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第四章 魔法学校へ

67話

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「えっ?私?」
 
私が、そう答えると

「ごめんね、ビックリしたでしょ?
  
  アイザックも、
  いきなり名前を聞くなら
  自分から、名乗りなさいよ!!」

ミアはそう言い
彼に注意をしていたので
きっと彼とは、
知り合いなのだろう。


「ごめん、ごめん。
  俺の名前は
  アイザック・リシェル
  
  ミアとクレアとは、1年の時も
  同じクラスだったんだ!」

そう、自己紹介をしてくれたので
私も軽く、自己紹介をした。

「私の名前は、姫華・ラービア

  ミアとクレアとは
  ミアのお兄さんの紹介で
  さっき、仲良くなったの!」

私が、そう言と


「レオさんと、リオさんと
  知り合いって事は
  君が、マフィアの
  ボスの娘っだよね?

  今日、始業式前から
  ずっと噂になっていたよ!

  俺さ、マフィアの先輩達に
  憧れてんだよねー!

  俺にもスカウト来ないかな?」

アイザックが、そう言うと
周りの人達の視線が
こっちに
向いている気がした。


「えっ?!マフィアに
  いる人達って
  スカウトだったの?」

私が、そう尋ねると

「知らなかったの?!

  幹部メンバーも
  それ以外の人も
  邸のお手伝いさんまでもが
  みんな、スカウトだよ!」

アイザックが、そう言うと

「そういう事は
  知らなくていいの!

  きっと、それほどまでに
  大切に、育てられてきたんだわ!」

クレアは、少し勘違いをして
そう言ってくれた。


私達が、そうやって話していると


「マフィアの娘さんって
  聞いていたから
  あまり、話しかけては
  いけないものだと、思ってました。」

「思ってたより
  明るい子で安心した。」

「これからも
  気軽に話しかけていい?」


何名かの、クラスの子達が
私に、話しかけに来てくれて
そして、他愛もない会話を
するうちに仲良くなってくれた。



その後、教室の扉が開き
先生らしき人が入ってきた。


「はじめまして、今日から
  このクラスの担任になる
  フレディ・アティガスです!

  よろしくお願いしますね!」

先生はそう、あいさつをし

教科書のような本と
手紙を数枚配った。


「今日は、特に授業は無いですが
  後から、全体での
  魔力テストとします。

  魔力テストは、
  魔法強化の
  授業のために行います!
 
  そして、魔法強化の授業は
  学年関係なく
  分けられた組分けで
  授業をする
  特別授業になります。」

先生が、そう説明をしてくれた。


それからも、
オリエンテーションのように
授業や、担当の先生
ここで学ぶ事など
いろいろな、説明があった。


その後、全校生徒が
校庭に集められた!

校庭はすごく広く、各学年ごとに
魔力と、使える魔法のテストが
始まろうとしていた。


「テストを、始める前に
  いくつか説明があります。

  毎年の恒例ではありますが、
  本日も、王族の方と
  マフィアの方が
  見学に来られてます。

  それと、体調が悪くなったり
  ケガをした生徒は中央の
  白いテントまで来るように!

  ここの卒業生で
  治癒魔法の保持者の
  ジーク先生がテント内で
  待機しています。

  では、皆さんテストを
  始めてください!」

そう言われ、各学年の
テストが始まった。



すると、緊張のせいか
ケガする人や、
体調が悪くなった生徒が
少しづつ出てきてしまっていた。

「今年は、去年に比べて多いね!」

ミアはそう言い、
中央テントに並ぶ人達を見ていた。


「やっぱり、王族とか
  マフィアの人が来ているから
  緊張するんだよ!

  なんだか
  私まで緊張がうつりそう。」

クレアが、そう言い
テントの方を
見ないようにしていた。


「姫華!手伝いに来てくれ!」

ジーク先生は、
学校長からマイクを取り
私を呼んだのだ。

「えっどういう事?」

「手伝いって...
  どうして姫華なの?」

アイザックと、
ミアがそう言うように
みんなが
不思議そうにしていると

「困りますよ!ジーク先生!
  彼女は、まだテストを
  受けてません!」

フレディ先生が
別の先生から
マイクを借りて
ジーク先生へ言うと

「姫華にテストなんか
  必要ねーんだよ!

  魔力は、うちの
  マフィアの幹部連中と
  同じくらいあるし
  もう既に、2種類の
  魔法が使えるし
  そのうちの1つは
  治癒魔法だ!」

ジーク先生が、マイクを使って
フレディ先生に、言い返すと

クラスメイトを含めて
周りが、ザワつき始めた。

「幹部クラスの
  魔力って本当かよ!?」

アイザックが、そう言と

クラスの子達も
同じような事を聞いてきた。

「あっ...えっと...」

私が、戸惑っていると

「ですが...王族の方の
  見学もありますし
  基礎ですので...」

フレディ先生が
そうジーク先生に言うと


「なら、魔力を
  1度解放してみてよ?
  その大きさ次第では
  テストをパスしても
  いいんじゃないかな?」

そう言って、また誰かが
マイクを使って
ジーク先生とフレディ先生の
間に入ってきた。


「アラン王子...
  王子がそこまで言うのなら
  分かりました。
  姫華さん、準備をしてください。」

フレディ先生は、
王族?の方に言われ
私に、準備をするように言った。


「おい姫華!そのまま魔力を
  解放させたら
  周辺の奴らが、ケガするぞ!

  結構距離をとって、
  全力は出すな!」

ジーク先生に
そう言われた私は

走ってみんなから離れた。


先生は、私を
止めようとしていたが

ジーク先生が言うって事は
間違いないだろうし、
何よりみんなを
ケガさせたくない。



「“エペラスルーク”」


私は、魔力を解放した。

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