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古びた洋館/テーマ:静けさの中で
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古びた洋館に私はいる。
割れた窓に軋む建物。
いかにも幽霊が出そうな雰囲気のありこの場所は、知る人ぞ知る心霊スポット。
そんな場所に一人で来ているのには理由がある。
「│葉山《はやま》ー、│穂乃果《ほのか》ー」
この名前を何度叫んだことか。
返事は返ってこない。
小学生の頃、私と葉山、穂乃果の三人でこの洋館に来た。
保育園からの付き合いだった私達は、葉山が行こうというのに頷きこの場所を訪れたのだが、気づいたときには私一人。
葉山だけなら兎も角、怖がりな穂乃果が一人で帰ったとは思えず二人の名前を呼び続けた。
きっと驚かそうとしてるんだと。
なのに、探しても探してもいなくて、二人で帰ったんだと思い私は怒って家へと帰った。
その日の夜。
葉山と穂乃果の母親から連絡があり、二人が帰っていないことを聞かされた。
まだあの洋館にいるのかもと思い家を飛び出そうとしたけど、お母さんに止められ大人だけでの捜索が開始された。
洋館内、周辺、範囲を広げて捜索はされたが、なんの手がかりも見つからないまま今日までときは過ぎ、今では私も高校生。
毎日この洋館に来ては二人の名を叫んでいる。
何百回と叫び続けた名に返事は返ってこないとわかっていながらも、もしかしたらまだこの場所にいるかもしれないという気持ちを捨てきれない。
もう一度二人の名を叫ぶ。
聞こえてくるのは建物が軋む音だけ。
「葉山……穂乃果……」
グッと空の手を握り締めて呟いたとき、何時もとは違う音にバッと振り返る。
そこには、小学生くらいの女の子が一人。
あの頃の私達みたいにこの洋館の噂を聞いて来たのかもしれない。
「ここは危ないから、お家に——」
「向こうにね、男の子と女の子がいるの」
私の鼓動がドクリと脈打つ。
もしかしたら生きているかもしれないという小さな希望が目の前にある。
「どこにいるの!?」
「あそこの部屋」
女の子が指差した方に走り出し、私は二人の名を叫び扉を開ける。
部屋の真ん中には、小学生の頃のまま泣いている二人の姿。
ようやく見つけたと近づこうとしたとき、鳴き声も建物の音も消えて静寂が訪れた。
こちらを見た二人が泣きながら何か言ってるのに聞こえない。
口の動きをよく観察すれば。
「に……げ、て……?」
その瞬間耳元で「今度は逃さない」と聞こえ、私は暗闇に引きずり込まれた。
とある洋館には知る人ぞ知る噂がある。
何故知る人ぞ知るなのか。
それは、入って帰れた者がほとんどいないから。
運良く帰ってきてもいつの間にかその人は行方不明になる。
原因は不明。
だって、みんな消えてしまうから——。
《完》
割れた窓に軋む建物。
いかにも幽霊が出そうな雰囲気のありこの場所は、知る人ぞ知る心霊スポット。
そんな場所に一人で来ているのには理由がある。
「│葉山《はやま》ー、│穂乃果《ほのか》ー」
この名前を何度叫んだことか。
返事は返ってこない。
小学生の頃、私と葉山、穂乃果の三人でこの洋館に来た。
保育園からの付き合いだった私達は、葉山が行こうというのに頷きこの場所を訪れたのだが、気づいたときには私一人。
葉山だけなら兎も角、怖がりな穂乃果が一人で帰ったとは思えず二人の名前を呼び続けた。
きっと驚かそうとしてるんだと。
なのに、探しても探してもいなくて、二人で帰ったんだと思い私は怒って家へと帰った。
その日の夜。
葉山と穂乃果の母親から連絡があり、二人が帰っていないことを聞かされた。
まだあの洋館にいるのかもと思い家を飛び出そうとしたけど、お母さんに止められ大人だけでの捜索が開始された。
洋館内、周辺、範囲を広げて捜索はされたが、なんの手がかりも見つからないまま今日までときは過ぎ、今では私も高校生。
毎日この洋館に来ては二人の名を叫んでいる。
何百回と叫び続けた名に返事は返ってこないとわかっていながらも、もしかしたらまだこの場所にいるかもしれないという気持ちを捨てきれない。
もう一度二人の名を叫ぶ。
聞こえてくるのは建物が軋む音だけ。
「葉山……穂乃果……」
グッと空の手を握り締めて呟いたとき、何時もとは違う音にバッと振り返る。
そこには、小学生くらいの女の子が一人。
あの頃の私達みたいにこの洋館の噂を聞いて来たのかもしれない。
「ここは危ないから、お家に——」
「向こうにね、男の子と女の子がいるの」
私の鼓動がドクリと脈打つ。
もしかしたら生きているかもしれないという小さな希望が目の前にある。
「どこにいるの!?」
「あそこの部屋」
女の子が指差した方に走り出し、私は二人の名を叫び扉を開ける。
部屋の真ん中には、小学生の頃のまま泣いている二人の姿。
ようやく見つけたと近づこうとしたとき、鳴き声も建物の音も消えて静寂が訪れた。
こちらを見た二人が泣きながら何か言ってるのに聞こえない。
口の動きをよく観察すれば。
「に……げ、て……?」
その瞬間耳元で「今度は逃さない」と聞こえ、私は暗闇に引きずり込まれた。
とある洋館には知る人ぞ知る噂がある。
何故知る人ぞ知るなのか。
それは、入って帰れた者がほとんどいないから。
運良く帰ってきてもいつの間にかその人は行方不明になる。
原因は不明。
だって、みんな消えてしまうから——。
《完》
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