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第四幕 ー魔境へのいざないー
十八、道、通ず
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陀羅尼が瓦礫と化した建礼門から起き上がり、再び千珠に襲い掛かってきた。陀羅尼が間違いなく自分を標的にしていることを確認すると、千珠は承明門の中へと誘うように走り出した。
陀羅尼は涎をまき散らしながら、四足で白砂利を蹴り、千珠を追ってくる。突如ぶわりと空中に飛び上がった陀羅尼が、千珠を頭から切り裂こうと丸太のような腕を振り回し、勢い余って築地塀を突き崩しながら、そのまま承明門に激突した。
どぉん……と、爆発するような音が辺りに響き渡り、承明門は脆くも崩れ去る。その瓦礫の中で、千珠は陀羅尼に組み敷かれ、血を吐いた。ぼきぼきと肋骨が身体の中で破壊されていくのを感じ、千珠は激痛に顔を歪める。
ーー……くそっ、この、馬鹿力め……!!
悲鳴すら上げられぬような痛みを、歯を食いしばって耐えながら、目の前に迫る千陀羅尼の鉤爪をぎりぎりで押し返していた。
そうしているうちにも、陀羅尼の脚が、胴体が、千珠の全てを押し潰さんとのし掛かってくる。
既に折れている肋や、手足の骨という骨が悲鳴を上げ、内蔵を圧迫されて息が止まる。
ーー……こいつの背後にいる男が全ての元凶なのに、何故俺はこいつに爪を立てねばならないのだ……!
猿之助への憎しみがふつふつと湧き上がり、陀羅尼を跳ね除けて猿之助に襲い掛かりたい欲求がその意識を支配し始める。
俺達を道具扱いするような人間だ。
滅ぼすべきは、そちらではないのか……?
千珠が陀羅尼の額にある呪印を睨みつけた時、舜海の声が聞こえた。
「千珠!!」
千珠ははっとした。
違う。
猿之助を殺すのが目的ではない。
こいつを魔境へ送り返すためだ……。我を無くしたこの鬼を、あの人間から解放するため……!
千珠は目つきを鋭くすると、自分の首をへし折ろとする陀羅尼の手を両手で掴んだ。
「っ……おおおお!!」
千珠の怒号と共に、更に強力な妖気がその身体から巻き起こった。陀羅尼は怯んだ表情を見せ、そこから飛び退こうとしたが、千珠はその手を離さない。
千珠の目が真っ赤に染まり、まるで獣のそれのように、瞳孔が縦に鋭く裂けた。千珠はぐっと手に力を込めて自らの鉤爪を軋ませると、陀羅尼の太い首、盛り上がった肩へと思い切り鉤爪を突き立て、堅い頑強な筋肉を抉り裂く。
恐ろしい咆哮が内裏中に響き渡り、陀羅尼の身体が傾ぐ。生暖かい血を顔面に浴びながらも千珠はその隙を見逃さず、陀羅尼の鳩尾に足を掛けて巴投げを食らわせ、空中に投げ飛ばした。
「来い!!」
一声呼べば、手を離れていた宝刀が再びその掌に戻り、千珠はしっかとその柄を握り締める。
すぐさま地を蹴り、陣の中へ吸い込まれるように投げ飛ばされる陀羅尼の巨躯に向って飛びかかる。唸りをあげる刃を振り降ろし、陣の中心に陀羅尼の身体を叩き伏せた。
ずぅぅんん……!
重い地響きが、地面を揺るがす。
千珠が陣の中心に入ると同時に、白砂利の上に描かれた陣が発光し始める。二人の身体を絡め取るように、青緑色の明るい光が、あたりを包み込んだ。
どくん、どくん……!
陀羅尼を押さえつけていた千珠の身から、かくんと力が抜ける。
ーー妖力が……陣に吸われていく……。
来る。魔境への道が、迫ってくるのが、分かる。
感じる。近づいてくる。禍々しい世界が……!
