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第五章
1 スペシャル・クラス
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昼間は暑さが残っているが、朝夕は肌に当たる風が冷たく感じられる。士官訓練センターに入ってから半年が過ぎた、9月も終りの日であった。
呼びつけられて出向いた教官室の窓から入る涼しい風が、長く伸びたリュウの黒髪をなぶる。
「阿刀野、毎日のペナルティーが楽にこなせるようになったようだな」
夏の休暇で1週間の無断欠席をして朝晩のペナルティーを課せられてからもう1カ月半である。目の前にピシッとかかとを合わせて立ったリュウにトンプソン教官が声をかける。
「そうであればいいんですが。少しは体力がつきましたが…、まだキツいです」
週末にレイと一緒にトレーニングをすると、まだまだ自分の力のなさを思い知らされる。
「そうか?」
かなり余裕があるように感じられるが…。スティーブとしてはこのペースでトレーニングを続けさせたいと思っていたが、無断欠席のペナルティーとしてはもう十分すぎる。この辺りで開放してやらなければならない。
「知っているだろうが、10月から新しい訓練段階に入る。それもあってペナルティーは9月いっぱいということにする。根をあげるかと思ったが、よく頑張ったな」
リュウは、思いもよらない褒め言葉をかけられた。
「ありがとうございます」
「ところで」
ここからが本題だと言うように教官が切り出した。
「訓練生の数も減ったし、10月になるとクラス編成が変わる。この機会に、ルーインとおまえを上のクラスに入れようかと思っている…」
「上のクラスに、ですか」
聞き返したリュウに応えもせず教官は話を続ける。
「ルーインはもともと、セントラルの士官学校へ入るだけの力を持っていた。ここへ送られたのは、上官不敬や不服従などが多いから、宇宙軍で指揮系統に入ることができるようにしろということだった。
しかし、最近のルーインは教官の指示に素直に従っているし、仲間を馬鹿にすることもない。士官訓練センターに入ってきた時の不遜な態度はどこへいったのかと思えるほどだ」
リュウはうなずいた。始めの頃のルーインは確かに尊大でいやなやつだった。
やむを得ない事情でルーインの部屋に転がり込んでからも、教官に反抗している姿を見かけたものだ。
教官としてふさわしくないやつ、尊敬できないやつの言うことなど聞けるかという意識が、反抗という形になって現われていた。
それが、あの時を境にまったく従順になってしまったのだ。
レイと一緒に食事をしていたとき、なにかのついでにルーインが教官にとった失礼な態度の話が出た。
「へえ~。俺がどんな無茶やらせても文句を言ったことないのにね。だめだよ、教えてもらってる立場で口応えなんて」
さらりとレイが言ったのだ。
リュウはレイがルーインに無茶なトレーニングをやらせているのがわかっているんだなと思っただけだったが、ルーインは「はい」と応えてうつむいた。
いやってほどしごかれているのに、レイに会えるのを心待ちにしているルーインである。レイの言うことは、たとえレイが見ていないときでも、ひとこと残らず忠実に守っている。
「リュウと同じでキミも子どもだね。そんなことじゃ、伸びないよ。教官の指示は俺の指示だと思って、つまらないことでも素直に聞きなさい。それがキミのためだ」
以来、ルーインは教官に逆らわなくなった。
ルーインがどれほどレイの言葉を忠実に守っているか、どれほどレイのことを尊敬しているかがわかるというもの。
「彼にしては不得意だった銃の腕が驚くほどあがったし、精神的にも強くなった。もう少し鍛えたら、俺は胸を張ってルーインをセントラルに送れると思っている。
それでだ、阿刀野。おまえのことだが…。もし、この先セントラルの士官学校へ進む気があるなら、ルーインと一緒に上級クラスに組み入れようと思う。本来は2年の秋から始まるクラスだ。それも、士官学校へ進む可能性のある選りすぐりのものばかりを集めたスペシャル・クラスになる。どうだ?」
どうだと聞かれても、リュウには簡単には応えられなかった。
士官訓練センターを卒業したらクリスタル号に乗るつもりなのだ。宇宙軍士官になるつもりはない。セントラルの士官学校へ行くつもりも。
そんなとまどいを感じとったのか、
「もちろん、セントラルの士官学校へ行けるのは、スペシャル・クラスで実力を認められたものだけだから、全員が進める保証はないがな。力のあるものばかりのクラス編成だから、自分を鍛えるいいチャンスだぞ」と教官が畳みかけた。
「ルーインはどう言っているんですか」と聞くと、「ひとはひとだろっ。自分のことは自分で決めろ!」と怒鳴られた。
普通の訓練生なら喜んで飛びつく話であるのだろう。だが、リュウには迷惑なことでしかなかった。そんな思いが顔に出ていたか。それとも、その煮え切らない態度が教官には腹立たしかったのかもしれない。
「ルーインは最初からセントラルへ行くつもりだ。文句はないだろう。しかし、おまえは違う。だからおまえの意志を聞いている。その気がないなら、無理にとは言わん」
