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もろもろ小話
夜のツリーは恋人同士で※
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「わ、こんなでっかいツリーあったんだ」
京都駅を這うように上へ上へと伸びているエスカレーターに乗って伊勢丹京都内にある飲食店に向かっていた珠生は、突如として姿を現した巨大なツリーを見て目を丸くした。
「え、知らんかったん? 珠生、こっちきてもう四年くらい経つやろ?」
そういって驚いているのは、背後にいる空井斗真だ。
アルバイト先の雇用主である斗真の祖母へのクリスマスプレゼントを選んだあと、たまには眺めのいいところで昼食でも食べようかという流れになったのだった。
「存在は聞いたことあったけど……ちゃんと見るの初めてかも」
「まぁ、このさぶい中わざわざ見にこようってなんの、カップルくらいのもんやろしなぁ」
「はは、それもそうだね」
聞けば、11月頭からツリーはここに飾られているらしい。
試しにエスカレーターを降りてツリーの根元まで近づいてみると、案内板が立っていた。
このツリー、大きさにしてなんと二十二メートル。想像以上に大きくて、珠生はびっくりしてしまった。
今年は赤がテーマカラーなのか、真っ赤なポインセチアがバランスよく飾られ、金色や銀色のオーナメントがキラキラと冬の陽光を反射して輝いている。深い緑色に雪を模した白い飾りも可愛らしい。
珠生はスマホをダウンジャケットのポケットから取り出して、パシャパシャと写真を撮った。
「へぇ~すごい、大きいなぁ。すごく綺麗だし」
「俺もじっくり見んの久しぶりやわ~。なんやデートみたいやな♡」
「え? そう?」
「そーやん! いっしょにばーちゃんのプレゼント選んで、ツリー見て、これからランチやん? 完全にカップルのクリスマスデートやん!!」
「う、うん……そうだね」
斗真もまたスマホを構え、かしゃかしゃと珠生込みでツリーの写真を撮り始めた。写真に映るのが嫌なのですぐに背を向けたが、「おっ、ツリーを撮る珠生の写真もめっちゃ可愛い~!! 優征に送りつけて自慢したろ」とウキウキしている。
「それより、なんか寒くなってきちゃった。早くお昼食べに行こうよ」
「うん、うん、せやな! いこいこ! 何がええ? ばーちゃんから『珠生ちゃんにおごってあげて』って言われてんねん」
「社長、太っ腹だなぁ。うーん、なににしよう」
「ほな焼肉でもいこか! 京都タワー見えるとこあんねん!」
「へぇ、いいね。いこっか」
「うん♡」
珠生よりふたまわりは大きな図体をしている斗真が、ぽわぽわしながら大きく頷く。白いダウンを着ているので、なんだか毛のフサフサした大型犬に懐かれているような気分だな——と珠生は思った。
明るい茶髪に耳には小さなフープピアスをきらめかせている斗真は、一見したところ夜な夜なクラブで踊り明かしていそうなパリピに見える。だが実際はバスケ一筋のウブで真面目な大学生だ。
今年も結局クリスマスを共に過ごせそうな女性とは巡り会えなかったらしく……というか二日前にフラれたばかりで、大学のカフェテリアでしょんぼりしていた。
——だから俺でクリスマスデート気分を味わってるってことか……まぁ、そういうことならちょっとくらい付き合ってあげないと。
といっても、珠生には舜平がいるのでランチを食べるくらいのことしかできない。
今もスマホで焼肉屋のメニューを開き、「なぁ、何食べる? いっちゃん高いやつでもええで♡」とニコニコしている斗真だ。
——早く可愛い彼女さんができたらいいのになぁ。こんなにいいやつなのに……。
冬真のスマホを覗き込みながら、珠生は心の底から友人の幸せを祈るのだった。
◇
「へぇ、それで焼肉食ってきたんや」
「ん……ぁ、ふぅっ……」
「あそこやろ? 伊勢丹の上のほうんとこ」
「そ、そう……っだけど、ァっ……」
「ええなぁ……俺はなかなかお前と出掛けられへんのに、あのでっかい子……斗真くん? は珠生とデートできて」
「ん、んっ……や、イク、イっちゃう…………っ」
パン、パンッ……と深いグラインドで珠生の中にペニスを突き立てながら、舜平は羨ましげにそう言った。
バイトが終わってから夜遅くに沖野家にやってきた舜平に玄関で抱きすくめられ、すぐさまベッドへ連れ込まれた。ちなみに父・健介は忘年会込みの泊まりがけの研修会で不在である。
すでに冬休みに入っている珠生だが、大学院生の舜平には見守らねばならない実験があったり先輩たちの卒論を手伝わねばならないといった用事があり、なかなかゆっくり会うことができていない。
キスをしがら「今日、どうしてたん?」と尋ねられ、「斗真と……社長のプレゼント、買って。お昼食べて……」などと取り止めのない会話をしているさなかにも服を脱がされ、全身にキスを降らされて、あっという間にトロトロにさせられてしまった。
舜平が来ることがわかっていたから、シャワーを浴びながらすでに後ろの準備もしてあった。
ねだればすぐに舜平の剛直が珠生の中に挿入され、キスをしながらいきなり最奥深くまで穿たれて、それだけで軽く達してしまった珠生だ。そこからは緩急つけた舜平の責めに、ただひたすら喘がされるばかりである。
「ツリーも見たんや。……そういや、しょっちゅうグランヴィアに呼び出されんのにツリーまともに見たことなかったな」
「はぁっ……はぁ、ンっ……ん」
「きれいやった?」
「んっ……うん……きれい、だった」
「ライトアップされたやつも見たか?」
「みて、ない……すぐかえった、し……、ぁっ……ちくび、やだっ……」
太ももを大きく開かされて舜平のピストンに揺さぶられながら、さらには薄い胸にまでねっとりと舌を這わされて、珠生はたまらず腰を捩って身悶えた。
だが舜平はなおもみだらな腰遣いをしながら、じゅる、じゅっ……わざとらしく音を立てて珠生の胸の尖りを吸い、しかもゆるく勃ち上がったペニスまで扱いてくる。
内側のいいところを擦り上げてくる舜平の切先に煽られて腰が揺れ、いつの間にか全裸にされてしまった白い肌はうっすらと桃色に染まっている。
身をくねらせながら舜平の頭を抱く珠生の声と濡れた音が、静かな部屋の中に淫らに響いていた。
「ぁん、っ……やぁっ、はぁっ……ン、んっ……」
「エロい声、めっちゃ可愛い。……きもちええ?」
「ん、ぅん、……っ、はぁ、ねぇ、また、またくるっ……ぁ、あ」
「っ……めっちゃ締まる……俺も、そろそろイってもええか?」
「ん、うんっ……」
身体を起こした舜平が、汗を含んだ黒髪をかきあげた。
はだけたシャツの前から逞しい身体の美しさや、ゆらゆらと責めをやめない淫らな腰の動きを見せつけられるたび、舜平の男の色香に酔わされる。
うっとりと自分を見上げる珠生の視線に気付いたのか、舜平が陶然と微笑んだ。
「……どした?」
「ん……なんでもない……っ、アっ……も、だめ、イクっ……!」
「っ……珠生っ……」
ぐずぐずに蕩けて舜平の屹立をきゅうきゅうと締めつけていた体内がひときわ強く蠕動するや、最奥で熱い体液が勢いよく迸った。
脱力しつつも珠生を潰さないように肘をついて身体を支える舜平の逞しい背中に腕を回して、珠生もびく、びくんっ……と身体を震わせながら余韻に浸っていた。
「はぁ、ぁっ……ふ……っ」
「珠生……あかん、良すぎる……」
「ん、まって、抜かないで」
「っ……」
久方ぶりの逢瀬での濃厚なセックスだ。痺れるような快楽の余韻からまだまだ抜け出したくなくて、珠生は四肢をつかってぎゅっと舜平にしがみつく。
自然と唇が重なり、熱くとろけた舌を絡め合う。舌が擦れ合うと、性懲りもなくふたたび腹の奥がきゅんと疼いて、舜平が「ぅっ……」と声を漏らした。
「……お前としてたら、なんぼでもやれてまうから怖なるわ」
「ん……もう一回?」
「……ちょ、あかん。一旦落ち着かしてくれ。このままヤってたら朝になってまう」
「あっ……」
それでもいいのにな……と思う珠生だが、舜平はゆっくり腰を引いてペニスを抜いた。とろりと溢れ出す白濁を感じて、珠生はまた小さく熱いため息を漏らす。
「風呂上がりのお前がエロくてすぐがっついてしもたけど、ほんまは明日か明後日、どっか出掛けへんかて誘おうと思っててん」
「へ……そうなの?」
「大階段とこのツリー見たことあるか聞こうと思ってたら、もう行ったとか言うやろ。……がきくさいけど、ちょっとおもろなかってんな」
背後から抱き抱えられながら、舜平と湯船に浸かる。もたれかかった舜平の胸板を背中に感じていると、舜平が苦笑しつつそう言った。
舜平を見上げ、珠生は「ご、ごめん……」と謝った。
「いやいや、全然いいねん。友達との時間も大事やし」
「うん、まぁ……そうだけど」
「俺、そんな嫉妬深いほうちゃうかってんけどなぁ……」
そういってぼやく舜平の困り顔が妙に可愛らしく見え、珠生は肩をゆすって小さく笑った。
「ふふ……じゃあさ、明日はライトアップしたやつ見に行こうよ」
「せやな、そうしよか。ついでになんか食いに行こ」
「うん。……ああ、楽しみだなぁ」
首を伸ばしてキスをせがむと、苦笑を残した舜平が応えてくれる。体勢を変え、舜平の上に跨ってさらに深く唇を重ねるたび、リップ音が浴室の中に反響した。
「めっちゃ寒いから厚着しろよ。珠生、寒がりやねんから」
「わかってるって」
「……てかこの体位あかんて。ひょっとして誘惑されてんのか? 俺」
「ゆ、誘惑してるわけじゃないけど」
「まだものたりひんねやろ? ……どこでしたいん?」
「あ」
ちゅ、と首筋にキスをされ、耳たぶを甘噛みされる。
舜平の指が脇腹から上へと這い上がってくるくすぐったさに期待感がこみあげて、珠生は思わず笑みをこぼした。
「も……もう一回、ベッドでしたい、かな」
「ははっ、今日はえらい素直やん。……めっちゃ可愛い」
「だ、ダメだってここで、これ以上……っ、ぁ、のぼせちゃう……んんっ」
「ん……でも、もうちょい」
「ちょっ……舜平さんてばっ……」
熱い湯で火照った珠生の肌に舌を這わせながら、舜平がいたずらっぽく笑う。惜しげなく与えられる快楽に負けた珠生は、舜平のされるがままだ。
そして結局、湯船の中でも幾度となく身体を繋げるふたりなのだった。
おしまい♡
京都駅を這うように上へ上へと伸びているエスカレーターに乗って伊勢丹京都内にある飲食店に向かっていた珠生は、突如として姿を現した巨大なツリーを見て目を丸くした。
「え、知らんかったん? 珠生、こっちきてもう四年くらい経つやろ?」
そういって驚いているのは、背後にいる空井斗真だ。
アルバイト先の雇用主である斗真の祖母へのクリスマスプレゼントを選んだあと、たまには眺めのいいところで昼食でも食べようかという流れになったのだった。
「存在は聞いたことあったけど……ちゃんと見るの初めてかも」
「まぁ、このさぶい中わざわざ見にこようってなんの、カップルくらいのもんやろしなぁ」
「はは、それもそうだね」
聞けば、11月頭からツリーはここに飾られているらしい。
試しにエスカレーターを降りてツリーの根元まで近づいてみると、案内板が立っていた。
このツリー、大きさにしてなんと二十二メートル。想像以上に大きくて、珠生はびっくりしてしまった。
今年は赤がテーマカラーなのか、真っ赤なポインセチアがバランスよく飾られ、金色や銀色のオーナメントがキラキラと冬の陽光を反射して輝いている。深い緑色に雪を模した白い飾りも可愛らしい。
珠生はスマホをダウンジャケットのポケットから取り出して、パシャパシャと写真を撮った。
「へぇ~すごい、大きいなぁ。すごく綺麗だし」
「俺もじっくり見んの久しぶりやわ~。なんやデートみたいやな♡」
「え? そう?」
「そーやん! いっしょにばーちゃんのプレゼント選んで、ツリー見て、これからランチやん? 完全にカップルのクリスマスデートやん!!」
「う、うん……そうだね」
斗真もまたスマホを構え、かしゃかしゃと珠生込みでツリーの写真を撮り始めた。写真に映るのが嫌なのですぐに背を向けたが、「おっ、ツリーを撮る珠生の写真もめっちゃ可愛い~!! 優征に送りつけて自慢したろ」とウキウキしている。
「それより、なんか寒くなってきちゃった。早くお昼食べに行こうよ」
「うん、うん、せやな! いこいこ! 何がええ? ばーちゃんから『珠生ちゃんにおごってあげて』って言われてんねん」
「社長、太っ腹だなぁ。うーん、なににしよう」
「ほな焼肉でもいこか! 京都タワー見えるとこあんねん!」
「へぇ、いいね。いこっか」
「うん♡」
珠生よりふたまわりは大きな図体をしている斗真が、ぽわぽわしながら大きく頷く。白いダウンを着ているので、なんだか毛のフサフサした大型犬に懐かれているような気分だな——と珠生は思った。
明るい茶髪に耳には小さなフープピアスをきらめかせている斗真は、一見したところ夜な夜なクラブで踊り明かしていそうなパリピに見える。だが実際はバスケ一筋のウブで真面目な大学生だ。
今年も結局クリスマスを共に過ごせそうな女性とは巡り会えなかったらしく……というか二日前にフラれたばかりで、大学のカフェテリアでしょんぼりしていた。
——だから俺でクリスマスデート気分を味わってるってことか……まぁ、そういうことならちょっとくらい付き合ってあげないと。
といっても、珠生には舜平がいるのでランチを食べるくらいのことしかできない。
今もスマホで焼肉屋のメニューを開き、「なぁ、何食べる? いっちゃん高いやつでもええで♡」とニコニコしている斗真だ。
——早く可愛い彼女さんができたらいいのになぁ。こんなにいいやつなのに……。
冬真のスマホを覗き込みながら、珠生は心の底から友人の幸せを祈るのだった。
◇
「へぇ、それで焼肉食ってきたんや」
「ん……ぁ、ふぅっ……」
「あそこやろ? 伊勢丹の上のほうんとこ」
「そ、そう……っだけど、ァっ……」
「ええなぁ……俺はなかなかお前と出掛けられへんのに、あのでっかい子……斗真くん? は珠生とデートできて」
「ん、んっ……や、イク、イっちゃう…………っ」
パン、パンッ……と深いグラインドで珠生の中にペニスを突き立てながら、舜平は羨ましげにそう言った。
バイトが終わってから夜遅くに沖野家にやってきた舜平に玄関で抱きすくめられ、すぐさまベッドへ連れ込まれた。ちなみに父・健介は忘年会込みの泊まりがけの研修会で不在である。
すでに冬休みに入っている珠生だが、大学院生の舜平には見守らねばならない実験があったり先輩たちの卒論を手伝わねばならないといった用事があり、なかなかゆっくり会うことができていない。
キスをしがら「今日、どうしてたん?」と尋ねられ、「斗真と……社長のプレゼント、買って。お昼食べて……」などと取り止めのない会話をしているさなかにも服を脱がされ、全身にキスを降らされて、あっという間にトロトロにさせられてしまった。
舜平が来ることがわかっていたから、シャワーを浴びながらすでに後ろの準備もしてあった。
ねだればすぐに舜平の剛直が珠生の中に挿入され、キスをしながらいきなり最奥深くまで穿たれて、それだけで軽く達してしまった珠生だ。そこからは緩急つけた舜平の責めに、ただひたすら喘がされるばかりである。
「ツリーも見たんや。……そういや、しょっちゅうグランヴィアに呼び出されんのにツリーまともに見たことなかったな」
「はぁっ……はぁ、ンっ……ん」
「きれいやった?」
「んっ……うん……きれい、だった」
「ライトアップされたやつも見たか?」
「みて、ない……すぐかえった、し……、ぁっ……ちくび、やだっ……」
太ももを大きく開かされて舜平のピストンに揺さぶられながら、さらには薄い胸にまでねっとりと舌を這わされて、珠生はたまらず腰を捩って身悶えた。
だが舜平はなおもみだらな腰遣いをしながら、じゅる、じゅっ……わざとらしく音を立てて珠生の胸の尖りを吸い、しかもゆるく勃ち上がったペニスまで扱いてくる。
内側のいいところを擦り上げてくる舜平の切先に煽られて腰が揺れ、いつの間にか全裸にされてしまった白い肌はうっすらと桃色に染まっている。
身をくねらせながら舜平の頭を抱く珠生の声と濡れた音が、静かな部屋の中に淫らに響いていた。
「ぁん、っ……やぁっ、はぁっ……ン、んっ……」