千珠は陀羅尼の上に馬乗りになったまま、空を仰いで目を見開いた。
「封印術、魔匣胎道! 急急如律令!!」
業平が声高にそう唱えると、五人の陰陽師たちもそれに倣って天に手を差し伸べる。すると、その手から眩い金色の光が迸る。手から手へその光が繋がって線を描き、五芒星を描き出した。
光はそのまま目にも留まらぬ速度で天空へ昇り、夜空に巨大な金色の五芒星を描き出した。
そして、その中心に、夜闇よりも更に黒い穴が口を開く。
鬼道が開き、魔境への道が拓けたのだ。
「結界術、転回!」
それと同時に、陰陽師たちの背後に円形の布陣を取っていた千瑛を始めとする神祇官たちが、胸の前で合掌し、一斉にそう唱えた。
空気が歪み、明るい青緑色の光が、陰陽師の放った術式の回りを取り囲んでいく。まるで水の壁が出来たかのように、ゆらゆらと光を跳ね返す壁が、地面から生まれて天へと伸びた。
滅茶苦茶に吹き荒れる熱い風の中、頭上に突如現れた黒い洞穴を見上げ、千珠は目を瞠る。
ずずずず……と地鳴りのような音を響かせながら、その黒い洞穴は渦を巻くように夜空に広がっていく。そこから漏れ出す竜巻のような魔境の風が、千珠の身体をも包み込んだ。
血肉の腐ったような風の匂い、どろどろと渦巻く、人間界では感じたことのない強大な妖気の渦。
千珠の血は一気に沸点に達したかのように熱くなった。
「鬼道が開いた! 魔境じゃ!!」
陀羅尼は嬉々としてそう叫んだ。千珠ははっとして陀羅尼から手を放す。
「おお! この風の匂い! 感じぬか? これこそが鬼の国!! さあ、共に参ろうぞ!!」
陀羅尼は高笑いをして、夜空よりも黒い洞穴に手を差し伸べた。すると、陀羅尼の手を引き寄せるかのように空へ向かう気流が現れ、陀羅尼の身体を掬っていく。
「守護結界壁! 急急如律令!!」
「千珠!!」
舜海の声と、宇月の声がする。千珠は鬼道に向いていた意識を、必死でそちらに向けようとした。
しかし、数多の妖鬼の気を感じて滾り立った千珠の血は、強く強く魔境に惹かれていた。陀羅尼を掬う黒い風は、千珠の身をも魔境へと運んでいこうと、千珠の周りとぐるぐると取り巻き始めている。
「行くな!!」
宇月の張った結界から、力ずくで右腕を突き出し、舜海は千珠の腕をしっかと掴んだ。
「っうあああ!!」
魔境の風を浴びた舜海の腕が、まるで酸で焼かれたように血煙を上げた。宇月は目を見開き「舜海さま! 結界から出るな!!」と叫ぶ。
「千珠……!! お前の世界は、こっちやろ!!」
舜海は渾身の力で千珠を自分の方へ抱き取ると、結界の中へ引き込んだ。どさりと、二人が縺れ合って地面に転がる。
「……あああ……ああああ!!」
千珠は、それでも尚空を見上げて藻掻いた。舜海は必死で千珠の身体を押さえこんで抱き締める。
「ああああああ!!」
千珠の叫ぶ声、陰陽師と神祇官たちの詠唱の声、天空の地鳴り。辺一面、猛り狂った空気が満たす。
「魔境じゃあ……あな嬉しや……あっはははは……!!」
狂喜乱舞する陀羅尼の姿が、洞穴の中に消えてゆく。それを確認した業平は、今までとは違う印を結んで叫んだ。
「封印!!」
結界の中を踊り狂っていた金色の光が、ふっと掻き消すように消えた。それと同時に、浮かび上がっていた五芒星も空に溶けるように姿を消し、呆気なく鬼道は閉じた。
中の風が収まるのを感じると、神祇官たちは詠唱を終える。空気を歪めていた結界が、溶けるように地面に吸い込まれて消えていく。
ばたばたと、陰陽師たちが力尽きて地面にへたり込む。神祇官たちも、膝をついて荒い息をしながら、鬼の消えていった夜空を見上げていた。
夜空は、何事もなかったかのように美しい星空だった。
西の空に三日月が昇って、雲がたなびいている。
陀羅尼は涎をまき散らしながら、四足で白砂利を蹴り、千珠を追ってくる。突如ぶわりと空中に飛び上がった陀羅尼が、千珠を頭から切り裂こうと丸太のような腕を振り回し、勢い余って築地塀を突き崩しながら、そのまま承明門に激突した。
どぉん……と、爆発するような音が辺りに響き渡り、承明門は脆くも崩れ去る。その瓦礫の中で、千珠は陀羅尼に組み敷かれ、血を吐いた。ぼきぼきと肋骨が身体の中で破壊されていくのを感じ、千珠は激痛に顔を歪める。
ーー……くそっ、この、馬鹿力め……!!
