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8 困ったちゃん?
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「ただいま~。レイ、いるんだろ?」
玄関を開ける音と同時にレイの弾んだ声が飛び込んできた。
「おかえり! 元気にしてた?」
レイが近づいてくる。久しぶりに見るまぶしいほどの笑顔。顔を見ただけでリュウの胸はきゅんとなった。
「うん。レイは元気そうだね。俺はもうバテバテ」
「それだけしゃべれれば、大丈夫だよ」と言いながらも、レイはすばやくリュウの顔色を探った。
「疲れてる…」と言いかけて、
ん、リュウの後ろに人影?
「おい、ルーイン。そんなところに突っ立てないであがれよ」
遠慮がちな人影にリュウが声をかけた。
「ルーインくんが、一緒なんだ」
「僕は送ってきただけなんで…」とあがろうとしない相手に、
「別に用はないでしょう? ほかに客も来てるし、多い方が楽しいよ。あがって、ね」
客って誰? リュウが尋ねる前に、キッチンからランディが顔をのぞかせる。
「よおっ! 頑張ってるか?」
磊落なランディの挨拶に、リュウは顔を和ませる。
「せっかく、おいしそうな食い物をいっぱい買ってきたのに、レイがな、おまえが帰ってくるまで待てって。俺はさっきからおあずけくらってるんだ。頼む! 早く席についてくれ」
情けない台詞である。
「そういう訳だから、ルーインくんも早く」
促されて入ったキッチンのテーブルの上に、ずらりとご馳走が並んでいた。
「な、すごいだろ。三人じゃ食いきれないぞって止めたんだけど、レイが手当たり次第に買い込むから。友だちを連れてきてくれて助かったよ」
「ま、俺が作る方がうまいだろうけど、今日は遅くなったから我慢しとくか」
な、ルーインにリュウが同意を求める。
「生意気、言ってる。おまえの好きなもんばっか選んでやったのに。文句言うなら、食わせてやらないよ」
レイが怒ってみせるのに、リュウはペロリと舌を出した。
ルーインにとってレイは、士官訓練センターで見たイメージしかない。ものすごい操縦の腕前を持ち、リュウを叱りとばした厳しい男。あのときには怖ろしくて身が縮んだのだ。
しかし、今夜はそんな厳しさはひとかけらもなく、その人はほんわかしていた。
和やかな雰囲気に、ルーインも肩の力が抜けた。
「俺たちは勝手にやってたけど。ルーインくんは何を飲む?」
ワイングラスをあげて見せながらレイが聞く。
「それなら、僕もワインを少し」
問いかけたレイにきちんと姿勢を正してルーインが答えた。
レイは、そんなに固くならなくてもいいよとか何とか言いながら、ルーインのグラスにお気に入りのワインを注いでやっている。ついでという感じでリュウのグラスにもワインを注ぎながら、
「おまえは酒を飲むとめちゃくちゃだから、あんまり飲むなよ」と。
どっちがと軽口をたたきかけたが、キケロでのことを思い出して言葉を呑む。ここで、いやな雰囲気にはなりたくない。
「それじゃあ、乾杯!」
「いただきます!」
待ってました、というようにランディが料理に箸を伸ばす。つられてリュウも食べだした。
レイはワイングラスを傾けながら、ランディとリュウがむさぼるように食べる様をうれしそうに眺めている。
しばらくして、
「ルーインくん、遠慮しなくていいよ。ま、この二人を見てたら圧倒されて食欲なくすだろうけどね」
「何だよ、それ。俺たちがよっぽど飢えてがっついてるみたいじゃないか」
「だって、ね」
レイがルーインと顔を見合わせてくすくす笑う。
「ま、確かにがっついてるから、文句は言えないぞ」
ようやくひと心地ついた風情の、ランディまでが…。
「早く食わせろ、ってうるさかったランディも落ち着いたようだね」とレイが切り出した。
