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第三章
1 操縦席には
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「ほんとうに大丈夫なんだろうね」
操縦席の隣にかじりついて、悲壮な声を出すレイにリュウは大きくうなずいた。
「士官訓練センターのカプセルで何度もやってるんだ。俺にだって静かな宙域の操縦くらいできる!」
惑星ティンからの帰り道。レイに頼み込んでリュウは操縦席に座らせてもらっていた。
惑星ティンに滞在したのは、わずか一日足らず。夕方に着いたと思ったら、翌日には帰途についていたのだ。
来るのに15時間、帰るのにも同じくらいかかるからそんなことになる。
ティンは惑星ベルンからあまりにも遠い。
なじみの酒場で潰れるまで呑んで、昼前まで死んだように眠っていたリュウを、レイは午後からバザールに連れまわした。
さっさと自分のほしいものを買ってしまったレイとふたりで、リュウはバザールを冷やかして歩いたのだ。
中身がよくわからないようなジャンクフードを食べながら、色とりどりの衣裳が並ぶファッションストリートを歩く。
あまりの数の多さに、リュウにはどれを選んでいいか決められそうにもないのに、レイは、ところどころの店で足を止め、おいでおいでと手招きをした。
「ね、リュウ。これきっと、おまえに似合うよ」
そんな風に値段も気にせずに買い込んだ服や靴、アクセサリーの類がクリスタル号の貨物室にどっさり積み込まれていた。
もちろん、レイはリュウの分だけでなく、自分の分もしっかり買い込んでいたのであるが。
店で眺めていると、どうみても悪趣味に思えたのに、レイが身に付けると気品さえ感じさせるから不思議だった。
操縦席を明け渡した美貌の男の服装はというと、テロッとした素材のパープルのシャツに細身のジーンズ。昔流行ったユーズドとかで最初から穴のあいているパンツを嬉しそうにはいている。
足元は店に入るなり目にとまったとのたまうウエスタン風のブーツ。そして、胸にはシルバーのゴツいクロスが光っている。
イカレたバンドのミュージシャンとして、そのままステージに立てそうな装いだ。
リュウはというと、レイの買ってくれた服を断固拒否して、士官訓練センターのブルーの制服を身に付けていた。どうしても操縦席に座りたかったからだ。
ただし、古くから伝わるお守りだよといいながら買ってくれたレイとおそろいのクロスだけは、制服のジャンプスーツの下に付けている。
「こんなに遠い惑星の酒場へわざわざ連れてきてくれて、ありがと」
リュウがわざとらしく礼を言う。
「それ、もしかして嫌味?」
目をむいたレイに、リュウはにやりと笑ってみせた。
ほんとうは時間を取ってくれただけでもうれしかったのだ。
レイが愉しそうに飲んでいる姿を見ることができてよかったと思っている。
だけど、マスターとのわけのわからない会話。レイに想いを寄せるエリスの存在。
リュウは、レイが知らない人間に思えて、遠くに行ってしまう気がして恐かった。
「そんなことない。ティア・ドロップを飲ませてもらったから」
レイが夢にまでみると言う酒、ティア・ドロップは確かにうまかった。
「そう言ってもらえると、ここまで連れてきた甲斐がある。ブールジュ以外では、絶対、飲めないからね」
「そうらしいね。でも、ほんとは自分が飲みたかっただけ、とか?」
「あっ、俺の思いやりを疑ってるな」
レイが軽くリュウの頭を小突いた。
「あいたっ!」
大げさに痛がるふりをして顔をしかめるリュウを見て、レイは笑い転げている。
マスターやエリザベスは、レイの笑顔が珍しがっていたけれど、自分といるときはいつも笑顔だとリュウは思う。
──もしレイが笑わなかったら、恐くて近寄ることもできない。レイには笑顔が似合う。
いつも天真爛漫に微笑んでいてくれればいい。できるならば、この腕の中で──
「どうしたの。俺の顔をぼーっと見つめて。リュウに惚れられるなんて、男冥利に尽きるけど?」
からかわれてリュウは真っ赤になった。
本気でレイのことを好きだなんて。この腕に抱きたいと思っているなんて。
その笑顔をずっと見ていたいと考えているなんて。きっと、レイは思ってもいないだろう。
あくまでも弟として愛してくれているだけなのだ、とリュウにはわかっていた。
『リュウがいてくれたから、俺は生きてこられた』と言ってくれたとき、心の底からうれしかったのだ。
お荷物でしかなかった自分が少しは役に立てたのだと。
リュウの方は、物理的にも精神的にも、レイがいたから生きて来られたのだし、これからも一緒に生きていきたいと思っている。
