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背中に下ろした剣の重みの分頰が緩む。シャフラに手伝ってもらって普段はあまり着ないようなフリフリじゃなく動きやすい服を着た。デュハンはもう次の雇用先が決まったようだが、仕事を終えるといつもここに帰ってくる。
「ラゼーネ様っ、今日も素敵です!」
「ふふっ、ありがとうシャフラ」
シャフラの手で邪魔にならないように結い上げられた髪にはお揃いのバレッタを留められている。これをプレゼントしたときの彼女は嬉しすぎたのか大号泣で愛らしい顔が台無しだった。
シャフラは玄関までついてきてふんわりと笑った。
「お気をつけて行ってきてくださいね」
「ええ、勿論よ。いい知らせを楽しみにしてて」
「はい。行ってらっしゃいませ」
今日は念願の冒険者デビュー。冒険者ギルドで昨日登録して、初めてのクエスト。ランクが低いからまだまだ簡単な依頼しか受けられないけれどもゴブリンの討伐5体の討伐はその中でも難しいものだという。
剣の手入れは完璧。あとはゴブリンに出会うまで草原を歩くだけだ。
「ん。あれはゴブリン、かしら?」
水際で焚き木をして騒いでるゴブリンは約3体ほど。周囲には何体か散らばっていて全部で10体弱だろうか。装備品はまちまちで棍棒を持っているやつと短剣を持っているやつがいる。
何体かのみおびき寄せて討伐する方が安全かもしれないが、近接武器しか持っていないところを見るに強さにもよるが普通に倒せるかもしれない。どう立ち回るべきか考えゴブリンから死角となる方向に移動した。大きく空気を吸い込み短く吐く。
「はぁっ」
瞬間、駆け背に刺した剣を抜き一閃する。ゴブリンの首2つ宙に舞い血が草原を染める。相手が敵襲だと気づく前にもう一本の剣を振り抜きひとつふたつと肉塊に変える。
見る限りあと5体。振り抜かれた棍棒を上体を捻って避け、剣を突き刺す。足で土塊を蹴り視界を潰した上で距離を取り直し剣を三度振るう。残り2体。握り直した剣に短剣がぶつかり少し嫌な音が響く。もう一本を叩きつけるように力任せに短剣にぶつけると高い音が鳴って短剣が折れる。その勢いのまま剣を2度振ると全てのゴブリンが地に伏せた。
「うわぁ、ゴブリンの血の色気持ち悪いわね」
鈍い青色に染まった剣を振って血を飛ばしてから鞘に戻す。短剣をガーターベルトから外しとんがった両耳を切り取る。討伐数の偽装を防ぐために2つで1セットとしてギルドに提出しなくてはならない。だから多少気持ち悪くても我慢。半分涙目になりながら心臓部分を抉ってモンスター特有の核を抉り出す。核は国が買い取ってくれて怪我を治すポーションというものに使われるらしい。
「ふぅ、こんなところかしら」
袋に詰め込んだ耳と核を見て顔をしかめながらため息をついてギルドに行く、その前に川でベトベトした血を流そうと思いため息をつく。血で汚れるほどにまだ未熟な自分に悔しく思いこれからはもっと鍛錬を頑張ろうと意気込む。
それでも初めての討伐がうまく行ったことに私は安心の吐息を漏らし川辺に腰を下ろした。
「ラゼーネ様っ、今日も素敵です!」
「ふふっ、ありがとうシャフラ」
シャフラの手で邪魔にならないように結い上げられた髪にはお揃いのバレッタを留められている。これをプレゼントしたときの彼女は嬉しすぎたのか大号泣で愛らしい顔が台無しだった。
シャフラは玄関までついてきてふんわりと笑った。
「お気をつけて行ってきてくださいね」
「ええ、勿論よ。いい知らせを楽しみにしてて」
「はい。行ってらっしゃいませ」
今日は念願の冒険者デビュー。冒険者ギルドで昨日登録して、初めてのクエスト。ランクが低いからまだまだ簡単な依頼しか受けられないけれどもゴブリンの討伐5体の討伐はその中でも難しいものだという。
剣の手入れは完璧。あとはゴブリンに出会うまで草原を歩くだけだ。
「ん。あれはゴブリン、かしら?」
水際で焚き木をして騒いでるゴブリンは約3体ほど。周囲には何体か散らばっていて全部で10体弱だろうか。装備品はまちまちで棍棒を持っているやつと短剣を持っているやつがいる。
何体かのみおびき寄せて討伐する方が安全かもしれないが、近接武器しか持っていないところを見るに強さにもよるが普通に倒せるかもしれない。どう立ち回るべきか考えゴブリンから死角となる方向に移動した。大きく空気を吸い込み短く吐く。
「はぁっ」
瞬間、駆け背に刺した剣を抜き一閃する。ゴブリンの首2つ宙に舞い血が草原を染める。相手が敵襲だと気づく前にもう一本の剣を振り抜きひとつふたつと肉塊に変える。
見る限りあと5体。振り抜かれた棍棒を上体を捻って避け、剣を突き刺す。足で土塊を蹴り視界を潰した上で距離を取り直し剣を三度振るう。残り2体。握り直した剣に短剣がぶつかり少し嫌な音が響く。もう一本を叩きつけるように力任せに短剣にぶつけると高い音が鳴って短剣が折れる。その勢いのまま剣を2度振ると全てのゴブリンが地に伏せた。
「うわぁ、ゴブリンの血の色気持ち悪いわね」
鈍い青色に染まった剣を振って血を飛ばしてから鞘に戻す。短剣をガーターベルトから外しとんがった両耳を切り取る。討伐数の偽装を防ぐために2つで1セットとしてギルドに提出しなくてはならない。だから多少気持ち悪くても我慢。半分涙目になりながら心臓部分を抉ってモンスター特有の核を抉り出す。核は国が買い取ってくれて怪我を治すポーションというものに使われるらしい。
「ふぅ、こんなところかしら」
袋に詰め込んだ耳と核を見て顔をしかめながらため息をついてギルドに行く、その前に川でベトベトした血を流そうと思いため息をつく。血で汚れるほどにまだ未熟な自分に悔しく思いこれからはもっと鍛錬を頑張ろうと意気込む。
それでも初めての討伐がうまく行ったことに私は安心の吐息を漏らし川辺に腰を下ろした。
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