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1章 稀代の商人
三十五、龍の証(1)
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「…いい加減諦めたらどうだ?何度やっても変わらない」
あれから数十分、龍は箱庭の結界に魔法やら物理やら、あらゆる手段を使って攻撃をしているが、物理は無効化され、魔法は吸収されて為す術がなかった。
«はぁ…はぁ…くっ、化け物だろお前!»
「失敬な、歴とした人間だ。
…まぁ良い、折角の龍だ。色々と実験させて貰おう。
今のところ、俺の周囲だけに展開しているこの結界…これを、最大範囲に広げ、俺の周囲にも1枚残しておく。
これで、箱庭内で敵と味方を区分したこととなる。もう逃げられないぞ」
«なっ…二重結界だと!人間に…こんな人間に出来るはずが…»
「そうだな。物理攻撃を鍛えるには、相応のものを攻撃しなければいけない。
その為…まずは、物理で攻撃させていただこう。
幸い、魔力は無限だし…
〘反射蠍剣〙」
«なっ…ぐっ、いたっ…ちょっ、致命傷じゃないけど地味に痛い!»
「蠍剣は、いくつか形に種類があるが、今回は中央に持ち手があり、その中央から一直線線上に2本刃があるのを採用している。
名前忘れたが…何処かの漫画で見たように、特定の場所に当てることで軌道を変化させることができるのを応用し、結界内に反射結界を用意して永遠と反射させている。
まぁ、この方法で取るのは…
"出血多量による死亡"
だが、お前にまだ使い道があるからな…
〘ヒール〙」
«なっ…か、回復魔法!?龍に対する回復魔法は根源の修復とも言われているのに…»
「安心しろ…俺が使っているこのヒールは、回復ではなく再生させるようにしてある。
そのおかげで、どの種族にも有効だ。
さぁ、この永久機関のおかげで俺のステータスどんどん上がり続ける。
もっと生きながらえてくれよ」
とは言っても…第1の魔力供給も無限というわけではない。なんせ、確かに植物の量は溢れているが、1個1個の供給量はさほど多くないからだ。
ここもあの世界の改善点だな。
だがまぁ、今回は蠍剣しか魔力を使っていないからか、供給の方が上回っているが…
「ああ、そういえば…筋肉や骨なんかは破壊と再生を繰り返して強くなるんだったか…ならば、多少の痛みはあれど自身に回復を掛けながら鍛えてみよう。
そうだな…〘闇魔法:影渡り〙」
そう唱えた瞬間、彼は龍の真下にある影へと渡り、下から思いっきり攻撃した。
「〘ヒール〙…骨が折れたな。むぅ…やはり鍛えていないのが悪いか…
ん、そういえば守護力の回復には今まで自然力の変換を使っていたが…実際、回復には何を使うんだ?」
【守護力】
神秘属性と呼ばれる神やそれに類似した者から加護や祝福、恩恵等を受けて能力として発現する。
回復は、自然回復か、神秘属性の物を吸収する必要がある。
「ふむ、神秘属性…ねぇ」
«もう…もうやめてくれ…»
「何だ、龍と言っていた割には、諦めが早いな」
«ちくしょう…なんで、なんでこんなとこにバケモンが…»
「ふむ…よし、龍よ。お前に選択肢をやろう!」
彼はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、龍にそう提案した。
«選択、肢?»
「1つ、このまま俺の糧となって死ぬ。
2つ、俺に従属して俺のものとなり、生き延びる。
3つ、俺の傀儡となり、永遠に俺の道具となる」
«あってないようなものじゃねぇか…2番、2番にする!»
「了解だ」
箱庭は、具体的に言えば次元ではなく、事象を操る能力だ。
例えば、先程から使っている結界。
これらは、"魔法攻撃"という事象に干渉して、魔法の概念である"魔力"を分解して、"吸収"する。
この事象を操る能力を使えば、従属することも可能となる。
「"箱庭よ、彼の魂を支配し、我の物とせよ"
…よし、これで完了だ。
だが、この力は従属と言っても、相手の承認が必要なのが少し厄介だな」
あれから数十分、龍は箱庭の結界に魔法やら物理やら、あらゆる手段を使って攻撃をしているが、物理は無効化され、魔法は吸収されて為す術がなかった。
«はぁ…はぁ…くっ、化け物だろお前!»
