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空の旅

この手に限る

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「そういえば、ほとんどシールド機能あんまり使ってないね」
 そういえばサヨがいる場合は常に動き回るので1人で戦闘した時くらいしか使用していない。
「そのシールドってあの攻撃を防ぐことができるのか?」
「できる、と言い切りたいけど保証はできないかなぁ……」
「サヨ」
「なあに?」
「敵の攻撃をギリギリまで引き付けてシールドがちゃんと機能しているか確認してくれる?」
「いいよー」

 サヨが前に飛び出して化け物に近づき、化け物の攻撃をギリギリで回避していく、時折水風船が弾ける音が聞こえるのでシールドが機能しているのだろう。

「どうだった?」
「一応機能してるっぽいけど、アレが力をこめた攻撃は防げてないっぽい」
「つまり全部は防いでくれない感じだね、じゃあ回避した方がいいな」
「よし、あまり長く持たないけどシールドの強度を10倍にしてやろう、ただし1時間しか持たないし、次の再チャージに3時間かかる、まぁこれで最後の戦闘のハズだから全力でもいいかなって思ったわけで」
「それならいい作戦がある」
「それは本当に大丈夫か?」
「あぁ問題ない、早速強度を10倍に上げてくれ」
「わかった」
 いままでシールドの発生装置は無音だったが強度を10倍に上げた結果、モーター回転する音が聞こえるようになった。

「サヨ、前の大型砲で行こう、もうああいうのじゃないと倒せそうにないと思う」
「……わかった、でもシールドの範囲から余裕でとびだすよ?」
「そこは頑張って防ぐから」
「頼りにしてるね」
「まかせれ」

 サヨが化け物の目に銃弾を当てると化け物はしばらく悶えてから大人しくなったおそらく目の修復を優先しているのだろう、その間に大きく距離を取ってからこの前のような大きな銃を召喚してエネルギーを溜めていく。
「今回は前より威力上げるので時間がかかります」
「どれくらいだ?」
「30分ほしいかな、少なくても10分」
「長いな、じゃあ残りの弾とグレネードをいくつかを先に渡してくれ」
「はーい」
 サヨが元気良く返事をすると自分に防弾チョッキやプロテクターなどが装備され、それに装着されるかたちでマガジンやグレネードが装着される、さらに左腕には小型にシールドも装備されておりまさにフル装備状態だ。

「めっちゃかっこいいじゃん」
 純粋な感想と思わず笑みがこぼれる。
「いいでしょー」
「じゃあ防御は任せてくれ」
「うん、まかせた私は最高の一撃を用意してるから」
「そっちはまかせた」
「まかされた」
 

 話しているうちに化け物の目が回復したようでガラスを引っ掻いたような叫び声を上げながら触手を伸ばして攻撃してくる。
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