箱庭の支配人──稀人は異世界で自由を満喫します?

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1章 稀代の商人

六十九、覚悟という名の素質(1)

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「…うん?なんだ、ギルマスカ…って、そいつは誰だ?」

「ほぉ…ガキが商売してるとは聞いていたが…まさか、本当にガキとは…」

「で、ギルマス。こいつは誰だ?」

"ガキ"と連呼する者を無視し、俺は再びギルマスに問いかけた。

「あー…さ、サブマス…だな」

「ほぉ~…ギルドってのはここまで無礼な奴しか居ないのか?
お前ならば兎も角、事前に説明もしていないのであれば、仕方ないかもしれないが…
その様子から察するに、説明した上でこの態度か」

「あぁ?俺はこれでも侯爵家のモンだぞ?」

「だからなんだ?仮にもこの国の貴族ならば、俺の顔くらい知ってるものかと思ったが…
それで?そんな実力も礼儀も躾もなってないこんなモノを連れてきて何の用だ?」

「あー…こ、こいつもその…訓練に加えられないか?」

「無理だな。既に準備は始まっているし、俺が気に食わないのもあるが、
まず俺達がお互い持っている、最低限鍛える資格というのは、俺たちに着いてこれる実力があるか、
もしくはその素質を持っているかどうかだ。
だが…なんだその駄犬は?人間ならば上位の方に入れるのか知らんが…俺達の前じゃあそこらの雑魚どもと変わらん!
連れてくるならもう少し人を見る目を磨いたらどうなんだ」

「おいおい…散々な言われ様だな!
だったら、俺と戦ってみろよ!」

「まだ実力差も分からんのか…良いだろう。
だが、ここじゃあ少し手狭だな…"空間拡張"」

その言葉に反応し、店の中は端が見えないほど拡がっていった。

「さぁ、どこからでもかかって来い」

「(おいおい…前にも見たがやっぱり異次元過ぎるぞ…
こんな化け物の訓練なんざ、死ぬ覚悟をした方が良さそうだ…)」

「"影移動"」

「"太陽"」

「「なっ…」」

「言っただろ、"素質のない者"とな。
お前程度で…俺に傷を付けられると思うなよ?」

「バ、ケモノが…くっ…」

「ふぅむ…影を使うなら、影を無くせば良いと思ったが…手段が無くなった程度で立ち止まるとはな…まぁ、良い。お前の得意なステージに変えてやるよ。
"空間展開:夜"」

その途端、今度は一気に夜の景色へと変化し、辺り一面真っ暗になった。

「ふむ…魔法も中途半端、スキルも中途半端、攻撃も中途半端…一体何が素質と呼べるのだ?
影とは言わず、夜ごと支配すれば良いだろうに…それともなんだ、か?」

「くっ…そがぁぁぁ!
お前に…お前に何が分かるんだよ!
ああ、そうかよ!生まれた時から才能ある奴が努力してる奴をバカにしてんじゃねぇよ!」

「…ああ、なるほど!そういうことか!
ようやくわかったぞ、お前に対する興味が湧かない理由がな!
強者の素質がまるでないのだ、お前には。
なるほど、これで納得した」

「「…は?」」
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