はあっ? いちいち僕を巻き込むんじゃねぇっ!

栞遠

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何言ってんの? お前……

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 学校帰りの暁人を迎えに行くのは、なんだか楽しい。
 夏休み中の暁人とは違っているから、ドキドキする。
 制服もとても似合ってて、そのまま永久的に保存したいくらいかわいい。

 携帯を持ってこずに暁人を迎えに行ったら、逆上された。
 ……よくわからないけど、可愛かったから許す。
 一ノ瀬って奴がまた暁人と一緒にいて、ちょっとムカッとした。
 でも一ノ瀬は別にいいか、と俺の中でも区別することが出来た。

 そのことに自分でも驚く。


 一ノ瀬と正門辺りで別れた俺たちは、暁人を家に送るために歩く。
 「暁人はいつまで学校あるの?」
 「…………まだまだあるよ」
 「夏は自由だったじゃんか」
 「それとこれとは話が違うんだよぉっ! あれは夏休み!」
 暁人は、なぜかキレ始めて歩きながら叫ぶ。
 イライラしてんのか。
 「冬休みまであと、三ヶ月弱あるんだよッ!!」
 あ。わかったぞ。
 暁人は学校が嫌いなんだな。


 「早く終われよ学校生活っ!!」


 暁人の学校嫌いがビシバシ伝わってくる。  

 「暁人」
 俺が名前を呼ぶと、キレながらも暁人は振り返った。
 ヤバ、かわいい……。

 俺は暁人に近づいて、顎を掴む。
 クイッと顎を上げると暁人の顔が目の前にきて、興奮する。
 あぁ、その目で見られるとゾクゾクするんだよな。

 俺の手で、泣かせてやりたい。


 そんなことを思ってしまう俺は、変態だろうか。

 「な、なんだよ……ルイ…………」
 「暁人、目ぇ閉じて」
 「え、なんで……」
 一気にイライラの熱も冷めたのか、暁人は冷静になる。
 「いいから」
 俺が強めに言うと、暁人は俺の言う通りになる。
 目を閉じて俺を待つ暁人は、すごく犯したくなる要素を持っている。
 その衝動を必死に耐えて、俺は暁人の唇にキスをした。

 「ん…………っ!?」

 ビクッとした暁人の身体を抱きしめて、俺はキスを深くしていく。
 固く閉じている唇を俺の舌でこじ開ける。
 あっさり暁人の唇は開いて、俺は舌を入れる。

 「んふっ……んん…………っ」

 暁人の口内を楽しむように、ゆっくりと撫で回していく。
 その度、暁人が、エッロい声を漏らす。
 「ぷはぁ……あ…………る、ルイ……っ」
 暁人は呼吸が苦しくなったのか、唇を離す。

 その時、俺たちの間に、唾液の糸が引いた。

 「待って……ここ…………っ」
 「うん。歩道だね」
 どこでキスしたのかなんて、俺が一番知っている。
 暁人は顔を真っ赤にさせて、俺の腕を掴む。
 その姿を見て、俺はまた興奮する。



 「ねぇ暁人。——今日、俺の家、おいで」


 俺は我慢できなくて、暁人の耳に顔を寄せ、出来る限りのイケボを出す。
 すると、プルプル震えながら、暁人はコクン、と頷いた。
 「じゃあ、お兄チャンに連絡しような」
 「……っわか、た……」
 学校の鞄から携帯を取り出した暁人は、玲於奈さんに連絡を入れる。
 メッセージを送信し終えた直後、返事が返ってきた。
 覗き込むと、そこにはブラコンだな、とすぐに思う文章だった。

 『わかった。気をつけるんだよ、暁人。何かあったらすぐ連絡してね』

 「相変わらずだな、暁人のお兄チャン」
 「あ、はは……」
 暁人はまた鞄に携帯を突っ込んで、ふいに、俺の手を握る。

 「っ……!?」

 あ、ヤバい。これ、ニヤける……。
 暁人のデレが半端ない。
 いつもはツンツンしている暁人が、時々、俺にだけ見せてくれるデレは、とても貴重だ。
 あー……出来るだけ顔に出さないようにしないと……。
 冷静を装って、俺は暁人を見つめる。

 「ふっ。どうしたの、暁人」
 「べ、別に…………?」
 暁人も冷静を装っているのだろうが、全然出来ていない。
 ふふっ。真っ赤になっちゃって。
 俺は、暁人が握ってくれた手を強く握る。

 ——家に帰ってからが楽しみだな

 俺は暁人が見ていない隙に、これからを想像して、笑った。


 💫💫💫


 ルイに道端でキスされた暁人は、これから何をされるのか、柄にもなく想像してしまった。
 ——なに、するのかな……
 ルイの家に行くのは別に嫌じゃない。
 「る、ルイ……? 顔、ニヤついてるよ……」
 「ん? そうか?」
 暁人がルイの顔を覗いて、若干暁人の顔が引きつる。
 「まぁ、これから何しようかなーって思って」

 「…………っ!?」
 ルイの言葉に暁人の顔は、また真っ赤に染まる。
 「な、なに言ってんだよ……っ!」
 暁人が反発して、手を繋いでいない方の手で、ルイの腹を殴る。
 「あはは」
 笑い飛ばされて、暁人は少しだけ、ため息をついた。

 今日で何度めかの、ため息だった。


 気がついたら目の前は、ルイの豪邸マンションで、暁人は一瞬、足が竦んだ。
 「どうしたの?」
 前を歩いていたルイが、全然付いてこない暁人を心配して声をかける。
 その声に、現実に意識が引き戻された暁人は遅れてルイの横に並んだ。
 「ごめん」

 「あ、もしかして」

 おもむろにルイは口を開いて、とんでもないことを言い放つ。


 「これからのこと、想像してたの?」


 ありえない。
 バカだろうか、この金髪万年発情野郎は。

 あ、そうだった。


 いつもバカだったよ、あはは。




 「…………なに言ってんの、お前……」



 ジョークはキツいぜ、ね、ルイ。


 「うわー。暁人エロいねー?」


 はい。

 もう暗殺してしまいましょう。


 ダメだ。これ以上、好き勝手言われては、我慢ならない。


 「でも、楽しみにしててよ」


 ——何を楽しみに待ってるんだよ。


 「後で、エッロいことしようね」


 ——したくありません。

 ルイの言葉に即答で、心の中で返事を返す暁人。
 実際に言葉に出したらいけない気がしたのだ。


 「行こっか」




 ——あぁ。僕はなんて言う化け物に懐かれたんだ……
 
 
 
 
 
 










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