そんな日が来ないことをリュウは祈っていたが、ともに暮らしたいと願う女が現れて、レイが自分を捨てていくまで…。
「一度、きちんと言っておきたかったんだけど、俺を育ててくれてありがとう、レイ。感謝してる」
急に真面目な台詞を吐いたリュウを、どうしたんだ? と言うようにレイはいぶかしげに眺めた。
その無言の問いかけに
「もしも誰か好きな女ができて、今もいるのかもしれないけど…、俺が邪魔になったら遠慮せずに言ってほしい。俺はもう18だし、自分の面倒くらい自分でみられる」
自分でもずるいと思うけど、レイに否定してほしかった。
「なに言ってんの? 俺には好きな女なんていないよ」
「だって、性格は別にしても。そのスタイルでその顔だったら、女にはものすごくもてるだろ。エリスだって、レイのこと10年間も待ってたって…」
「心外だな。性格が悪いって? それにエリスは関係ないって言ってるだろ。俺はね、この世でリュウがいちばん大切なんだよ」
どんな女に向けても吐かれたことのない言葉だったが、それはレイの正直な気持ちだ。
──リュウさえいてくれたら何もいらない。
それに。まだまだ危なっかしくて、リュウをひとりになんてできやしない。
せめて…、おまえが悪夢を見なくなるまでは置いていくなんて絶対にしない。
おまえが自分ひとりで歩み始めるまでは──
そう考えついてレイは少し寂しかった。
リュウが俺から離れていく。でも、子どもはいつか離れていくのだ。
考えてみると、リュウはレイにとって子どものような存在だったのかもしれない。レイがいないと生きていけない、レイしか頼る者がいない小さな子ども。
心から慕って、信頼してくれること。
それがレイにとってどれほど必要だったことか。どれほど癒されたか。
つらい時も、笑い声を聞いて、あどけない寝顔を見ると心が温かくなった。明日も生きていこうと思えた。
リュウから離れられないのはレイの方かもしれなかった。
──危なっかしくは思えるけれど、こいつは、もう立派なおとななのだ。そろそろ子離れしなくちゃならない──
「レイは俺のことを、いつまでたっても子ども扱いだ。士官訓練センターをちゃんと卒業したら、絶対にクリスタル号に乗せてもらう。一人前の仲間として、扱ってもらうからな!」
そうすれば、ずっと一緒にいられるとリュウは心の中で続ける。
「そう? じゃあ、頑張って厳しい訓練に耐えるんだね。こないだみたいな調子じゃ、修了なんておぼつかないんじゃないの」
「レイッ!」
操縦席の隣にかじりついて、悲壮な声を出すレイにリュウは大きくうなずいた。
「士官訓練センターのカプセルで何度もやってるんだ。俺にだって静かな宙域の操縦くらいできる!」
惑星ティンからの帰り道。レイに頼み込んでリュウは操縦席に座らせてもらっていた。
惑星ティンに滞在したのは、わずか一日足らず。夕方に着いたと思ったら、翌日には帰途についていたのだ。
来るのに15時間、帰るのにも同じくらいかかるからそんなことになる。
ティンは惑星ベルンからあまりにも遠い。
なじみの酒場で潰れるまで呑んで、昼前まで死んだように眠っていたリュウを、レイは午後からバザールに連れまわした。
さっさと自分のほしいものを買ってしまったレイとふたりで、リュウはバザールを冷やかして歩いたのだ。
中身がよくわからないようなジャンクフードを食べながら、色とりどりの衣裳が並ぶファッションストリートを歩く。
あまりの数の多さに、リュウにはどれを選んでいいか決められそうにもないのに、レイは、ところどころの店で足を止め、おいでおいでと手招きをした。
「ね、リュウ。これきっと、おまえに似合うよ」
そんな風に値段も気にせずに買い込んだ服や靴、アクセサリーの類がクリスタル号の貨物室にどっさり積み込まれていた。
もちろん、レイはリュウの分だけでなく、自分の分もしっかり買い込んでいたのであるが。
店で眺めていると、どうみても悪趣味に思えたのに、レイが身に付けると気品さえ感じさせるから不思議だった。
操縦席を明け渡した美貌の男の服装はというと、テロッとした素材のパープルのシャツに細身のジーンズ。昔流行ったユーズドとかで最初から穴のあいているパンツを嬉しそうにはいている。
足元は店に入るなり目にとまったとのたまうウエスタン風のブーツ。そして、胸にはシルバーのゴツいクロスが光っている。
イカレたバンドのミュージシャンとして、そのままステージに立てそうな装いだ。
リュウはというと、レイの買ってくれた服を断固拒否して、士官訓練センターのブルーの制服を身に付けていた。どうしても操縦席に座りたかったからだ。
