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第1章 森の子ネコーお船へ行く
第16話 しょんぼり子ネコー
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朝ごはんの終わりは、お別れの時間の始まりだった。
ネコーのみんなのところへ挨拶に行くぞー、と長老が立ち上がると、人間たちも立ち上がった。みんな、これからお仕事へ行くのだ。センリ、ニコル、タニアの魔法使い組は、青猫号の中でお仕事をするけれど、ミルゥさんはお外へ出かけてしまうのだという。
青猫号は壊れてしまっていて、今はもうお空を飛ぶことは出来ない。でも、青猫号の中には、お空を飛べる小さなお船が何隻かあって、ミルゥはそれに乗って、遠くへお仕事をしに行くのだ。
「ミルゥしゃんは、ろんなおしごちょを、しちぇいるの?」
「依頼を受けて、んーと、そう! 困っている人を、助けに行くお仕事なんだ!」
和室の外へと向かいながら、にゃんごろーが尋ねると、ミルゥは笑顔で答えてくれた。
お日様みたいな笑顔。トマトみたいな笑顔。にゃんごろーが大好きな笑顔だ。
お仕事の内容を聞いて、にゃんごろーはミルゥのことが、もっと好きになった。
昨日、森でにゃんごろーを助けてくれたみたいに、世界のどこかで困っている人たちを助けに行くのが、ミルゥのお仕事なのだ。とても、素敵なお仕事だと思った。
にゃんごろーは、憧れの眼差しで、ミルゥを見上げた。
毛先がクルッとしている短めの赤毛がよく似合っている。
にゃんごろーが大好きな、トマトのお色。
にゃんごろーが大好きになった、イチゴジャムのお色。
「しょれは、しゅてきなおしごとらね! うん。たいしぇつなおしごとらちょおみょう」
「でしょ! 行ってくるね、にゃんごろー」
「うん! いっちぇらっしゃい!」
お仕事の時間が迫っているらしく、ミルゥは弾ける笑顔で手を振ると、通路の向こうへ駆けていった。にゃんごろーも、大きく手を振りながら、笑顔でその背中を見送る。
その背中が、通路の向こうに見えなくなると、途端に寂しくなった。
胸とお腹にぽっかりと大きな穴が開いて、リング状になった子ネコーの体の真ん中を、冷たくて乾いた風がひゅるひゅると通り抜けていくような、そんな感じがした。
追いかけていきたい気持ちを、必死で堪えた。だって、ミルゥは、これから困っている誰かを助けるための大事なお仕事をしに行くのだ。邪魔をしてはいけない。
にゃんごろーの頭の上で、長老と何やらお話をしていた青猫号に残る魔法使い組も、「またな」、「またね」と手を振って、ミルゥとは反対の方へ去っていく。
にゃんごろーも慌てて、「まちゃね!」と手を振り返した。
一気に人が少なくなって、急に静かになってしまった。人数が減ったせいもあるけれど、明るくて元気なミルゥがいなくなったのが一番の理由だと、にゃんごろーは感じた。
お外と違って、青猫号の中には風なんて吹いていないはずなのに、冷たい風が、穴の開いた体の中を吹き抜けて止まらない。
これでお別れなのかと思うと、寂しくてたまらなかった。
何も、今生の別れというわけではない、ということは分かっている。それでも、にゃんごろーには、ひとりで気軽に青猫号へ遊びに行くなんてことは出来そうもない。ちょっとまだ、ハードルが高い。ならば、長老が青猫号に行くときに、一緒に連れて行ってもらえばいいのだが、それだって、そうしょっちゅうあるわけではない。
せっかく仲良くなったのに、簡単には会えないのだと思うと、悲しくなった。
でも、冷たい風の理由は、それだけではなかった。
にゃんごろーは、みんなとお別れすることに、こんなに胸がつぶれそうな思いをしているのに、みんなのお別れの言葉は、あっさりしすぎていた気がするのだ。
朝、森へ狩りに行くネコーたちと出会った時に交わすような、あっさりとした別れ。夕方にはまた会えると分かっているからこその、未練とは無縁のお別れ。毎日繰り返される、日常の中のお別れ。
それくらいの、軽い感じのお別れだった。
ミルゥを含め、お仕事に向かった人たちは、誰も、にゃんごろーたちとの別れを惜しんでいるようではなかった。
にゃんごろーは、みんなと別れてこんなに寂しくて悲しいのに、みんなは、にゃんごろーとお別れしても平気なのだろうか?
――――そう思うと、胸の奥の方がきゅっとなった。
うっかり泣きそうな子ネコーの頭の上に、長老のお手々がぽふっと載って、もふもふとかき混ぜる。
「さて、長老たちも、行くとしようかの」
長老はそう言うと、先頭に立って歩き出した。青猫号の外へ向かっているのだ。ミルゥが消えていったのと、同じ方向だった。長老の後に、ルシアが続いた。ふたりとも、青猫号には何の未練もないようだ。あっさりさっぱりとした足取りだった。萎れながら、にゃんごろーもトボトボと歩き出す。にゃんごろーの後ろから、じーじたちもついてきた。一緒にネコーたちをお見送りするためだ。
(つぎは、いちゅ、あえるのかにゃぁ?)
ミルゥの笑顔を思いうかべる度、にゃんごろーの小さくてモフモフな胸の奥は、キュキュッとなった。目の中が熱くなってきて、鼻の奥がツンとしてくる。にゃんごろーは、ぎゅっと目を閉じて、それらをまとめて飲み込んだ。
だって、みんな、お別れの言葉は口にしなかった。
きっと、それは。
また、すぐに会えるということだ。
そう自分に言い聞かせる。
そう自分に言い聞かせないと、本当に泣いてしまいそうだった。
そう自分に言い聞かせながら、寂しいのを、必死で飲み込んだ。
本当は、もっと青猫号に居たかった。夕方、お仕事から帰ってきたミルゥに、「おかえりなさい」を言いたかった。もっと、みんなと仲良くなりたかった。
でも、そういう気持ちもぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ。
ぜんぶ、こみ上げてきた熱いものと一緒に、飲み込んだ。
ミルゥたちがお仕事を頑張るように、にゃんごろーもお手伝いを頑張ろうと健気に決意した。
だって、そうだ。
今回は、お船へ遊びに来たわけではないのだ。ネコーの住処で大変なことが起こったから、避難しに来ただけなのだ。
発明ネコー、ルシアの失敗により起こった恐ろしい火柱は、長老やセンリたち消火班のおかげで消し止めることが出来た。けれど、火を止めようとして、焦って魔法を失敗してしまったルシアのせいで、住処には変な臭いが充満してしまっている。一晩経っても、その臭いが消えずに、まだ残っていれば、それをなんとかしなくてはならない。それに、駄目になってしまったルシアの工房兼倉庫兼家も、早急に建て直さねばならない。
ルシアの工房には、にゃんごろーも思い入れがある。工房は、療養中のにゃしろーとの思い出の場所であり、約束の場所でもあるのだ。だから、にゃんごろーも再建のためのお手伝いがしたかった。
それに、とにゃんごろーは長老を見上げた。長老には、長老としてやらなければいけない仕事がたくさんあるはずだった。お船でのんびりしていないで、早く住処に戻って、いろいろ頑張らねばならないのだ。
今さらのように、そのことに思い至った。
青猫号には、また連れて来てもらえばいい。そのためにも、今は、お手伝いを頑張ろう。
――――そんな風に、自分を奮い立たせて、名残惜しさを振り払おうとするにゃんごろーだったけれど、お耳はしおしおのままだった。
だって、寂しいものは寂しいのだ。
次に会えるのは、いつだろう?
その時まで、みんなはにゃんごろーのことを、ちゃんと覚えていてくれるのだろうか?
忘れられちゃったら、どうしよう?
そう考えると、飲み込んだはずの涙があふれてきそうになる。
お手伝いを頑張ろうという気持ちは、もちろんある。それでもやっぱり、せっかく仲良くなったお船のみんな、とりわけトマトの女神様であるミルゥと別れるのが辛かった。
美味しいごはんとの別れよりも、今はミルゥとの別れの方が辛かった。朝ごはんを食べたばかりで、お腹がいっぱいだからかもしれない。けれど、今この瞬間。にゃんごろーの中で、確かに、食い意地よりもトマトの女神様の方が勝っていた。
ミルゥの笑顔を思い浮かべて、にゃんごろーはグスンと鼻をすすり上げ、俯いた。
その一方で。
落ち込むにゃんごろーの気配を背中で感じながら、長老はずっと笑いを堪えていた。
にゃんごろーたちについてきた、お船のお年より三人衆は、その様子を見て、呆れた苦笑いを浮かべている。
ルシアは、新しい工房のことで頭がいっぱいで、同行者たちの様子など目に入っていないようだ。目には入っていなかったが、長老の企みのことは、昨日の内に知らされていた。
