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12 特殊部隊隊長
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「おまえが宇宙軍に手間をかけさせるなんて、珍しいなアーシャ」
高貴な雰囲気を身にまとう、きれいな顔立ちのアレクセイ・ミハイル・ザハロフが肩をすくめた。この男は、何気ない仕草さえ洗練されているとゲイリーは思う。
「おまえの狙いは阿刀野リュウなのか。阿刀野リュウとコスモ・サンダーにどんな関係があるんだ?」
どういう偶然なのか、プリンスが阿刀野たちを助け、その神業ともいえる腕がクローズアップされた。あれはマズかった。ゲイリーが阿刀野に関心を持ってしまった。ただ、阿刀野たちを助けた男がプリンスだと気づいていないのが不幸中の幸い。
宇宙軍にいる誰にも阿刀野とプリンスの関係を知られたくない。プリンスが生きていることも。密かに捕えようとしていることも。
「演習中の単なる事故だ。キミにも迷惑をかけた。もう、手を引いてくれていい。チェイス少佐」
これ以上関わらないでくれ。ミハイルの本音である。
そうでなくても、プリンスと対峙したときに(そんな機会があればだが)、阿刀野リュウを死の淵まで連れて行ったと知られたなら間違いなく絞め殺される。
もっと慎重にならなくては。
「ふっ。相変わらず、堅苦しいやつだな。なにがチェイス少佐だ。ゲイリーと呼べよ。それに、手を引けだと。ここまで関わらせておいて、今さらだぜ。しかし、もうコスモ・サンダーでのおまえの仕事は終わったんじゃないのか」
「ゲイリー! 誰が聞いているかわからない。口に出すな!」
チェイス少佐はミハイルの言葉など気にする風もなく続ける。
「この部屋には盗聴マイクなどない。まあ、ここまで関わったんだ。総督が死んで、本格的にコスモ・サンダーが分裂するまで見守りたいというおまえの気持ちもわからないではないが、長すぎる。プリンスがいなくなってから、どれだけ経ったと思ってるんだ。いい加減、戻ってこいよ」
そろそろ、おまえを庇うのも限界だぞ、とゲイリーが言う。プリンスが、おまえがコスモ・サンダーにこだわる理由だったんだろう? それなら、なぜだ。
「俺の協力がなければ士官訓練センターの教官になれないから、独断専行のおまえが相談してくれたってことはわかってるさ。だが、今度の件では、おまえが考えていることがわからない。ルーイン・アドラーが狙いかと思ったが、候補としては、阿刀野リュウも捨てがたい。
しかし、どちらにしても、おまえが特殊部隊の隊員をリクルートすることなどありはしないだろうしな」
沈黙を守るミハイルにゲイリーは肩をすくめる。
「俺はおまえの言いなりだ。何でも言いつけてくれ。とことん協力するぜ」
「ありがとう。もう、手を引いてくれ」
ゲイリーは眉をひそめる。
「何も聞かないが、忘れるなよ。特殊部隊を動かしているのは今でもおまえだ。それを肝に銘じて、早く帰ってきてくれ」
なあ、アーシャ。
特殊部隊いちシャープなおまえがコスモ・サンダーにかかりきって何年になるんだ。コスモ・サンダーの組織は昔に比べて脆弱になった。もう、おまえが自ら潜入するほどのことはないだろう。
総督代理は海賊たちをまとめあげようと必死だが、分裂は免れないとゲイリーは思う。分裂してしまえば、一つひとつの海賊組織を潰すのは難しくない。
「おまえには本来の仕事をしてもらいたい。自分に代わって、特殊部隊を仕切る仕事を。俺は実行部隊の方が向いているからな」
ミハイルが憧れてやまない男。すべてに秀でたミハイルが、とても太刀打ちできないと認めた男。その男はもういないんだろう?
