6 / 98
第一章[ミリゴ編]
パーティー登録
しおりを挟む次の日、俺とセリヤは冒険者ギルドに行った。
パーティ登録をする為にだ。
「ではここにパーティーを組む人の名前をご記入して下さい。」
受け付けのお姉さんがそう言い、俺とセリヤに紙と羽根ペンを渡す。ちなみに言っておくとこのお姉さん、超胸がデカい。
「分かったわ」
セリヤはそう言い、紙とペンを受け取ると、渡された紙の名前を書く欄に、羽根ペンで名前を書いた。
これなんかに似てると思ったら、めっちゃ婚姻届に似てるんだよなぁ……
そんなしょうもない事を考えていたら、セリヤと俺が……なんて事を妄想してしまった。かぁ~!何考えてるんだ俺は!っとまぁセリヤが紙に名前を書いてる間に気持ち悪い妄想を頭の中で展開させていた訳だが、その間にセリヤは名前を書き終わったらしく、
「はい、テツヤも書いて。」
俺に紙と羽根ペンを渡してきた。
対して俺はキモイ妄想なうだった為、
「ふぁい!?」
変な声が出てしまった。くそ、周りの視線が痛いぜ。
「よし、これでいいか?」
俺は紙に名前を書き終わると、受け付けのお姉さんにそう言い、紙と羽根ペンを返した。
紙と羽根ペンを受け取ったお姉さんは、書かれた名前を確認したあと、
「はい、これでパーティー登録完了です。パーティー専用のクエストは、ソロ専用のクエストボードの横に張り出しておりますので、クエストを受ける場合はそこから選んで下さいね。それでは頑張って下さい!」
ニコッと笑いながらそう言った。
か、可愛い!なんでこの世界の女の子はみんな可愛いいんだ!卑怯だぞ!
なんだ?このくだり飽きたって?いや、本当に可愛いいんだって!
俺は可愛らしく(胸を揺らして)笑った受付お姉さんをニヤニヤしながら見ていると、
その顔を見ていたセリヤが俺に唐突に、
「テツヤ、顔キモイ。」結構大きめの声でバッサリこう言いやがった。
痛ってぇ……その言葉、俺の胸にグサリと刺さったよ、まぁ確かに気持ち悪い事考えてた俺も俺だけどさ。
ほら、受け付けのお姉さんも引いてるじゃねえかよ!
気持ち悪い俺に対して!ちくしょう!だって仕方ないだろ!馬鹿みたいにおっぱいがデカいお姉さんにニコってされたら誰だってニヤけるって!お前らなら分かってくれるよな!?
くそ、とにかく一旦この気まずい状況を切り抜けないといけない、だから俺は無理やり顔を明るくして馬鹿みたいに明るい声でこう言った。
「と、とりあえず張り出されてるクエスト見てみようぜ!な!な!」
するとセリヤは俺の馬鹿みたいに明るい声に気圧されたのか、先程の罵倒の時の様な声色では無い、普段の声で「え、えぇ」と、言った。
ふぅ、危なかった。このままずっとさっきみたいな感じだったら俺の心が持たねぇからな。
こうして俺は突如として始まった「修羅場回避クエスト」をクリアし、本当のクエストが掲示してあるクエストボードの所にセリヤと共に移動した。
クエストボードの前に着くと、俺は上から順に掲示されているパーティー専用クエストを見ていく。
「ん……」
良いクエストが無いな。
まず、パーティ専用のクエストボードの半分以上は3、4人を前提としているであろう高難易度クエストばかり、そして残りのクエストは、逆に超簡単なクエストばかりだ。
一つ例を挙げるとすると、「パーティー皆んなでレッツ薬草掘り!」っていうクエストがある。
なんでパーティ組んでまで薬草集めなきゃなんねぇんだよ、それかなんだ?その薬草は魔王城の中にでもあるのかよ。
この時、俺とセリヤは同じ事を思っていただろう。
「良いクエストは無い」と、今掲示されているクエストの中に、俺たちに似合うクエストは無かった。
でもセリヤは何かクエストを受けたかったんだろう。何度も上からクエストの内容を読み返している。
ここに来る前、よっぽど張り切ってたもんな。今日は二人で初めてクエストを受ける日だって。
でも、ずっとここでクエストボードとにらめっこをしていても何も変わらない。
ほかの冒険者達の邪魔にもなるしな。
だから俺はセリヤに、
「今日はスライムの森でコンビネーションの練習でもするか!」
と、出来るだけ明るく言った。
その言葉を聞いたセリヤは、一瞬悲しそうな表情をしたが、すぐに
「そ、そうね!きっと楽しいわ!」
明るくそう言った。
そして冒険者ギルドの入口まで走ると、こっちに向かってブンブン手を振りながら、
「早く行きましょう!置いて行っちゃうわよ?」
そう言っている。
明らかに俺に気を使わせないように明るく振る舞ってるなあれは。
たく……演技の下手なやつだよ、しょぼくれてんの丸分かりだっての。
冒険者ギルドを出た後、特に会話することも無く、気まずい空気の中俺たちはスライムの森に歩いて行った。
そして歩き始めてから五分程経った頃、俺はあまりの気まずさにセリヤに声を掛けようとした。
こんな空気のままだったらスライムにも負けちまうよ。
俺はセリヤの方を向き、何か明るい話題を振ろうとする。
しかし、そうする前に一人の少年が目に止まった。
その少年は先程からずっと通りかかる人に助けを求めていた、表情を見れば分かる。あれは緊急事態だ。
俺はすぐにセリヤにその事を伝えた。
「一旦、話を聞いてみましょう。」
「あぁ」
こうして俺とセリヤはその少年に声をかける事にした。
「何かあったのか?」
俺は少年の近くに寄って行き、そう聞く。
すると少年は涙で潤んだ瞳を俺達に向けてこう言った。
「冒険者の方ですか?お願いします助けて下さい!僕の友達がスライムの森に居るんです!」
44
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる