長い長い失恋と、セフレとの三年半

餡玉(あんたま)

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 ”熱を帯びる”とは、まさにこのことなのだろう。夕翔の舌遣いのひとつひとつに、はっきりとした気持ちを感じ取ることができるし、キスを交わすごとに身体中がゆるんでゆくのがわかる。

 夕翔のほうも同じ感覚なのか、それとも俺が拒まないからなのか、いつも以上に時間をかけた丁寧なキスだった。

「はぁ……っ……、っぅ……ん」
「……瑞希、なんか今日、声エロい」
「ん……そう、かな……」
「それに、すげぇ気持ちよさそうな顔してる。……めちゃくちゃ嬉しい」

 夕翔は愛おしげに目を細めて微笑むと、ちゅ……っと柔らかな音を立てて俺の下唇を啄んだ。

 そのままタンクトップをめくられて、ツンと尖った乳首にねっとりと舌でくすぐられる。

「ァっ……!」
「……ん?」
「や……なんか、いつもより……っ」

 キスで敏感にさせられてしまったとでもいうのだろうか、乳首攻めは好きな方だが、今日の快感はいつもの比ではなかった。

 夕翔の動きのひとつひとつにいちいち「あっ!」「んぅっ……!」と声が漏れてしまい、恥ずかしさのあまり顔から火を吹いてしまいそうだ。

「……いつもより硬いもん、ここ。こんなに尖って、すげーエロい」
「っ……ン、あっ……ばかっ、そんなこと、言うなよ……っ」
「可愛い、瑞希。……気持ちいい? どうしてほしい?」
「ぁ、あっ……!」

 じゅっと音を立てて吸われ、離されては舐め転がされ、反対側のそれも指先で捏ねられる。夕翔の愛撫のたびにびく! びく! と腰が跳ね、痛いほどにペニスが張っているのが自分でもわかった。

 欲しいところを淡く指で辿られて、俺は思わず「ぁんっ……!」と甘い悲鳴を漏らしてしまった。スラックスの上からだというのに、あまりにも気持ちが良くて、勝手に腰が揺れてしまう。

 スラックスごしにぐにぐにと揉みしだかれながら、ツンと勃ち上がった乳首をきつく吸われるという甘い責苦に耐えかねて、俺は「やめ……やめろよ……っ」と呻く。

「ははっ……すげぇガチガチじゃん。いつもはそんな勃ってないのに」
「んっ……はぁっ……だって、なんか……」
「ん? ……だって、なに?」
「……こんなに気持ちいいの、はじめてかも……」

 掠れた声でそう訴えると、夕翔は愛撫の手を止めて俺を真上から見下ろしてきた。

 力の入らない目で見上げる俺を射抜く夕翔の眼差しに、これまでにないほどに雄じみた光を見つけて、ぞくりと全身が興奮する。

「瑞希って、そんな可愛いことも言えちゃうんだ。……はは、やばい。もう無理そう」
「可愛いとか言わなくていいって、いつも言ってんだろ。恥ずかしいって……」
「今日はダメだわ。瑞希が可愛すぎて俺がどうにかなりそう」

 そう言うや、夕翔はベルトを緩めてジーパンの前をくつろげ始めた。

 俺がフェラで勃たせるまでもなく、夕翔のペニスはいつにも増して隆々と勃ち上がっている。

 ドクドクと滾る血流が血管を浮き上がらせ、あまりにも雄々しく反り返ったそれを目の当たりにして、俺は思わず生唾を飲み込んだ。

「……夕翔の、そんなでかかったっけ……?」
「わかんないけど、今、瑞希のことめちゃくちゃにしたくてたまんないよ」
「め、めちゃくちゃ?」
「ねぇ、抱かせて? ……ダメ?」
「う」

 熱でひりついた眼差しで見つめられながら懇願されると可愛くて……NOとは言えなかった。

 俺がこくりと頷くと、夕翔はわかりやすく顔を輝かせ、俺に覆い被さってきた。

 夕翔とのセックスなんて慣れたものだし、お互いのいいところも全てわかっているつもりだった。

 きちんと手順を踏んで、俺の身体を気遣うようなセックスをする夕翔に甘えきっていたところもあるし、これといって無茶なことをされたことも一度もなかった。

 きっと夕翔は俺に遠慮して、欲望を抑え込んでいたのだということを、俺は今日はじめて知った。
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