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第三章 学校が始まるまで

60話

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その後、街をぬけ、私達は邸に着いた。


「やっと着いたな!

  俺は、この後の予定もねーし
  部屋で、もう一眠りしてくるから
  誰も、起こしに来るなよー。」

グレンは、そう言い
荷物を持って、先に自分の部屋へ
戻ってしまった。


「それなら、僕も少し寝てこようかな?
  姫ちゃんは、どうする?

  もし姫ちゃんも、部屋で一眠りするなら
  部屋まで、荷物を持って行ってあげるよ?」

ロアンは、そう言い私の事を
気づかってくれた。

「うーん...どうしようかな?...

  ジーク先生は、この後どうするんですか?」

私は、悩んだ末ジーク先生に
聞いてみる事にした。

「俺も、久々のオフだから
  部屋で少し寝て、休もうと思う!」

ジーク先生が、そう言うので

「みんなが、休むなら
  私も、少し部屋で休もうかな?」 

本当は、魔法の特訓もしたかったが
みんなも、疲れているだろうし、
そこは、黙って置くことにした。

「それなら、このまま一緒に戻ろうか?」

ロアンは、そう言い
私の分の荷物を持ってくれた。

「私達は、メイド長への連絡もありますので
  姫華様は、先にお部屋に行って
  休んでいてください。
  
  ロアン様、姫華を部屋まで
  お送りするのをお願いしても
  よろしいでしょうか?」

アンナが、そう言うと

「僕は初めっから、そのつもりだよ!
  
  それじゃ、姫ちゃん行こうか?

  ジーク先生、俺達
  先に失礼しますね!」

ロアンが、そう言うと、
アンナと、エイミーは一礼し
ラーナの元へ、向かって行った。


「ロアン、ちょっと待ってて!」

私は、そう言いロアンに
少し待っててもらった。   

「ジーク先生、いろいろ
  ありがとうございました。
  ゆっくり、休んでくださいね!

  それでは、先に失礼します。」

私は、ジーク先生の前まで行き
お礼を言った。

「こっちこそ、いろいろ助かった!
  ありがとな!!ゆっくり休めよ。」

ジーク先生は、そう言い
私達を階段の方まで、見送ってくれた。






ロアンと部屋の前に着いた。

「ロアン、ありがとう!
  荷...」

私が、そう言いかけていると

「この荷物、重いから
  部屋まで持って行ってあげるね!」

そう言い、ロアンは
部屋の中まで、荷物を運んでくれた。

「荷物まで、ありがとう!」

私がそう言うと

「お礼なら、キスの方がいいかな?」

ロアンは、そう言い私の腰に手を回した。

「ちょっ!ちょっと!!」

私が、そう言っても、
ロアンの顔は、どんどん近づいてくる。

「ねぇ、ロアン!!...待って!!」

私が、そうロアンに言いながら
抵抗しようとすると

「ごめん、ごめん、
  冗談のつもりだったんだけど

  つい、姫ちゃんの顔見てると
  本気で、キスしそうになってた。」

ロアンは、そう言い謝ってくれた。

「もしかして、この悪ふざけの為に
  部屋まで入ってきたの?!」

私は、そう言いロアンに少し怒った。

「まさか!!僕はただ、
  姫ちゃんと、もう少し一緒に
  居たかっただけだよ!
   
  でも、さっきの冗談は
  びっくりしたよね?ごめんね。

  僕は、もう部屋に戻るから
  ゆっくり休んでね!」

ロアンは、そう言い
部屋を出て行こうとしている。

「まって!」

私は、部屋へ戻ろうとしていたロアンを
咄嗟に、引き止めてしまった。

「あっ...いや...えっと
  あっありがとう。」

ロアンが、もう少し一緒に居たいとか
言うから照れてしまう。

なんで、ロアンを
引き止めたかも、分からないし
もう何してんだろ私?...恥ずかしい。

私が、モヤモヤしていると


「はは!姫ちゃん顔も耳も
  すごく赤いよ?

  そんな顔されたら、我慢できないよ!」

ロアンは、そう言い
私の所へ来て、私を抱きしめた。






「...ごめん...

  ...理性が保てなくなるから、
  やっぱり今すぐ部屋に戻るね。」

ロアンはそう言い、抱きしめた
私を離して、一目散に部屋へ戻ていった。

「..もう、何してんだろ...。」

こんな事で、照れている自分が嫌だし
本当に、何してんだろ?私...

私は、ベッドの方へ行き
横になっていたら
いつの間にか、寝てしまっていた。


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