ただし、古くから伝わるお守りだよといいながら買ってくれたレイとおそろいのクロスだけは、制服のジャンプスーツの下に付けている。
「こんなに遠い惑星の酒場へわざわざ連れてきてくれて、ありがと」
リュウがわざとらしく礼を言う。
「それ、もしかして嫌味?」
目をむいたレイに、リュウはにやりと笑ってみせた。
ほんとうは時間を取ってくれただけでもうれしかったのだ。
レイが愉しそうに飲んでいる姿を見ることができてよかったと思っている。
だけど、マスターとのわけのわからない会話。レイに想いを寄せるエリスの存在。
リュウは、レイが知らない人間に思えて、遠くに行ってしまう気がして恐かった。
「そんなことない。ティア・ドロップを飲ませてもらったから」
レイが夢にまでみると言う酒、ティア・ドロップは確かにうまかった。
「そう言ってもらえると、ここまで連れてきた甲斐がある。ブールジュ以外では、絶対、飲めないからね」
「そうらしいね。でも、ほんとは自分が飲みたかっただけ、とか?」
「あっ、俺の思いやりを疑ってるな」
レイが軽くリュウの頭を小突いた。
「あいたっ!」
大げさに痛がるふりをして顔をしかめるリュウを見て、レイは笑い転げている。
マスターやエリザベスは、レイの笑顔が珍しがっていたけれど、自分といるときはいつも笑顔だとリュウは思う。
──もしレイが笑わなかったら、恐くて近寄ることもできない。レイには笑顔が似合う。
いつも天真爛漫に微笑んでいてくれればいい。できるならば、この腕の中で──
「どうしたの。俺の顔をぼーっと見つめて。リュウに惚れられるなんて、男冥利に尽きるけど?」
からかわれてリュウは真っ赤になった。
本気でレイのことを好きだなんて。この腕に抱きたいと思っているなんて。
その笑顔をずっと見ていたいと考えているなんて。きっと、レイは思ってもいないだろう。
あくまでも弟として愛してくれているだけなのだ、とリュウにはわかっていた。
『リュウがいてくれたから、俺は生きてこられた』と言ってくれたとき、心の底からうれしかったのだ。
お荷物でしかなかった自分が少しは役に立てたのだと。
リュウの方は、物理的にも精神的にも、レイがいたから生きて来られたのだし、これからも一緒に生きていきたいと思っている。
そんな日が来ないことをリュウは祈っていたが、ともに暮らしたいと願う女が現れて、レイが自分を捨てていくまで…。
「一度、きちんと言っておきたかったんだけど、俺を育ててくれてありがとう、レイ。感謝してる」
急に真面目な台詞を吐いたリュウを、どうしたんだ? と言うようにレイはいぶかしげに眺めた。
その無言の問いかけに
「もしも誰か好きな女ができて、今もいるのかもしれないけど…、俺が邪魔になったら遠慮せずに言ってほしい。俺はもう18だし、自分の面倒くらい自分でみられる」
自分でもずるいと思うけど、レイに否定してほしかった。
「なに言ってんの? 俺には好きな女なんていないよ」
「だって、性格は別にしても。そのスタイルでその顔だったら、女にはものすごくもてるだろ。エリスだって、レイのこと10年間も待ってたって…」
「心外だな。性格が悪いって? それにエリスは関係ないって言ってるだろ。俺はね、この世でリュウがいちばん大切なんだよ」
どんな女に向けても吐かれたことのない言葉だったが、それはレイの正直な気持ちだ。
──リュウさえいてくれたら何もいらない。
それに。まだまだ危なっかしくて、リュウをひとりになんてできやしない。
せめて…、おまえが悪夢を見なくなるまでは置いていくなんて絶対にしない。
おまえが自分ひとりで歩み始めるまでは──
そう考えついてレイは少し寂しかった。
リュウが俺から離れていく。でも、子どもはいつか離れていくのだ。
考えてみると、リュウはレイにとって子どものような存在だったのかもしれない。レイがいないと生きていけない、レイしか頼る者がいない小さな子ども。
心から慕って、信頼してくれること。
それがレイにとってどれほど必要だったことか。どれほど癒されたか。
つらい時も、笑い声を聞いて、あどけない寝顔を見ると心が温かくなった。明日も生きていこうと思えた。
リュウから離れられないのはレイの方かもしれなかった。
──危なっかしくは思えるけれど、こいつは、もう立派なおとななのだ。そろそろ子離れしなくちゃならない──
「レイは俺のことを、いつまでたっても子ども扱いだ。士官訓練センターをちゃんと卒業したら、絶対にクリスタル号に乗せてもらう。一人前の仲間として、扱ってもらうからな!」
そうすれば、ずっと一緒にいられるとリュウは心の中で続ける。
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