箱庭の支配人──稀人は異世界で自由を満喫します?

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1章 稀代の商人

六十一、第三世界(2)

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「ガラハド!」

「ん?ユーグか、どうしたんだ?」

「…朝陽とは呼んでくれないのか?」

「ばっ…それは他の奴らが居ない時にな。
それで、なんだ?用があったんじゃないのか?」

「あ、そうそう。なぁガラハド、魔王城って何処にあるんだ?」

「魔王城?ああ、こっからだと遠いから…着いてこい、転移陣が地下にあるから、基本的に俺達はそこから会いに行くんだ」

「わかった」

ガラハドの後ろ姿を見ながら、俺は共に城の地下へと向かった。

「…そういやさ、なんであの時俺の名前を知ってたんだ?」

「名前?」

「ああ。だって俺、この世界に来てから本名を名乗ったことはないからさ。
俺の本名を知ってるのはユグドラシルくらいだと思ってたが…」

「うーん、俺にもそれは分からんな。
だが、あの時その名が頭ん中に響いてな。
叫べって、お前を呼べと声が聞こえたような感じがしたんだ」

「ふーん…」

「なんだ、不服か?」

「いや?ただ…そういうのを運命って呼ぶのかなって思ってな。
 ただまぁ、俺はその名を気に入ってるけど…ガラハドが呼びやすい方で呼んでくれて構わないぞ」

「そうか…んで、朝陽。魔王城…というか、お前の場合魔王の方か?
あいつに何の用なんだ?」

「うん?ああ…ちょっと別世界を作り出そうと思ってな。魔力溜まりはこの近くにないから、前に聞いた魔王からちょっと貰おうかと思って」

「へぇ~…はぁ!?世界を作る!?」

「あれ、言ってなかったか?
俺の魔力やら資材は基本的に創り出した別世界から運んできてるんだ。
あ、別世界で思い出した。
ギルマスと、あと勇者候補の2人が俺達に指南して欲しいらしくてな。
丁度暇だったし、お前の全力も見ておきたいから了承しておいた」

「おう、わかった。…って、そうじゃなくて!
その世界、1回見せてくれないか?」

「え?…あぁ、まぁ別に良いが…今はちょっと1人用しか作れないから、かなり密着しないと転移出来ないんだが…」

「それでもいいから」

「わ、わかった」

俺はガラハドに抱きしてもらい、そのままギリギリ範囲に入るかどうかのくらいまで箱庭を広げて転移した。

「っっ…くっ…やっぱ修復が先か…ふぅぅ…取り敢えず、修復だけ先に進めておかないとな…
さて、ガラハド。取り敢えずここが第1世界だ。
もう一個、採掘用の世界があるがそこはまた今度にしてくれ」

「…すげぇ…すげぇこれ!
朝陽、回復したら定期的にここに連れてきてくれないか!」

「え?あぁ、まぁ良いが…」

「ここは落ち着く…気持ちが休まるんだ。
…あ、なぁ!ここに家建てられないのか?」

「あぁ、そうか…確かにそうだな。
今度また建てておかないとなぁ」

「なら、東方大陸の畳ってやつ今度探しておくから、それにあった奴を建てられないか?
確か…木造建築?なんだろ?」

「(!へぇ…東方大陸…日本と同じような大陸があったのか…)
いや、その必要はない。畳は俺も知ってる。というか、前世にもあったものだからな」
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