬉しいよ?』
まるでルメアのお母さんのような言い方だった。
「お母さんみたいだぞ……」
『ある意味僕は、ルメアのお母さん、だからね』
クスクスと笑いながら、ケルラはルメアの言葉を肯定する。
ルメアも、その笑い声に釣られて同じように笑う。
『……僕は嬉しいよ、ルメア』
そしてふいに、悲しい雰囲気をまとった喋り方で、ケルラは語り出す。
「なにが?」
『ルメアが……恋を分かってくれて嬉しい。話せて嬉しい』
顔は見えていないが、ルメアには分かる。
——泣いていそうだな……
悲しい声がする。
「ケルラと話せて、俺も嬉しいよ」
『ふふっ……。…………楽しみに待ってるね。ルメアが恋人と一緒に天空に帰ってくるの』
わざとだろうか。
わざわざ『恋人』という単語を使うケルラに、もし彼が目の前にいたら、デコピンをかましていた。
そんなことを思いながらも、ルメアは頷き「おう」と言った。
ケルラはまた『ふふっ』と笑って、最後にルメアの名前を呼んだ。
「なんだ?」
『ありがとう。大好きだよ』
急に愛の告白をされたが、ルメアはクスッと笑って受け取る。
「うん。俺も、好きだよ」
同じように伝えると、ケルラはとても嬉しそうに笑った。
『ふふっ。…………じゃあ、また連絡するね』
そう言い残して、ケルラは通信を切った。
ブツッとした音が、ルメアの鼓膜を穿った後、完全にケルラとは繋がらなくなった。
久しぶりに話せたから、ルメアも嬉しかった。
ケルラとは前々から話したいと思っていたからな。
「……——また後でな。ケルラ」
あとは、父上を待つだけだ。
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