「ルーインくん。この男はランディ。俺と一緒に働いてる仕事仲間だよ。ランディ。こっちがルーインくん。リュウと同じ士官訓練センターの訓練生だ。優秀だってリュウが言ってる」
簡単な紹介にリュウが説明を付け足した。
「今、トレーニングがきつくて家に帰ってる間がなくてね。ルーインの寮の部屋に居候させてもらってるんだ」
「あっ、そうなんだ。ごめんね、ルーインくん。こんなゴツイのが一緒じゃ、うっとおしくて仕方ないよね。こいつ、迷惑かけてない?」
心配そうに聞くのへ、
「いえ、迷惑だなんて。平日はほとんど寝に帰るだけだし、彼は自分のことは自分でやっています」
「そうだよ。俺は誰かさんと違って、朝も自分で起きるし、掃除だって、洗濯だって得意だからな」
胸を張ってそんなことを言うリュウとうなずくルーインの様子を、レイがおやっという目で見た。
そんな空気を察しもせずにランディが、
「確かに、困ったちゃんはレイの方だもんな。俺が毎回、仕事先のホテルでどれほど苦労してるか知ってるか? 起こすだけでも大変なんだぜ。
それにな、ここ数日、家に帰ってもリュウがいないからつまらないとか、寂しいとか言ってさ。帰ろうとしないレイを家に送り届けるのに、ほんっと苦労したんだぜ」
「もう、ランディ。二人の前で兄貴の威厳がなくなるようなこと言わないでくれる」
レイは顔を赤らめて抗議している。
「ははっ、ここんとこ、さんざんな目に遭わせてもらったから、ちっとは仕返ししとかないとな」
「さんざんな目に遭ったのは、俺も同じなのに」
「いや。あんたのせいだ」とランディが断言する。「ほんと、これからどうするんだ?」
続けての言葉にリュウは急に不安になった。
「何かあったのか?」
「仕事のことだよ。リュウには関係ないから気にしなくていい。ランディったら、せっかく楽しい思いをしてるときに、うっとおしいことを思い出させてくれる。やなヤツだね」
言外にその話は辞めろと言ったのに、ランディは気にした風もない。レイのキツいまなざしもランディには通じないようだ。
こんなおおような男でないと、レイと一緒に仕事などできないのである。
「聞いてくれるか、リュウ」
そう前置きしてから、ランディが話しだした。おおような男でも胸の奥に溜まったものがあったのだろう。
「おまえも知ってるように、2週間あまり仕事を休んだだろ。大変だったんだぜ。依頼はじゃんじゃん入るし、いつレイが戻ってくるかもわからない。丁重にお断りしていたんだが、こう見えても俺たち結構、人気者でな。お得意さまからのラブコールが多くて」
「『阿刀野レイはクーリエを廃業しました』って言ってくれたらよかったのに。そしたら、帰ってすぐに挨拶まわりなんて面倒なことさせられずにすんだし、今日のことだってなかった」とレイがぼやく。
「な、この調子だろ」
ランディが肩をすくめる。
「レイが戻ってきてから、待ってもらっていたクライアントに連絡してさ、俺としては、『迷惑かけました』って、レイに顔出しくらいしてほしかったわけよ」
と正当なことを言う。
「だからっ! おとなしく朝から晩まで、挨拶まわりしただろっ。『クリスタル号をオーバーホールしてきました。来週から動きますので、よろしく』って。愛想よくさ。この2~3日で、俺は一年分の愛想笑いを使い果たしたよ」
レイは不機嫌そうだ。
「あんたが営業を苦手としてるのは俺だって承知してるよ。でもな、普段は冷たい顔で仕事の交渉をする美貌の男が、にこっと笑って『ご迷惑お掛けしました』って言うだけで、クライアントが喜んで仕事をくれるんだから使わない手はないよな。
ま、仕事だけじゃなく、ほかの誘いも多々あったが…。それはそれとして、レイはどう思ったか知らないが、俺はそれなりの成果があったと思ってたんだ。今日までは」
「今日までは? 今日、何かあったのか?」
レイはあさっての方向を向いている。その様子をチラリと見てからランディが口を開く。