「あの…、2年次に編入ということは、そのクラスに入ったら士官訓練センターを1年で修了できるということですか?」
「そういう事になるな。しかも、それなりの成績を残せば士官学校への道が拓ける」
1年で修了できるのはうれしい。うまくいけば、あと半年でレイと一緒に働ける。
「そのクラスに入って実力を認められたら、士官学校へ行かないといけないんですか?」
「いや、それはおまえの自由だ。宇宙軍へ入るかどうかもな」
スティーブはそう応えたが…。
これまで、スペシャル・クラスから推されて士官学校に進まなかったものはいないのである。スペシャル・クラスは士官訓練センターでの2年目の一コースであるだけでなく、スペシャルの名前通り、士官学校への予備選抜を兼ねた特別クラスであったから。
スペシャル・クラスの訓練生たちは、軍基地の兵士たちを束ねて教練したり、軍事演習を行ったりせねばならない。時には実際に艦隊に組み込まれて宇宙軍の任務につくことさえある。士官予備訓練生で居ながら士官としての第一歩を踏み出すことになるのである。
ただし、束ねなければいけないものの中には、経験も力もある宇宙軍下士官や兵士たちも含まれている。士官訓練センターに所属するただの訓練生に、そう簡単に束ねられるわけがない。
本来なら、ここを修了して軍基地や艦隊に配属されてから味わう苦労を、ひと足先に経験するはめになる。自分たちの訓練もこなしながらであるから、肉体的にも精神的にもかなりハードであった。
まあ、それくらいのことができないと、セントラルで通用しないのではあるが。
肉体的にも精神的にも強く、その試練を乗り超える力のあるものが、宇宙軍でトップクラスを目指せるものが、民間企業で働きたいなどと。本来ならば能力の無駄遣いもいいところだ。
スティーブは、リュウが兄と一緒に働きたいと思っているのを知っている。リュウの兄を見ているだけに、人を惹き付けてやまない魅力を知っているだけに、その思いが本気だとわかっていた。
それでも、スティーブはリュウを宇宙軍に入れたいと思っていたのだ。
「士官学校へ進むかどうかは、その時になって決めればいい。士官訓練センターの中でもトップクラスの男たちと一緒にトレーニングするのは、価値があると思うぞ」
リュウはしばらく迷ったすえに、返答した。
「はい。それなら、スペシャル・クラスに入れてください」
教官の顔がほころんだ、ようだった。
「大丈夫だろうとは思うが…、トレーニングや教練が辛いと根を上げるなよ。1年飛ばしで編入させるんだ、おまえたちが使い物にならなければ、俺の判断が疑われるからな。ルーインにもそう伝えておいてくれ」
教官は穏やかな声で告げたが、その目は少しも笑っていなかった。
呼びつけられて出向いた教官室の窓から入る涼しい風が、長く伸びたリュウの黒髪をなぶる。
「阿刀野、毎日のペナルティーが楽にこなせるようになったようだな」
夏の休暇で1週間の無断欠席をして朝晩のペナルティーを課せられてからもう1カ月半である。目の前にピシッとかかとを合わせて立ったリュウにトンプソン教官が声をかける。
「そうであればいいんですが。少しは体力がつきましたが…、まだキツいです」
週末にレイと一緒にトレーニングをすると、まだまだ自分の力のなさを思い知らされる。
「そうか?」
かなり余裕があるように感じられるが…。スティーブとしてはこのペースでトレーニングを続けさせたいと思っていたが、無断欠席のペナルティーとしてはもう十分すぎる。この辺りで開放してやらなければならない。
「知っているだろうが、10月から新しい訓練段階に入る。それもあってペナルティーは9月いっぱいということにする。根をあげるかと思ったが、よく頑張ったな」
リュウは、思いもよらない褒め言葉をかけられた。
「ありがとうございます」
「ところで」
ここからが本題だと言うように教官が切り出した。
「訓練生の数も減ったし、10月になるとクラス編成が変わる。この機会に、ルーインとおまえを上のクラスに入れようかと思っている…」
「上のクラスに、ですか」
聞き返したリュウに応えもせず教官は話を続ける。
「ルーインはもともと、セントラルの士官学校へ入るだけの力を持っていた。ここへ送られたのは、上官不敬や不服従などが多いから、宇宙軍で指揮系統に入ることができるようにしろということだった。
しかし、最近のルーインは教官の指示に素直に従っているし、仲間を馬鹿にすることもない。士官訓練センターに入ってきた時の不遜な態度はどこへいったのかと思えるほどだ」
リュウはうなずいた。始めの頃のルーインは確かに尊大でいやなやつだった。
やむを得ない事情でルーインの部屋に転がり込んでからも、教官に反抗している姿を見かけたものだ。
教官としてふさわしくないやつ、尊敬できないやつの言うことなど聞けるかという意識が、反抗という形になって現われていた。
それが、あの時を境にまったく従順になってしまったのだ。
レイと一緒に食事をしていたとき、なにかのついでにルーインが教官にとった失礼な態度の話が出た。