「ああ、決着が着いたらな」
ミハイルは気がなさそうに約束した。
ゲイリーはふうとため息をついた。
「おまえの狙いが何かは聞かないが、あの阿刀野リュウという若者だが。なかなかの男だな。特殊部隊に向いていると思わないか。おまえの後を継いで、海賊を担当させるとか」
戯れじみた、そのくせ鋭い指摘に、ミハイルはやはりゲイリーは侮れないと思う。
「阿刀野リュウ? あの男をタスクフォースにほしいのか? そこそこの力はあるだろうが、おまえがほしがるほどじゃないぞ」
「ほう、厳しい採点だな。俺は危機における決断力と部下に対する責任感はたいしたものだと思うぜ。俺の下で、実行部隊の部隊長にしたいもんだ」
ミハイルは首を捻る。
「何だ? 阿刀野リュウが嫌いなのか。おまえは昔から、好き嫌いが激しいからな」
ミハイルの頬が紅潮した。
「僕が阿刀野リュウを嫌っている?」
「そうじゃないのか?」
ミハイルは、ボイスレコーダーから流れるあの人のやさしい声が自分に向けられたものだったらと思った。そして、あの人の提案に何の躊躇もなく部下たちの命を預けた阿刀野リュウに、2人の信頼の深さを感じた。
ミハイルの顔が酷薄に歪んだ。
もうすぐ、阿刀野リュウは永久にあの人を失うことになる。そして、この僕も。
「おまえが阿刀野リュウをほしいなら、リクルートすればいいじゃないか。好きに鍛えて、タスクフォースで使えばいい。僕は関係ない。ところで、阿刀野リュウの処遇は決まったのか?」
「処遇か。上はどうするんだろうな。ミスを犯して宇宙船を破損させたんだから、手放しで誉めるわけにもいかないだろう。俺はアーシャ、おまえが関わってると睨んでいるが。ほかのものは、なぜあんな事態に陥ったんだと不思議に思っている。もしかしたら、どこかでミスがあったんじゃないかってな。ところで、痕跡は残ってないだろうな」
何かあったのなら、それはミハイルが仕組んだことだとゲイリーは見抜いていた。騙し通すことはできないだろう。
「ああ、そこまでヘマはしない」
「なら、いいが。阿刀野リュウは本来なら誉められるべきだが…、今回は訓告程度でお咎めなしってとこだろう。スペシャル・クラスに突き返されるさ。で、どうするんだ?」
「……なにを?」
「阿刀野への処罰だよ。おまえの受け持ちだろう、キツいこと考えてるんじゃないのか」
「いや~、軽く叱っておくよ」
「軽く叱るか! 俺はおまえの生徒にだけはなりたくないね。どんなにうまく演習をこなしても、誉められもせず逆に叱責されかねない。自信をなくしちまうぜ」
ゲイリーは両手を小さく挙げて、お手上げのジェスチャーをした。
そんなくらいで阿刀野リュウは自信をなくしたりしない。落ち込んだりしない。僕よりずっと厳しい人に育てられたんだから。
僕の叱責は、阿刀野の心に響くのだろうか。自信がないとミハイルは思った。
高貴な雰囲気を身にまとう、きれいな顔立ちのアレクセイ・ミハイル・ザハロフが肩をすくめた。この男は、何気ない仕草さえ洗練されているとゲイリーは思う。
「おまえの狙いは阿刀野リュウなのか。阿刀野リュウとコスモ・サンダーにどんな関係があるんだ?」
どういう偶然なのか、プリンスが阿刀野たちを助け、その神業ともいえる腕がクローズアップされた。あれはマズかった。ゲイリーが阿刀野に関心を持ってしまった。ただ、阿刀野たちを助けた男がプリンスだと気づいていないのが不幸中の幸い。
宇宙軍にいる誰にも阿刀野とプリンスの関係を知られたくない。プリンスが生きていることも。密かに捕えようとしていることも。
「演習中の単なる事故だ。キミにも迷惑をかけた。もう、手を引いてくれていい。チェイス少佐」
これ以上関わらないでくれ。ミハイルの本音である。
そうでなくても、プリンスと対峙したときに(そんな機会があればだが)、阿刀野リュウを死の淵まで連れて行ったと知られたなら間違いなく絞め殺される。
もっと慎重にならなくては。
「ふっ。相変わらず、堅苦しいやつだな。なにがチェイス少佐だ。ゲイリーと呼べよ。それに、手を引けだと。ここまで関わらせておいて、今さらだぜ。しかし、もうコスモ・サンダーでのおまえの仕事は終わったんじゃないのか」
「ゲイリー! 誰が聞いているかわからない。口に出すな!」
チェイス少佐はミハイルの言葉など気にする風もなく続ける。
「この部屋には盗聴マイクなどない。まあ、ここまで関わったんだ。総督が死んで、本格的にコスモ・サンダーが分裂するまで見守りたいというおまえの気持ちもわからないではないが、長すぎる。プリンスがいなくなってから、どれだけ経ったと思ってるんだ。いい加減、戻ってこいよ」