「本来なら、挨拶まわりは昨日までのつもりだったんだ。それが、俺たちのいちばんのお得意さんが、今日、来てほしいって言いだしてな。レイはリュウが帰ってくるし、土曜日にまで仕事をしたくないってダダこねてたけど。相手が相手だから俺もセッティングしたわけ。
やめときゃ良かったと今なら思うけど、後悔先に立たずって言うだろ」
リュウもルーインも口を挟まずに話の続きを待っていた。
「お相手はな、『メタル・ラダー社』。知ってるかもしれないが、鉱山業で名を挙げて、今はあらゆる宙域で惑星開発なんかをしてる大手だよ。聞くところによると、開発に必要だからって、機械や武器なんかも開発してるそうだ」
「メタル・ラダー社って言ったら知らない人がいない大企業じゃないですか。そこの仕事を請け負っているんですか?」
すごいという賞賛の混じったルーインの問いに、レイが皮肉な言葉を返す。
「秘密裏に確実に運ばせたい荷がある時だけ、お声がかかる。俺たちは便利に使われていただけだよ。
ギャラはいいけど、危険もいっぱいって仕事が多かった。ランディだって、危ないかどうかチェックしてから受けろってよく言ってたよね」
「お客さまの多い仕事って、メタル・ラダー社のだったのか?」
見上げたリュウに、ランディがうなずいた。
「ほう、メタル・ラダー社と俺たちの関係をちゃんとわかってたんだ。俺たちは体よく使われてただけかもしれない。あんたは運ぶモノの中身に関してはまったく詮索しない。それに頼まれたモノは、言われた場所に、言われた時間内に確実に運ぶ。どんな邪魔もものともせず…。あちらさんにとっては都合良かったんだろうな。しかし、ギャラは破格だったろ。危険な仕事も多かったが、楽な仕事もあった。何も、メタル・ラダー社の仕事を全部、こっちから蹴る必要はなかったんじゃないのか」
文句を吐いていたランディが、俺に向き直って
「今日、メタル・ラダー社の専務と会ったんだ。専務のほかに、惑星開発を率いているチーフも一緒だった。で、レイが見事に仕事をなくしてくれたわけ」
玄関を開ける音と同時にレイの弾んだ声が飛び込んできた。
「おかえり! 元気にしてた?」
レイが近づいてくる。久しぶりに見るまぶしいほどの笑顔。顔を見ただけでリュウの胸はきゅんとなった。
「うん。レイは元気そうだね。俺はもうバテバテ」
「それだけしゃべれれば、大丈夫だよ」と言いながらも、レイはすばやくリュウの顔色を探った。
「疲れてる…」と言いかけて、
ん、リュウの後ろに人影?
「おい、ルーイン。そんなところに突っ立てないであがれよ」
遠慮がちな人影にリュウが声をかけた。
「ルーインくんが、一緒なんだ」
「僕は送ってきただけなんで…」とあがろうとしない相手に、
「別に用はないでしょう? ほかに客も来てるし、多い方が楽しいよ。あがって、ね」
客って誰? リュウが尋ねる前に、キッチンからランディが顔をのぞかせる。
「よおっ! 頑張ってるか?」
磊落なランディの挨拶に、リュウは顔を和ませる。
「せっかく、おいしそうな食い物をいっぱい買ってきたのに、レイがな、おまえが帰ってくるまで待てって。俺はさっきからおあずけくらってるんだ。頼む! 早く席についてくれ」
情けない台詞である。
「そういう訳だから、ルーインくんも早く」
促されて入ったキッチンのテーブルの上に、ずらりとご馳走が並んでいた。
「な、すごいだろ。三人じゃ食いきれないぞって止めたんだけど、レイが手当たり次第に買い込むから。友だちを連れてきてくれて助かったよ」
「ま、俺が作る方がうまいだろうけど、今日は遅くなったから我慢しとくか」
な、ルーインにリュウが同意を求める。
「生意気、言ってる。おまえの好きなもんばっか選んでやったのに。文句言うなら、食わせてやらないよ」
レイが怒ってみせるのに、リュウはペロリと舌を出した。
