箱庭の支配人──稀人は異世界で自由を満喫します?

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1章 稀代の商人

六十五、試運転(1)

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「ガラハド、ルーシー。試運転をするから一緒にきてくれ」

「ああ、分かった」

俺達は密林へと転移して、説明を済ませてから試練を始めた。

「取り敢えず…そこら中に敵が居るから、弱点の気配を辿ってそこを攻撃してくれ」

「弱点の気配とはなんだ?」

「それは自分で掴め。ガラハドは…分かるよな?」

「ああ…
生気が集中しているところは基本的に脳や心臓とかがあって、
自然力が集中しているところには核が、
そして、最後にどこにも気配が感じられない場所は、防御が脆い」

「そうだな。んで、こんかい作った奴らは基本的にその生気と自然力の計3つをバラバラに設定してある。
だから、蛇の見た目をしていても頭に脳があるかもしれないし、しっぽに脳があるかもしれない。
 んで、この密林は奥に向かうほど難易度が高くなってるんだが…その境目だけはどうしようか迷っててな」

「ああ、なるほど…そのための試運転か」

俺達はお互いの顔を見て、直ぐに密林へとバラバラに入っていった。

「さてと…この先は、箱庭の探知能力は抜きにして鍛えていかないとな。
それに…魔物達の微調整もしていかないと…あ、そうか…普通のヤツからしたら、生気なんてのは感じないな。地球がそうだったし…
こっちの世界だと、常に生と死の狭間で戦闘を続けているしな…
…よし、じゃあ…あれだな。死の恐怖を感じながら戦わないとな…
なら、設定は…ええと、敵から攻撃が当たった瞬間に死の恐怖を状態異常として感じるようにして…
この世界限定で、称号等の無効化は消しておいて…
よし、ひとまずの設定は完成だ」

その後、俺は周囲に気を配りながら、迫り来る恐怖を常に感じながら、森の中へと足を進めた。

「…ハハ、1度目の死は何かと後悔しかない死に方だったが…2度目の人生じゃあ、この感覚が生きている感触を得られる経験とは…
死に好かれてるのかね、俺は…」

ひしひしと感じる死気を振り払い、ひたすら前へと進んでは、気配のない敵を冷静に対処する…
冷酷となれという試練ではないが、そうなっても可笑しくない状況だ。

「…だけどまぁ、俺が狂わないのはやっぱ…ガラハドが隣に立ってくれているからだろうな。
っと、もう着いたのか?
うーん、些か短すぎたか?
少し上を見てみよう」

しかし、彼の考えは全く違っていた。
境界となる部分から上へと飛んでみると、自身が想像していた以上に広大な森が拡がっていたのだ。

「なっ…ど、どういうことだ!?こんなに大きくなる筈が…いや待て、まさか設定に不備が現れたのか?
解析していってみないと…」
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