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ちょっとした変化〈彩人目線〉
こんばんは、餡玉です。
書店販売特典のためにSSを書かせていただいたのですが、二つ書いて使用しなかったほうのSSを、こちらにアップさせていただきます。
短いですが、よろしければご覧くださいませ♡
そして4/1より本作のKindle配信がスタートします。ご予約も開始しておりますので、電子派の皆様、どうぞ宜しくお願い致します!
すでにご予約開始となっている電子書店様もございますので、ぜひぜひチェックしてみてくださいませ。
コミカライズ企画も進行中です。今後とも、どうぞよろしくお願いします!
◇ ◇ ◇
『ちょっとした変化 〈彩人目線〉』
三人での暮らしが始まり壱成が空を迎えに行くようになってからというもの、ほかの保護者から挨拶されることが増えた気がする。
朝は七時半頃までに保育園へ送っていくのが日課だったが、睡眠時間がまともに取れず、朝はだいたい眠気と疲れとの戦いだ。
「おはようございます」と挨拶をしてくれる他の保護者に愛想をふりまくこともできず、空を送ってそそくさと帰宅していた。
彩人を空の父親だと勘違いしている保護者も多いと聞くし、職業がホストという水商売ということもあってか、偏見の滲む眼差しを向けられることもしばしばあった。
24時間保育という特殊性もあり、ふつうの園より理解はあるのだろうが、それでもホストという職業に抱かれるイメージは好意的なものばかりではない。
だが、壱成が空を迎えに行くようになってからというもの、彩人に向かう他の保護者たちの視線が柔らかくなった気がしている。
だがそれは、壱成がいてくれることで育児へのプレッシャーが軽減し、そう感じるだけなのかもしれない、と思っていたのだが……。
「霜山さん、出会う保護者の皆さんにすごく爽やかな笑顔でご挨拶しておられますし、そのおかげもあるんじゃないですか?」
とある日、空を送ったあと少し時間があったため、彩人はあいこ先生との雑談ついでに、最近感じていた変化について尋ねてみた。
すると、この返事である。
「爽やかな笑顔……っすか」
「ええ。霜山さん、とても話しかけやすい雰囲気でいらっしゃいますし。空くんのお友達のお母様方と、ときどき和やかに雑談されたりしてますよ」
「はぁ……なるほど」
遠回しに、「あなたはバリバリ話しかけにくい雰囲気ですけどね」と言われた気がしなくもないが気にしない。
彩人は感心しつつ、「さすが壱成だな……」と呟いた。
あいこ先生いわく、他のお母さんから『空くんのご親戚?』と声をかけられれば、壱成はあの優しく整った顔をにっこりと綻ばせ、爽やかに挨拶をするという。
そして、自分は彩人の学生時代からの友人であることを説明し、諸事情あって彩人とともに空を育てているのだ——という旨をさらさらと説明しているらしい。
しかも、「彩人はああ見えてすごく真面目なので、ほうっておけなくて」とはにかんだような笑みを浮かべ、彩人の苦労までをも語るというのだ。
さらには「働きながら子育てするって、本当に大変ですね。いろんな苦労があるって初めて知りました」と苦笑を見せる壱成に、仕事と育児で疲れた保育園ママたちからは「ほぅ……」共感のため息が漏れ、すぐに皆と打ち解けているというのである。
しかもそこへ、壱成に天使の笑顔で飛びついてくる空の愛らしさが加わるときた。
その尊い姿は、今やほしぞら保育園の癒しとなっているらしい——
「……なるほど。それで俺に対する冷ややかな視線も減ったってことですか」
「ですね。朝の早瀬さん、すごく疲れたお顔ですし」
「はぁ……ですよね、すみません」
「あぁ、失礼しました。お疲れなので無理もないと思います」
「いや、ほんとその通りとだと思うんで」
「いえいえ、イケメンでいらっしゃるから、無表情だとちょっと怖く見えるんですよね。早瀬さん背も高いし」
と、あいこ先生は頷きながらそう言った。
この反応もちょっと意外だ。自分と負けず劣らず、あいこ先生はいつも彩人に対して無愛想であるため、てっきり敬遠されているものと思っていた。
だが、なるほど。そういうふうに見えていたのか……と、あいこ先生に対するちょっとした苦手意識まで和らいでゆく。
——壱成にめちゃくちゃお礼言わないとだな……
なんだか、早く壱成に会いたくてたまらない気分だ。
園庭で累と走り回っている空をほっこりと眺めながら、彩人は改めて、壱成の存在の大きさを実感するのだった。
おしまい♡
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三人での暮らしが始まり壱成が空を迎えに行くようになってからというもの、ほかの保護者から挨拶されることが増えた気がする。
朝は七時半頃までに保育園へ送っていくのが日課だったが、睡眠時間がまともに取れず、朝はだいたい眠気と疲れとの戦いだ。
「おはようございます」と挨拶をしてくれる他の保護者に愛想をふりまくこともできず、空を送ってそそくさと帰宅していた。
彩人を空の父親だと勘違いしている保護者も多いと聞くし、職業がホストという水商売ということもあってか、偏見の滲む眼差しを向けられることもしばしばあった。
24時間保育という特殊性もあり、ふつうの園より理解はあるのだろうが、それでもホストという職業に抱かれるイメージは好意的なものばかりではない。
だが、壱成が空を迎えに行くようになってからというもの、彩人に向かう他の保護者たちの視線が柔らかくなった気がしている。
だがそれは、壱成がいてくれることで育児へのプレッシャーが軽減し、そう感じるだけなのかもしれない、と思っていたのだが……。
「霜山さん、出会う保護者の皆さんにすごく爽やかな笑顔でご挨拶しておられますし、そのおかげもあるんじゃないですか?」
とある日、空を送ったあと少し時間があったため、彩人はあいこ先生との雑談ついでに、最近感じていた変化について尋ねてみた。
すると、この返事である。
「爽やかな笑顔……っすか」
「ええ。霜山さん、とても話しかけやすい雰囲気でいらっしゃいますし。空くんのお友達のお母様方と、ときどき和やかに雑談されたりしてますよ」
「はぁ……なるほど」
遠回しに、「あなたはバリバリ話しかけにくい雰囲気ですけどね」と言われた気がしなくもないが気にしない。
彩人は感心しつつ、「さすが壱成だな……」と呟いた。
あいこ先生いわく、他のお母さんから『空くんのご親戚?』と声をかけられれば、壱成はあの優しく整った顔をにっこりと綻ばせ、爽やかに挨拶をするという。
そして、自分は彩人の学生時代からの友人であることを説明し、諸事情あって彩人とともに空を育てているのだ——という旨をさらさらと説明しているらしい。
しかも、「彩人はああ見えてすごく真面目なので、ほうっておけなくて」とはにかんだような笑みを浮かべ、彩人の苦労までをも語るというのだ。
さらには「働きながら子育てするって、本当に大変ですね。いろんな苦労があるって初めて知りました」と苦笑を見せる壱成に、仕事と育児で疲れた保育園ママたちからは「ほぅ……」共感のため息が漏れ、すぐに皆と打ち解けているというのである。
しかもそこへ、壱成に天使の笑顔で飛びついてくる空の愛らしさが加わるときた。
その尊い姿は、今やほしぞら保育園の癒しとなっているらしい——
「……なるほど。それで俺に対する冷ややかな視線も減ったってことですか」
「ですね。朝の早瀬さん、すごく疲れたお顔ですし」
「はぁ……ですよね、すみません」
「あぁ、失礼しました。お疲れなので無理もないと思います」
「いや、ほんとその通りとだと思うんで」
「いえいえ、イケメンでいらっしゃるから、無表情だとちょっと怖く見えるんですよね。早瀬さん背も高いし」
と、あいこ先生は頷きながらそう言った。
この反応もちょっと意外だ。自分と負けず劣らず、あいこ先生はいつも彩人に対して無愛想であるため、てっきり敬遠されているものと思っていた。
だが、なるほど。そういうふうに見えていたのか……と、あいこ先生に対するちょっとした苦手意識まで和らいでゆく。
——壱成にめちゃくちゃお礼言わないとだな……
なんだか、早く壱成に会いたくてたまらない気分だ。
園庭で累と走り回っている空をほっこりと眺めながら、彩人は改めて、壱成の存在の大きさを実感するのだった。
おしまい♡
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