ルーインにとってレイは、士官訓練センターで見たイメージしかない。ものすごい操縦の腕前を持ち、リュウを叱りとばした厳しい男。あのときには怖ろしくて身が縮んだのだ。
しかし、今夜はそんな厳しさはひとかけらもなく、その人はほんわかしていた。
和やかな雰囲気に、ルーインも肩の力が抜けた。
「俺たちは勝手にやってたけど。ルーインくんは何を飲む?」
ワイングラスをあげて見せながらレイが聞く。
「それなら、僕もワインを少し」
問いかけたレイにきちんと姿勢を正してルーインが答えた。
レイは、そんなに固くならなくてもいいよとか何とか言いながら、ルーインのグラスにお気に入りのワインを注いでやっている。ついでという感じでリュウのグラスにもワインを注ぎながら、
「おまえは酒を飲むとめちゃくちゃだから、あんまり飲むなよ」と。
どっちがと軽口をたたきかけたが、キケロでのことを思い出して言葉を呑む。ここで、いやな雰囲気にはなりたくない。
「それじゃあ、乾杯!」
「いただきます!」
待ってました、というようにランディが料理に箸を伸ばす。つられてリュウも食べだした。
レイはワイングラスを傾けながら、ランディとリュウがむさぼるように食べる様をうれしそうに眺めている。
しばらくして、
「ルーインくん、遠慮しなくていいよ。ま、この二人を見てたら圧倒されて食欲なくすだろうけどね」
「何だよ、それ。俺たちがよっぽど飢えてがっついてるみたいじゃないか」
「だって、ね」
レイがルーインと顔を見合わせてくすくす笑う。
「ま、確かにがっついてるから、文句は言えないぞ」
ようやくひと心地ついた風情の、ランディまでが…。
「早く食わせろ、ってうるさかったランディも落ち着いたようだね」とレイが切り出した。
「ルーインくん。この男はランディ。俺と一緒に働いてる仕事仲間だよ。ランディ。こっちがルーインくん。リュウと同じ士官訓練センターの訓練生だ。優秀だってリュウが言ってる」
簡単な紹介にリュウが説明を付け足した。
「今、トレーニングがきつくて家に帰ってる間がなくてね。ルーインの寮の部屋に居候させてもらってるんだ」
「あっ、そうなんだ。ごめんね、ルーインくん。こんなゴツイのが一緒じゃ、うっとおしくて仕方ないよね。こいつ、迷惑かけてない?」
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「いえ、迷惑だなんて。平日はほとんど寝に帰るだけだし、彼は自分のことは自分でやっています」
「そうだよ。俺は誰かさんと違って、朝も自分で起きるし、掃除だって、洗濯だって得意だからな」
胸を張ってそんなことを言うリュウとうなずくルーインの様子を、レイがおやっという目で見た。
そんな空気を察しもせずにランディが、
「確かに、困ったちゃんはレイの方だもんな。俺が毎回、仕事先のホテルでどれほど苦労してるか知ってるか? 起こすだけでも大変なんだぜ。
それにな、ここ数日、家に帰ってもリュウがいないからつまらないとか、寂しいとか言ってさ。帰ろうとしないレイを家に送り届けるのに、ほんっと苦労したんだぜ」
「もう、ランディ。二人の前で兄貴の威厳がなくなるようなこと言わないでくれる」
レイは顔を赤らめて抗議している。
「ははっ、ここんとこ、さんざんな目に遭わせてもらったから、ちっとは仕返ししとかないとな」
「さんざんな目に遭ったのは、俺も同じなのに」
「いや。あんたのせいだ」とランディが断言する。「ほんと、これからどうするんだ?」
続けての言葉にリュウは急に不安になった。
「何かあったのか?」
「仕事のことだよ。リュウには関係ないから気にしなくていい。ランディったら、せっかく楽しい思いをしてるときに、うっとおしいことを思い出させてくれる。やなヤツだね」
言外にその話は辞めろと言ったのに、ランディは気にした風もない。レイのキツいまなざしもランディには通じないようだ。
