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魔王外伝/テーマ:告白
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魔界の少女は魔王に恋をした。
ただ一目見ただけの一目惚れだったが、その思いは積もっていく。
どれだけ恋い焦がれようとも、相手は魔界を統べる魔王。
それでも、ひっそりと思うだけならと少女はただ一人を思い続ける。
そんなある日、魔界中が騒ぎになる自体が起きた。
魔王が城を抜け出し姿を消したと大騒ぎ。
あっという間に広がった話は少女の耳にも入り「魔王様だって息抜きくらい必要だわ」と思った。
「この果物をくれ」
少女が店番をしていると、真っ黒なマントで身体を覆いフードを深く被った悪魔がやって来た。
マントの悪魔が指差していた赤い果実を手渡すと、代金を払わずに去ろうとする。
「ちょっと、お代」
「果実一つくらいでケチくさいことを言うな」
果実一つくらいと言うならそのくらい払えばいいものを一体どちらがケチくさいのか。
赤い果実をガブリと噛じったマントの悪魔はそのまま立ち去ろうとする。
「だから待ちなさいってば」
腕を掴もうとした少女の手はマントを掴み、深く被さっていたフードがズレて顔が見える。
「あ、ッ!?」
驚く少女の口を手で塞ぐと、マントの悪魔はそのまま人気のない場所へ少女を連れて行く。
立ち止まったマントの悪魔が少女へと向き直ると、少女の顔は真っ赤に染まっていた。
「そんなに走っていないのに疲れたのか」
言葉が聞こえていないのか、少女は固まったまま動かない。
ただじっとマントの悪魔を見詰めている。
「何か言え」
「す……で」
聞き取れず聞き返したマントの悪魔に聞こえたのは「好きです」という告白。
これにはマントの男も驚き目を見開く。
「俺が誰かわかって──」
「知っています。魔界を統べるお方であり、我々が忠誠を誓う魔王様です」
マントの男の正体は、今魔界中を騒がせている魔王であり、少女が恋い焦がれていた相手。
ずっと思い続けてきた相手が目の前にいる現実に、少女は自分の身分も考えず思いを口にしたが後悔はなかった。
ひっそりと思い続けるだけでよかったはずが、本人を前にして抑えきれなくなった少女。
このまま罰を受けても構わないとさえ思っていた少女の耳に届いたのは笑い声。
口を大きく開け豪快に笑う魔王は、身長差がある少女の頭をワシャワシャと撫でる。
そんなことをされても怒るどころか顔を耳まで赤くする少女の思いは本物だ。
「貴様、俺の噂を知らぬのか?」
「知ってます。女性にだらしなくて自分に刃向かう者には容赦なく残虐の限りをしつくすのですよね」
明らかな悪評だというのに、少女は瞳をキラキラと輝かせ話す。
その勢いに一瞬押された魔王だったが、ニッと笑みを浮かべ羽を広げると少女を抱きかかえて空へと上がる。
「城へ戻る。貴様も来い」
「え? えっと……」
「俺の命令だ。拒否権など存在せんぞ」
その後暫くして魔王は后を迎え、生涯一人を愛し続けた魔王。
女にだらしがないという噂はいつの間にか消え去り、何百何千の時が過ぎても魔王の愛は変わらず后に注がれた。
二人の子供もその愛を受け後の魔王となるのだが、それはまた別のお話。
《完》
ただ一目見ただけの一目惚れだったが、その思いは積もっていく。
どれだけ恋い焦がれようとも、相手は魔界を統べる魔王。
それでも、ひっそりと思うだけならと少女はただ一人を思い続ける。
そんなある日、魔界中が騒ぎになる自体が起きた。
魔王が城を抜け出し姿を消したと大騒ぎ。
あっという間に広がった話は少女の耳にも入り「魔王様だって息抜きくらい必要だわ」と思った。
「この果物をくれ」
少女が店番をしていると、真っ黒なマントで身体を覆いフードを深く被った悪魔がやって来た。
マントの悪魔が指差していた赤い果実を手渡すと、代金を払わずに去ろうとする。
「ちょっと、お代」
「果実一つくらいでケチくさいことを言うな」
果実一つくらいと言うならそのくらい払えばいいものを一体どちらがケチくさいのか。
赤い果実をガブリと噛じったマントの悪魔はそのまま立ち去ろうとする。
「だから待ちなさいってば」
腕を掴もうとした少女の手はマントを掴み、深く被さっていたフードがズレて顔が見える。
「あ、ッ!?」
驚く少女の口を手で塞ぐと、マントの悪魔はそのまま人気のない場所へ少女を連れて行く。
立ち止まったマントの悪魔が少女へと向き直ると、少女の顔は真っ赤に染まっていた。
「そんなに走っていないのに疲れたのか」
言葉が聞こえていないのか、少女は固まったまま動かない。
ただじっとマントの悪魔を見詰めている。
「何か言え」
「す……で」
聞き取れず聞き返したマントの悪魔に聞こえたのは「好きです」という告白。
これにはマントの男も驚き目を見開く。
「俺が誰かわかって──」
「知っています。魔界を統べるお方であり、我々が忠誠を誓う魔王様です」
マントの男の正体は、今魔界中を騒がせている魔王であり、少女が恋い焦がれていた相手。
ずっと思い続けてきた相手が目の前にいる現実に、少女は自分の身分も考えず思いを口にしたが後悔はなかった。
ひっそりと思い続けるだけでよかったはずが、本人を前にして抑えきれなくなった少女。
このまま罰を受けても構わないとさえ思っていた少女の耳に届いたのは笑い声。
口を大きく開け豪快に笑う魔王は、身長差がある少女の頭をワシャワシャと撫でる。
そんなことをされても怒るどころか顔を耳まで赤くする少女の思いは本物だ。
「貴様、俺の噂を知らぬのか?」
「知ってます。女性にだらしなくて自分に刃向かう者には容赦なく残虐の限りをしつくすのですよね」
明らかな悪評だというのに、少女は瞳をキラキラと輝かせ話す。
その勢いに一瞬押された魔王だったが、ニッと笑みを浮かべ羽を広げると少女を抱きかかえて空へと上がる。
「城へ戻る。貴様も来い」
「え? えっと……」
「俺の命令だ。拒否権など存在せんぞ」
その後暫くして魔王は后を迎え、生涯一人を愛し続けた魔王。
女にだらしがないという噂はいつの間にか消え去り、何百何千の時が過ぎても魔王の愛は変わらず后に注がれた。
二人の子供もその愛を受け後の魔王となるのだが、それはまた別のお話。
《完》
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