そろそろ、おまえを庇うのも限界だぞ、とゲイリーが言う。プリンスが、おまえがコスモ・サンダーにこだわる理由だったんだろう? それなら、なぜだ。
「俺の協力がなければ士官訓練センターの教官になれないから、独断専行のおまえが相談してくれたってことはわかってるさ。だが、今度の件では、おまえが考えていることがわからない。ルーイン・アドラーが狙いかと思ったが、候補としては、阿刀野リュウも捨てがたい。
しかし、どちらにしても、おまえが特殊部隊の隊員をリクルートすることなどありはしないだろうしな」
沈黙を守るミハイルにゲイリーは肩をすくめる。
「俺はおまえの言いなりだ。何でも言いつけてくれ。とことん協力するぜ」
「ありがとう。もう、手を引いてくれ」
ゲイリーは眉をひそめる。
「何も聞かないが、忘れるなよ。特殊部隊を動かしているのは今でもおまえだ。それを肝に銘じて、早く帰ってきてくれ」
なあ、アーシャ。
特殊部隊いちシャープなおまえがコスモ・サンダーにかかりきって何年になるんだ。コスモ・サンダーの組織は昔に比べて脆弱になった。もう、おまえが自ら潜入するほどのことはないだろう。
総督代理は海賊たちをまとめあげようと必死だが、分裂は免れないとゲイリーは思う。分裂してしまえば、一つひとつの海賊組織を潰すのは難しくない。
「おまえには本来の仕事をしてもらいたい。自分に代わって、特殊部隊を仕切る仕事を。俺は実行部隊の方が向いているからな」
ミハイルが憧れてやまない男。すべてに秀でたミハイルが、とても太刀打ちできないと認めた男。その男はもういないんだろう?
「ああ、決着が着いたらな」
ミハイルは気がなさそうに約束した。
ゲイリーはふうとため息をついた。
「おまえの狙いが何かは聞かないが、あの阿刀野リュウという若者だが。なかなかの男だな。特殊部隊に向いていると思わないか。おまえの後を継いで、海賊を担当させるとか」
戯れじみた、そのくせ鋭い指摘に、ミハイルはやはりゲイリーは侮れないと思う。
「阿刀野リュウ? あの男をタスクフォースにほしいのか? そこそこの力はあるだろうが、おまえがほしがるほどじゃないぞ」
「ほう、厳しい採点だな。俺は危機における決断力と部下に対する責任感はたいしたものだと思うぜ。俺の下で、実行部隊の部隊長にしたいもんだ」
ミハイルは首を捻る。
「何だ? 阿刀野リュウが嫌いなのか。おまえは昔から、好き嫌いが激しいからな」
ミハイルの頬が紅潮した。
「僕が阿刀野リュウを嫌っている?」
「そうじゃないのか?」
ミハイルは、ボイスレコーダーから流れるあの人のやさしい声が自分に向けられたものだったらと思った。そして、あの人の提案に何の躊躇もなく部下たちの命を預けた阿刀野リュウに、2人の信頼の深さを感じた。
ミハイルの顔が酷薄に歪んだ。
もうすぐ、阿刀野リュウは永久にあの人を失うことになる。そして、この僕も。
「おまえが阿刀野リュウをほしいなら、リクルートすればいいじゃないか。好きに鍛えて、タスクフォースで使えばいい。僕は関係ない。ところで、阿刀野リュウの処遇は決まったのか?」
「処遇か。上はどうするんだろうな。ミスを犯して宇宙船を破損させたんだから、手放しで誉めるわけにもいかないだろう。俺はアーシャ、おまえが関わってると睨んでいるが。ほかのものは、なぜあんな事態に陥ったんだと不思議に思っている。もしかしたら、どこかでミスがあったんじゃないかってな。ところで、痕跡は残ってないだろうな」
何かあったのなら、それはミハイルが仕組んだことだとゲイリーは見抜いていた。騙し通すことはできないだろう。
「ああ、そこまでヘマはしない」
「なら、いいが。阿刀野リュウは本来なら誉められるべきだが…、今回は訓告程度でお咎めなしってとこだろう。スペシャル・クラスに突き返されるさ。で、どうするんだ?」
「……なにを?」
「阿刀野への処罰だよ。おまえの受け持ちだろう、キツいこと考えてるんじゃないのか」
「いや~、軽く叱っておくよ」
「軽く叱るか! 俺はおまえの生徒にだけはなりたくないね。どんなにうまく演習をこなしても、誉められもせず逆に叱責されかねない。自信をなくしちまうぜ」
ゲイリーは両手を小さく挙げて、お手上げのジェスチャーをした。
そんなくらいで阿刀野リュウは自信をなくしたりしない。落ち込んだりしない。僕よりずっと厳しい人に育てられたんだから。
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