こんなおおような男でないと、レイと一緒に仕事などできないのである。
「聞いてくれるか、リュウ」
そう前置きしてから、ランディが話しだした。おおような男でも胸の奥に溜まったものがあったのだろう。
「おまえも知ってるように、2週間あまり仕事を休んだだろ。大変だったんだぜ。依頼はじゃんじゃん入るし、いつレイが戻ってくるかもわからない。丁重にお断りしていたんだが、こう見えても俺たち結構、人気者でな。お得意さまからのラブコールが多くて」
「『阿刀野レイはクーリエを廃業しました』って言ってくれたらよかったのに。そしたら、帰ってすぐに挨拶まわりなんて面倒なことさせられずにすんだし、今日のことだってなかった」とレイがぼやく。
「な、この調子だろ」
ランディが肩をすくめる。
「レイが戻ってきてから、待ってもらっていたクライアントに連絡してさ、俺としては、『迷惑かけました』って、レイに顔出しくらいしてほしかったわけよ」
と正当なことを言う。
「だからっ! おとなしく朝から晩まで、挨拶まわりしただろっ。『クリスタル号をオーバーホールしてきました。来週から動きますので、よろしく』って。愛想よくさ。この2~3日で、俺は一年分の愛想笑いを使い果たしたよ」
レイは不機嫌そうだ。
「あんたが営業を苦手としてるのは俺だって承知してるよ。でもな、普段は冷たい顔で仕事の交渉をする美貌の男が、にこっと笑って『ご迷惑お掛けしました』って言うだけで、クライアントが喜んで仕事をくれるんだから使わない手はないよな。
ま、仕事だけじゃなく、ほかの誘いも多々あったが…。それはそれとして、レイはどう思ったか知らないが、俺はそれなりの成果があったと思ってたんだ。今日までは」
「今日までは? 今日、何かあったのか?」
レイはあさっての方向を向いている。その様子をチラリと見てからランディが口を開く。
「本来なら、挨拶まわりは昨日までのつもりだったんだ。それが、俺たちのいちばんのお得意さんが、今日、来てほしいって言いだしてな。レイはリュウが帰ってくるし、土曜日にまで仕事をしたくないってダダこねてたけど。相手が相手だから俺もセッティングしたわけ。
やめときゃ良かったと今なら思うけど、後悔先に立たずって言うだろ」
リュウもルーインも口を挟まずに話の続きを待っていた。
「お相手はな、『メタル・ラダー社』。知ってるかもしれないが、鉱山業で名を挙げて、今はあらゆる宙域で惑星開発なんかをしてる大手だよ。聞くところによると、開発に必要だからって、機械や武器なんかも開発してるそうだ」
「メタル・ラダー社って言ったら知らない人がいない大企業じゃないですか。そこの仕事を請け負っているんですか?」
すごいという賞賛の混じったルーインの問いに、レイが皮肉な言葉を返す。
「秘密裏に確実に運ばせたい荷がある時だけ、お声がかかる。俺たちは便利に使われていただけだよ。
ギャラはいいけど、危険もいっぱいって仕事が多かった。ランディだって、危ないかどうかチェックしてから受けろってよく言ってたよね」
「お客さまの多い仕事って、メタル・ラダー社のだったのか?」
見上げたリュウに、ランディがうなずいた。
「ほう、メタル・ラダー社と俺たちの関係をちゃんとわかってたんだ。俺たちは体よく使われてただけかもしれない。あんたは運ぶモノの中身に関してはまったく詮索しない。それに頼まれたモノは、言われた場所に、言われた時間内に確実に運ぶ。どんな邪魔もものともせず…。あちらさんにとっては都合良かったんだろうな。しかし、ギャラは破格だったろ。危険な仕事も多かったが、楽な仕事もあった。何も、メタル・ラダー社の仕事を全部、こっちから蹴る必要はなかったんじゃないのか」
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