「エロい声、めっちゃ可愛い。……きもちええ?」
「ん、ぅん、……っ、はぁ、ねぇ、また、またくるっ……ぁ、あ」
「っ……めっちゃ締まる……俺も、そろそろイってもええか?」
「ん、うんっ……」
身体を起こした舜平が、汗を含んだ黒髪をかきあげた。
はだけたシャツの前から逞しい身体の美しさや、ゆらゆらと責めをやめない淫らな腰の動きを見せつけられるたび、舜平の男の色香に酔わされる。
うっとりと自分を見上げる珠生の視線に気付いたのか、舜平が陶然と微笑んだ。
「……どした?」
「ん……なんでもない……っ、アっ……も、だめ、イクっ……!」
「っ……珠生っ……」
ぐずぐずに蕩けて舜平の屹立をきゅうきゅうと締めつけていた体内がひときわ強く蠕動するや、最奥で熱い体液が勢いよく迸った。
脱力しつつも珠生を潰さないように肘をついて身体を支える舜平の逞しい背中に腕を回して、珠生もびく、びくんっ……と身体を震わせながら余韻に浸っていた。
「はぁ、ぁっ……ふ……っ」
「珠生……あかん、良すぎる……」
「ん、まって、抜かないで」
「っ……」
久方ぶりの逢瀬での濃厚なセックスだ。痺れるような快楽の余韻からまだまだ抜け出したくなくて、珠生は四肢をつかってぎゅっと舜平にしがみつく。
自然と唇が重なり、熱くとろけた舌を絡め合う。舌が擦れ合うと、性懲りもなくふたたび腹の奥がきゅんと疼いて、舜平が「ぅっ……」と声を漏らした。
「……お前としてたら、なんぼでもやれてまうから怖なるわ」
「ん……もう一回?」
「……ちょ、あかん。一旦落ち着かしてくれ。このままヤってたら朝になってまう」
「あっ……」
それでもいいのにな……と思う珠生だが、舜平はゆっくり腰を引いてペニスを抜いた。とろりと溢れ出す白濁を感じて、珠生はまた小さく熱いため息を漏らす。
「風呂上がりのお前がエロくてすぐがっついてしもたけど、ほんまは明日か明後日、どっか出掛けへんかて誘おうと思っててん」
「へ……そうなの?」
「大階段とこのツリー見たことあるか聞こうと思ってたら、もう行ったとか言うやろ。……がきくさいけど、ちょっとおもろなかってんな」
背後から抱き抱えられながら、舜平と湯船に浸かる。もたれかかった舜平の胸板を背中に感じていると、舜平が苦笑しつつそう言った。
舜平を見上げ、珠生は「ご、ごめん……」と謝った。
「いやいや、全然いいねん。友達との時間も大事やし」
「うん、まぁ……そうだけど」
「俺、そんな嫉妬深いほうちゃうかってんけどなぁ……」
そういってぼやく舜平の困り顔が妙に可愛らしく見え、珠生は肩をゆすって小さく笑った。
「ふふ……じゃあさ、明日はライトアップしたやつ見に行こうよ」
「せやな、そうしよか。ついでになんか食いに行こ」
「うん。……ああ、楽しみだなぁ」
首を伸ばしてキスをせがむと、苦笑を残した舜平が応えてくれる。体勢を変え、舜平の上に跨ってさらに深く唇を重ねるたび、リップ音が浴室の中に反響した。
「めっちゃ寒いから厚着しろよ。珠生、寒がりやねんから」
「わかってるって」
「……てかこの体位あかんて。ひょっとして誘惑されてんのか? 俺」
「ゆ、誘惑してるわけじゃないけど」
「まだものたりひんねやろ? ……どこでしたいん?」
「あ」
ちゅ、と首筋にキスをされ、耳たぶを甘噛みされる。
舜平の指が脇腹から上へと這い上がってくるくすぐったさに期待感がこみあげて、珠生は思わず笑みをこぼした。
「も……もう一回、ベッドでしたい、かな」
「ははっ、今日はえらい素直やん。……めっちゃ可愛い」
「だ、ダメだってここで、これ以上……っ、ぁ、のぼせちゃう……んんっ」
「ん……でも、もうちょい」
「ちょっ……舜平さんてばっ……」
熱い湯で火照った珠生の肌に舌を這わせながら、舜平がいたずらっぽく笑う。惜しげなく与えられる快楽に負けた珠生は、舜平のされるがままだ。
そして結局、湯船の中でも幾度となく身体を繋げるふたりなのだった。
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