しょんぼり子ネコーとは裏腹に、長老はワクワクと全身の毛を膨らませている。元気のない子ネコーの尻尾とは反対に、長老の真っ白くてふわふわの尻尾は、通路を歩くたびにもっふぁもっふぁと楽しそうに揺れている。長毛の一本一本にまで、喜びがみなぎっているようだ。
長老は子ネコーに、サプライズを仕掛けるつもりなのだ。
すべては、昨日の夜。
子ネコーが寝ている間に、万事打ち合わせ済みなのだ。
外へと通じるドアを開けながら、長老はニンマリと笑った。
ネコーのみんなのところへ挨拶に行くぞー、と長老が立ち上がると、人間たちも立ち上がった。みんな、これからお仕事へ行くのだ。センリ、ニコル、タニアの魔法使い組は、青猫号の中でお仕事をするけれど、ミルゥさんはお外へ出かけてしまうのだという。
青猫号は壊れてしまっていて、今はもうお空を飛ぶことは出来ない。でも、青猫号の中には、お空を飛べる小さなお船が何隻かあって、ミルゥはそれに乗って、遠くへお仕事をしに行くのだ。
「ミルゥしゃんは、ろんなおしごちょを、しちぇいるの?」
「依頼を受けて、んーと、そう! 困っている人を、助けに行くお仕事なんだ!」
和室の外へと向かいながら、にゃんごろーが尋ねると、ミルゥは笑顔で答えてくれた。
お日様みたいな笑顔。トマトみたいな笑顔。にゃんごろーが大好きな笑顔だ。
お仕事の内容を聞いて、にゃんごろーはミルゥのことが、もっと好きになった。
昨日、森でにゃんごろーを助けてくれたみたいに、世界のどこかで困っている人たちを助けに行くのが、ミルゥのお仕事なのだ。とても、素敵なお仕事だと思った。
にゃんごろーは、憧れの眼差しで、ミルゥを見上げた。
毛先がクルッとしている短めの赤毛がよく似合っている。
にゃんごろーが大好きな、トマトのお色。
にゃんごろーが大好きになった、イチゴジャムのお色。
「しょれは、しゅてきなおしごとらね! うん。たいしぇつなおしごとらちょおみょう」
「でしょ! 行ってくるね、にゃんごろー」
「うん! いっちぇらっしゃい!」
お仕事の時間が迫っているらしく、ミルゥは弾ける笑顔で手を振ると、通路の向こうへ駆けていった。にゃんごろーも、大きく手を振りながら、笑顔でその背中を見送る。
その背中が、通路の向こうに見えなくなると、途端に寂しくなった。
胸とお腹にぽっかりと大きな穴が開いて、リング状になった子ネコーの体の真ん中を、冷たくて乾いた風がひゅるひゅると通り抜けていくような、そんな感じがした。
追いかけていきたい気持ちを、必死で堪えた。だって、ミルゥは、これから困っている誰かを助けるための大事なお仕事をしに行くのだ。邪魔をしてはいけない。
にゃんごろーの頭の上で、長老と何やらお話をしていた青猫号に残る魔法使い組も、「またな」、「またね」と手を振って、ミルゥとは反対の方へ去っていく。
にゃんごろーも慌てて、「まちゃね!」と手を振り返した。
一気に人が少なくなって、急に静かになってしまった。人数が減ったせいもあるけれど、明るくて元気なミルゥがいなくなったのが一番の理由だと、にゃんごろーは感じた。
お外と違って、青猫号の中には風なんて吹いていないはずなのに、冷たい風が、穴の開いた体の中を吹き抜けて止まらない。
これでお別れなのかと思うと、寂しくてたまらなかった。
何も、今生の別れというわけではない、ということは分かっている。それでも、にゃんごろーには、ひとりで気軽に青猫号へ遊びに行くなんてことは出来そうもない。ちょっとまだ、ハードルが高い。ならば、長老が青猫号に行くときに、一緒に連れて行ってもらえばいいのだが、それだって、そうしょっちゅうあるわけではない。
せっかく仲良くなったのに、簡単には会えないのだと思うと、悲しくなった。
でも、冷たい風の理由は、それだけではなかった。
にゃんごろーは、みんなとお別れすることに、こんなに胸がつぶれそうな思いをしているのに、みんなのお別れの言葉は、あっさりしすぎていた気がするのだ。
朝、森へ狩りに行くネコーたちと出会った時に交わすような、あっさりとした別れ。夕方にはまた会えると分かっているからこその、未練とは無縁のお別れ。毎日繰り返される、日常の中のお別れ。
それくらいの、軽い感じのお別れだった。
ミルゥを含め、お仕事に向かった人たちは、誰も、にゃんごろーたちとの別れを惜しんでいるようではなかった。
にゃんごろーは、みんなと別れてこんなに寂しくて悲しいのに、みんなは、にゃんごろーとお別れしても平気なのだろうか?