悲鳴すら上げられぬような痛みを、歯を食いしばって耐えながら、目の前に迫る千陀羅尼の鉤爪をぎりぎりで押し返していた。
そうしているうちにも、陀羅尼の脚が、胴体が、千珠の全てを押し潰さんとのし掛かってくる。
既に折れている肋や、手足の骨という骨が悲鳴を上げ、内蔵を圧迫されて息が止まる。
ーー……こいつの背後にいる男が全ての元凶なのに、何故俺はこいつに爪を立てねばならないのだ……!
猿之助への憎しみがふつふつと湧き上がり、陀羅尼を跳ね除けて猿之助に襲い掛かりたい欲求がその意識を支配し始める。
俺達を道具扱いするような人間だ。
滅ぼすべきは、そちらではないのか……?
千珠が陀羅尼の額にある呪印を睨みつけた時、舜海の声が聞こえた。
「千珠!!」
千珠ははっとした。
違う。
猿之助を殺すのが目的ではない。
こいつを魔境へ送り返すためだ……。我を無くしたこの鬼を、あの人間から解放するため……!
千珠は目つきを鋭くすると、自分の首をへし折ろとする陀羅尼の手を両手で掴んだ。
「っ……おおおお!!」
千珠の怒号と共に、更に強力な妖気がその身体から巻き起こった。陀羅尼は怯んだ表情を見せ、そこから飛び退こうとしたが、千珠はその手を離さない。
千珠の目が真っ赤に染まり、まるで獣のそれのように、瞳孔が縦に鋭く裂けた。千珠はぐっと手に力を込めて自らの鉤爪を軋ませると、陀羅尼の太い首、盛り上がった肩へと思い切り鉤爪を突き立て、堅い頑強な筋肉を抉り裂く。
恐ろしい咆哮が内裏中に響き渡り、陀羅尼の身体が傾ぐ。生暖かい血を顔面に浴びながらも千珠はその隙を見逃さず、陀羅尼の鳩尾に足を掛けて巴投げを食らわせ、空中に投げ飛ばした。
「来い!!」
一声呼べば、手を離れていた宝刀が再びその掌に戻り、千珠はしっかとその柄を握り締める。
すぐさま地を蹴り、陣の中へ吸い込まれるように投げ飛ばされる陀羅尼の巨躯に向って飛びかかる。唸りをあげる刃を振り降ろし、陣の中心に陀羅尼の身体を叩き伏せた。
ずぅぅんん……!
重い地響きが、地面を揺るがす。
千珠が陣の中心に入ると同時に、白砂利の上に描かれた陣が発光し始める。二人の身体を絡め取るように、青緑色の明るい光が、あたりを包み込んだ。
どくん、どくん……!
陀羅尼を押さえつけていた千珠の身から、かくんと力が抜ける。
ーー妖力が……陣に吸われていく……。
来る。魔境への道が、迫ってくるのが、分かる。
感じる。近づいてくる。禍々しい世界が……!