「へえ~。俺がどんな無茶やらせても文句を言ったことないのにね。だめだよ、教えてもらってる立場で口応えなんて」
さらりとレイが言ったのだ。
リュウはレイがルーインに無茶なトレーニングをやらせているのがわかっているんだなと思っただけだったが、ルーインは「はい」と応えてうつむいた。
いやってほどしごかれているのに、レイに会えるのを心待ちにしているルーインである。レイの言うことは、たとえレイが見ていないときでも、ひとこと残らず忠実に守っている。
「リュウと同じでキミも子どもだね。そんなことじゃ、伸びないよ。教官の指示は俺の指示だと思って、つまらないことでも素直に聞きなさい。それがキミのためだ」
以来、ルーインは教官に逆らわなくなった。
ルーインがどれほどレイの言葉を忠実に守っているか、どれほどレイのことを尊敬しているかがわかるというもの。
「彼にしては不得意だった銃の腕が驚くほどあがったし、精神的にも強くなった。もう少し鍛えたら、俺は胸を張ってルーインをセントラルに送れると思っている。
それでだ、阿刀野。おまえのことだが…。もし、この先セントラルの士官学校へ進む気があるなら、ルーインと一緒に上級クラスに組み入れようと思う。本来は2年の秋から始まるクラスだ。それも、士官学校へ進む可能性のある選りすぐりのものばかりを集めたスペシャル・クラスになる。どうだ?」
どうだと聞かれても、リュウには簡単には応えられなかった。
士官訓練センターを卒業したらクリスタル号に乗るつもりなのだ。宇宙軍士官になるつもりはない。セントラルの士官学校へ行くつもりも。
そんなとまどいを感じとったのか、
「もちろん、セントラルの士官学校へ行けるのは、スペシャル・クラスで実力を認められたものだけだから、全員が進める保証はないがな。力のあるものばかりのクラス編成だから、自分を鍛えるいいチャンスだぞ」と教官が畳みかけた。
「ルーインはどう言っているんですか」と聞くと、「ひとはひとだろっ。自分のことは自分で決めろ!」と怒鳴られた。
普通の訓練生なら喜んで飛びつく話であるのだろう。だが、リュウには迷惑なことでしかなかった。そんな思いが顔に出ていたか。それとも、その煮え切らない態度が教官には腹立たしかったのかもしれない。
「ルーインは最初からセントラルへ行くつもりだ。文句はないだろう。しかし、おまえは違う。だからおまえの意志を聞いている。その気がないなら、無理にとは言わん」
「あの…、2年次に編入ということは、そのクラスに入ったら士官訓練センターを1年で修了できるということですか?」
「そういう事になるな。しかも、それなりの成績を残せば士官学校への道が拓ける」
1年で修了できるのはうれしい。うまくいけば、あと半年でレイと一緒に働ける。
「そのクラスに入って実力を認められたら、士官学校へ行かないといけないんですか?」
「いや、それはおまえの自由だ。宇宙軍へ入るかどうかもな」
スティーブはそう応えたが…。
これまで、スペシャル・クラスから推されて士官学校に進まなかったものはいないのである。スペシャル・クラスは士官訓練センターでの2年目の一コースであるだけでなく、スペシャルの名前通り、士官学校への予備選抜を兼ねた特別クラスであったから。
スペシャル・クラスの訓練生たちは、軍基地の兵士たちを束ねて教練したり、軍事演習を行ったりせねばならない。時には実際に艦隊に組み込まれて宇宙軍の任務につくことさえある。士官予備訓練生で居ながら士官としての第一歩を踏み出すことになるのである。
ただし、束ねなければいけないものの中には、経験も力もある宇宙軍下士官や兵士たちも含まれている。士官訓練センターに所属するただの訓練生に、そう簡単に束ねられるわけがない。
本来なら、ここを修了して軍基地や艦隊に配属されてから味わう苦労を、ひと足先に経験するはめになる。自分たちの訓練もこなしながらであるから、肉体的にも精神的にもかなりハードであった。
まあ、それくらいのことができないと、セントラルで通用しないのではあるが。
肉体的にも精神的にも強く、その試練を乗り超える力のあるものが、宇宙軍でトップクラスを目指せるものが、民間企業で働きたいなどと。本来ならば能力の無駄遣いもいいところだ。
スティーブは、リュウが兄と一緒に働きたいと思っているのを知っている。リュウの兄を見ているだけに、人を惹き付けてやまない魅力を知っているだけに、その思いが本気だとわかっていた。
それでも、スティーブはリュウを宇宙軍に入れたいと思っていたのだ。
「士官学校へ進むかどうかは、その時になって決めればいい。士官訓練センターの中でもトップクラスの男たちと一緒にトレーニングするのは、価値があると思うぞ」
リュウはしばらく迷ったすえに、返答した。
「はい。それなら、スペシャル・クラスに入れてください」
教官の顔がほころんだ、ようだった。
「大丈夫だろうとは思うが…、トレーニングや教練が辛いと根を上げるなよ。1年飛ばしで編入させるんだ、おまえたちが使い物にならなければ、俺の判断が疑われるからな。ルーインにもそう伝えておいてくれ」
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