――――そう思うと、胸の奥の方がきゅっとなった。
うっかり泣きそうな子ネコーの頭の上に、長老のお手々がぽふっと載って、もふもふとかき混ぜる。
「さて、長老たちも、行くとしようかの」
長老はそう言うと、先頭に立って歩き出した。青猫号の外へ向かっているのだ。ミルゥが消えていったのと、同じ方向だった。長老の後に、ルシアが続いた。ふたりとも、青猫号には何の未練もないようだ。あっさりさっぱりとした足取りだった。萎れながら、にゃんごろーもトボトボと歩き出す。にゃんごろーの後ろから、じーじたちもついてきた。一緒にネコーたちをお見送りするためだ。
(つぎは、いちゅ、あえるのかにゃぁ?)
ミルゥの笑顔を思いうかべる度、にゃんごろーの小さくてモフモフな胸の奥は、キュキュッとなった。目の中が熱くなってきて、鼻の奥がツンとしてくる。にゃんごろーは、ぎゅっと目を閉じて、それらをまとめて飲み込んだ。
だって、みんな、お別れの言葉は口にしなかった。
きっと、それは。
また、すぐに会えるということだ。
そう自分に言い聞かせる。
そう自分に言い聞かせないと、本当に泣いてしまいそうだった。
そう自分に言い聞かせながら、寂しいのを、必死で飲み込んだ。
本当は、もっと青猫号に居たかった。夕方、お仕事から帰ってきたミルゥに、「おかえりなさい」を言いたかった。もっと、みんなと仲良くなりたかった。
でも、そういう気持ちもぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ。
ぜんぶ、こみ上げてきた熱いものと一緒に、飲み込んだ。
ミルゥたちがお仕事を頑張るように、にゃんごろーもお手伝いを頑張ろうと健気に決意した。
だって、そうだ。
今回は、お船へ遊びに来たわけではないのだ。ネコーの住処で大変なことが起こったから、避難しに来ただけなのだ。
発明ネコー、ルシアの失敗により起こった恐ろしい火柱は、長老やセンリたち消火班のおかげで消し止めることが出来た。けれど、火を止めようとして、焦って魔法を失敗してしまったルシアのせいで、住処には変な臭いが充満してしまっている。一晩経っても、その臭いが消えずに、まだ残っていれば、それをなんとかしなくてはならない。それに、駄目になってしまったルシアの工房兼倉庫兼家も、早急に建て直さねばならない。
ルシアの工房には、にゃんごろーも思い入れがある。工房は、療養中のにゃしろーとの思い出の場所であり、約束の場所でもあるのだ。だから、にゃんごろーも再建のためのお手伝いがしたかった。
それに、とにゃんごろーは長老を見上げた。長老には、長老としてやらなければいけない仕事がたくさんあるはずだった。お船でのんびりしていないで、早く住処に戻って、いろいろ頑張らねばならないのだ。
今さらのように、そのことに思い至った。
青猫号には、また連れて来てもらえばいい。そのためにも、今は、お手伝いを頑張ろう。
――――そんな風に、自分を奮い立たせて、名残惜しさを振り払おうとするにゃんごろーだったけれど、お耳はしおしおのままだった。
だって、寂しいものは寂しいのだ。
次に会えるのは、いつだろう?
その時まで、みんなはにゃんごろーのことを、ちゃんと覚えていてくれるのだろうか?
忘れられちゃったら、どうしよう?
そう考えると、飲み込んだはずの涙があふれてきそうになる。
お手伝いを頑張ろうという気持ちは、もちろんある。それでもやっぱり、せっかく仲良くなったお船のみんな、とりわけトマトの女神様であるミルゥと別れるのが辛かった。
美味しいごはんとの別れよりも、今はミルゥとの別れの方が辛かった。朝ごはんを食べたばかりで、お腹がいっぱいだからかもしれない。けれど、今この瞬間。にゃんごろーの中で、確かに、食い意地よりもトマトの女神様の方が勝っていた。
ミルゥの笑顔を思い浮かべて、にゃんごろーはグスンと鼻をすすり上げ、俯いた。
その一方で。
落ち込むにゃんごろーの気配を背中で感じながら、長老はずっと笑いを堪えていた。
にゃんごろーたちについてきた、お船のお年より三人衆は、その様子を見て、呆れた苦笑いを浮かべている。
ルシアは、新しい工房のことで頭がいっぱいで、同行者たちの様子など目に入っていないようだ。目には入っていなかったが、長老の企みのことは、昨日の内に知らされていた。
しょんぼり子ネコーとは裏腹に、長老はワクワクと全身の毛を膨らませている。元気のない子ネコーの尻尾とは反対に、長老の真っ白くてふわふわの尻尾は、通路を歩くたびにもっふぁもっふぁと楽しそうに揺れている。長毛の一本一本にまで、喜びがみなぎっているようだ。
長老は子ネコーに、サプライズを仕掛けるつもりなのだ。
すべては、昨日の夜。
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外へと通じるドアを開けながら、長老はニンマリと笑った。
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