千珠は陀羅尼の上に馬乗りになったまま、空を仰いで目を見開いた。
「封印術、魔匣胎道! 急急如律令!!」
業平が声高にそう唱えると、五人の陰陽師たちもそれに倣って天に手を差し伸べる。すると、その手から眩い金色の光が迸る。手から手へその光が繋がって線を描き、五芒星を描き出した。
光はそのまま目にも留まらぬ速度で天空へ昇り、夜空に巨大な金色の五芒星を描き出した。
そして、その中心に、夜闇よりも更に黒い穴が口を開く。
鬼道が開き、魔境への道が拓けたのだ。
「結界術、転回!」
それと同時に、陰陽師たちの背後に円形の布陣を取っていた千瑛を始めとする神祇官たちが、胸の前で合掌し、一斉にそう唱えた。
空気が歪み、明るい青緑色の光が、陰陽師の放った術式の回りを取り囲んでいく。まるで水の壁が出来たかのように、ゆらゆらと光を跳ね返す壁が、地面から生まれて天へと伸びた。
滅茶苦茶に吹き荒れる熱い風の中、頭上に突如現れた黒い洞穴を見上げ、千珠は目を瞠る。
ずずずず……と地鳴りのような音を響かせながら、その黒い洞穴は渦を巻くように夜空に広がっていく。そこから漏れ出す竜巻のような魔境の風が、千珠の身体をも包み込んだ。
血肉の腐ったような風の匂い、どろどろと渦巻く、人間界では感じたことのない強大な妖気の渦。
千珠の血は一気に沸点に達したかのように熱くなった。
「鬼道が開いた! 魔境じゃ!!」
陀羅尼は嬉々としてそう叫んだ。千珠ははっとして陀羅尼から手を放す。
「おお! この風の匂い! 感じぬか? これこそが鬼の国!! さあ、共に参ろうぞ!!」
陀羅尼は高笑いをして、夜空よりも黒い洞穴に手を差し伸べた。すると、陀羅尼の手を引き寄せるかのように空へ向かう気流が現れ、陀羅尼の身体を掬っていく。
「守護結界壁! 急急如律令!!」
「千珠!!」
舜海の声と、宇月の声がする。千珠は鬼道に向いていた意識を、必死でそちらに向けようとした。
しかし、数多の妖鬼の気を感じて滾り立った千珠の血は、強く強く魔境に惹かれていた。陀羅尼を掬う黒い風は、千珠の身をも魔境へと運んでいこうと、千珠の周りとぐるぐると取り巻き始めている。
「行くな!!」
宇月の張った結界から、力ずくで右腕を突き出し、舜海は千珠の腕をしっかと掴んだ。
「っうあああ!!」
魔境の風を浴びた舜海の腕が、まるで酸で焼かれたように血煙を上げた。宇月は目を見開き「舜海さま! 結界から出るな!!」と叫ぶ。
「千珠……!! お前の世界は、こっちやろ!!」
舜海は渾身の力で千珠を自分の方へ抱き取ると、結界の中へ引き込んだ。どさりと、二人が縺れ合って地面に転がる。
「……あああ……ああああ!!」
千珠は、それでも尚空を見上げて藻掻いた。舜海は必死で千珠の身体を押さえこんで抱き締める。
「ああああああ!!」
千珠の叫ぶ声、陰陽師と神祇官たちの詠唱の声、天空の地鳴り。辺一面、猛り狂った空気が満たす。
「魔境じゃあ……あな嬉しや……あっはははは……!!」
狂喜乱舞する陀羅尼の姿が、洞穴の中に消えてゆく。それを確認した業平は、今までとは違う印を結んで叫んだ。
「封印!!」
結界の中を踊り狂っていた金色の光が、ふっと掻き消すように消えた。それと同時に、浮かび上がっていた五芒星も空に溶けるように姿を消し、呆気なく鬼道は閉じた。
中の風が収まるのを感じると、神祇官たちは詠唱を終える。空気を歪めていた結界が、溶けるように地面に吸い込まれて消えていく。
ばたばたと、陰陽師たちが力尽きて地面にへたり込む。神祇官たちも、膝をついて荒い息をしながら、鬼の消えていった夜空を見上げていた。
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