「失敬な、歴とした人間だ。
…まぁ良い、折角の龍だ。色々と実験させて貰おう。
今のところ、俺の周囲だけに展開しているこの結界…これを、最大範囲に広げ、俺の周囲にも1枚残しておく。
これで、箱庭内で敵と味方を区分したこととなる。もう逃げられないぞ」
«なっ…二重結界だと!人間に…こんな人間に出来るはずが…»
「そうだな。物理攻撃を鍛えるには、相応のものを攻撃しなければいけない。
その為…まずは、物理で攻撃させていただこう。
幸い、魔力は無限だし…
〘反射蠍剣〙」
«なっ…ぐっ、いたっ…ちょっ、致命傷じゃないけど地味に痛い!»
「蠍剣は、いくつか形に種類があるが、今回は中央に持ち手があり、その中央から一直線線上に2本刃があるのを採用している。
名前忘れたが…何処かの漫画で見たように、特定の場所に当てることで軌道を変化させることができるのを応用し、結界内に反射結界を用意して永遠と反射させている。
まぁ、この方法で取るのは…
"出血多量による死亡"
だが、お前にまだ使い道があるからな…
〘ヒール〙」
«なっ…か、回復魔法!?龍に対する回復魔法は根源の修復とも言われているのに…»
「安心しろ…俺が使っているこのヒールは、回復ではなく再生させるようにしてある。
そのおかげで、どの種族にも有効だ。
さぁ、この永久機関のおかげで俺のステータスどんどん上がり続ける。
もっと生きながらえてくれよ」
とは言っても…第1の魔力供給も無限というわけではない。なんせ、確かに植物の量は溢れているが、1個1個の供給量はさほど多くないからだ。
ここもあの世界の改善点だな。
だがまぁ、今回は蠍剣しか魔力を使っていないからか、供給の方が上回っているが…
「ああ、そういえば…筋肉や骨なんかは破壊と再生を繰り返して強くなるんだったか…ならば、多少の痛みはあれど自身に回復を掛けながら鍛えてみよう。
そうだな…〘闇魔法:影渡り〙」
そう唱えた瞬間、彼は龍の真下にある影へと渡り、下から思いっきり攻撃した。
「〘ヒール〙…骨が折れたな。むぅ…やはり鍛えていないのが悪いか…
ん、そういえば守護力の回復には今まで自然力の変換を使っていたが…実際、回復には何を使うんだ?」
【守護力】
神秘属性と呼ばれる神やそれに類似した者から加護や祝福、恩恵等を受けて能力として発現する。
回復は、自然回復か、神秘属性の物を吸収する必要がある。
「ふむ、神秘属性…ねぇ」
«もう…もうやめてくれ…»
「何だ、龍と言っていた割には、諦めが早いな」
«ちくしょう…なんで、なんでこんなとこにバケモンが…»
「ふむ…よし、龍よ。お前に選択肢をやろう!」
彼はニヤリと不敵な笑みを浮かべ、龍にそう提案した。
«選択、肢?»
「1つ、このまま俺の糧となって死ぬ。
2つ、俺に従属して俺のものとなり、生き延びる。
3つ、俺の傀儡となり、永遠に俺の道具となる」
«あってないようなものじゃねぇか…2番、2番にする!»
「了解だ」
箱庭は、具体的に言えば次元ではなく、事象を操る能力だ。
例えば、先程から使っている結界。
これらは、"魔法攻撃"という事象に干渉して、魔法の概念である"魔力"を分解して、"吸収"する。
この事象を操る能力を使えば、従属することも可能となる。
「"箱庭よ、彼の魂を支配し、我の物とせよ"
…よし、これで完了だ。
だが、この力は従属と言っても、相手の承認が必要なのが少し厄介だな」
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