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2吸血 バンパイアと一緒の夏休み~1日目~
2 バンパイアと一緒の夏休み〜1日目〜
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「ところで結さん。今貴女をいただいてもよろしいでしょうか」
腰を抱き寄せられ、至近距離で甘く囁かれた言葉。
自分が考えているようなことではないとわかっていながらも、鼓動が大きく高鳴ってしまう。
私が首を傾け差し出すと「いただきます」といつものように囁き、ラルムは首筋に牙を当てる。
やはり慣れない痛みに顔が歪むが、次第に痛みは消え甘い痺れだけが残る。
不思議とこの感覚だけは心地よく、無意識に私はラルムの背に手を回していた。
だがその瞬間、ラルムは私の両肩を掴むと押し返す。
「すみません。少し飲み過ぎたようですね」
背を向け言われた言葉。
私の胸に痛みを与える。
まるで拒絶されたようで、平然を装いながら、誰にも見つからないようにねとラルムに念押しすると、私は部屋を出た。
「何してるんだろ、私……」
口から溢れた声は誰にも届かず、私は二人のいる海へと戻る。
私が抱き締めてラルムはどう思ったか考えると表情は曇る。
あんな風に離されたのだから、答えなんて聞かずともわかってしまう。
「結、何処行ってたんだよ」
「うん、ちょっと疲れちゃって。部屋で休んでたんだ」
駆け寄ってきた陽に聞かれ、正直に答えるわけにもいかず、怪しまれないように返事を返す。
「陽くんったら、逢坂さんがいなくなったとたん探していたのよ」
「ッ……ば、バカ! べ、別にお前を探してた訳じゃねーからな」
顔を真っ赤にし否定する陽に、私はどうしたんだろうと首を傾げる。
すでに日も沈み始めていたため別荘へと戻り、夏蓮の家のメイドが用意した夕飯を3人で食べた。
とっても贅沢な夏休みで、3人で出掛けて楽しいはずなのに私の表情は晴れない。
「御馳走様。じゃあ、私は先に部屋で休ませてもらうね」
「もう寝んのかよ?」
「うん、なんだかはしゃぎすぎちゃったみたいで疲れちゃって」
本当は違う理由なのだが、こんなこと誰にも話せるはずもない。
平然を装うのが難しくなり、二人から逃げるように部屋の前まで来たはいいが、中々扉を開けることができずその場に立ち尽くしてしまう。
お昼のことを思い出すと胸が痛む。
ラルムを前にしても普段通りでいられる自信がない。
だが、このままというわけにもいかず、大きく深呼吸をすると扉を開け中へと入る。
ラルムはお昼のことを気にしていないのか、普段通り私に声をかけ接する。
その為、私も自然といつものように会話をすることができているが、どうしてか胸が痛む。
何で平然としていられるのか。
お昼のことなんてラルムにとってはどうでもいいことだったのか。
そんな感情が渦巻き私の胸に痛みを与える。
「って、何でこれがここにあるのよ」
そのとき目についた物に私は声を上げた。
部屋の中には似つかわしくない物が置かれており、それは間違いなく私の部屋に置かれていたラルムの棺。
「話しましたよね。私はこの中じゃないと眠ることができないと」
「言ってたけど……。いったいどうやって持ってきたんだか」
そんないつものような会話を交わしたところで私は布団に入り、ラルムも棺の中へと入る。
私はこんな気持ちのまま眠ることもできず、ラルムはもう寝たのだろうかと棺に視線を向けるが、蓋が閉まっているため確認できない。
きっとこんなに考えているのは私だけなんだと考えてしまうと、また胸が痛みだす。
ラルムは気にしていないのに、私だけが考えてしまっていることに小さく溜息を溢すと、私は外の空気を吸おうと浜辺に出る。
夜の浜辺。
風が気持ちよく空を仰げば、光輝く無数の星と、周りを照らす月の姿が瞳一杯に映し出され、ラルムにも見せたかったな、なんて考えが頭に浮かぶ。
気分転換に来たはずなのに、私が考えてるのはラルムのことばかり。
一度人を好きになってしまえば、想いは止まるどころか溢れだす。
という言葉を昔誰かに聞いたことがあるが、それが誰だったのか思い出せない。
ただわかるのは、それは相手がバンパイアであっても同じということ。
惚れたもん負けなんて言葉もあり、自分だけが相手を好きで、こんなにも辛いと知った今ならその言葉の意味がわかる。
「何かあったのかよ」
突然背後から声をかけられ振り返ると、そこには陽の姿があった。
「なんかお前、別荘から戻ってきてから元気なかったよな」
「気づいてたんだ……」
「何年お前といると思ってんだよ」
少しの変化にも気づいてくれる人がいること、それがこんなにも嬉しいものなんだとその存在の大きさを知った。
それでも全てのことを話すわけにはいかない。
でも、少しだけなら想いを吐き出してもいいんじゃないだろうか。
私は少し躊躇いながら口を開く。
「実はね、気になってる人がいて、ついその場の雰囲気でその人を抱き締めちゃったんだ。でもその人は、その後も平然としてて……」
「気になる人、か……。そんでお前は、意識されなかったことを落ち込んでるっつーわけか」
意識されていない。
それはつまり、ラルムは私のことをなんとも思っていないということ。
告白する前からフラれたようなもので、一緒にいるだけで胸が締め付けられて苦しくなる。
これからもラルムはプリンセスを見つけるまで私と一緒にいるというのに、こんな気持ちでこれから普通に接することなどできるのか自信がない。
どうしたらいいのかわからずにいる私に「それってさ、そんなに落ち込むことか?」と、私の苦しみもわからない陽に言われ怒るように声を荒らげる。
「そりゃ落ち込むよ! 好きな相手が自分になんの脈もないのよ」
「そんなの当たり前だろ。いくら自分が想ってようが、相手が自分を好きかっつったらそうじゃねーだろ」
陽の言っていることくらいわかってる。
だからこそ、脈がないと知った今、自分のこの想いをどうしたらいいのかわからない。
「じゃあ、私はどうしたらいいのよ……」
「そんなの知るかよ。でも、俺だったらそんなことじゃ諦めねーけどな」
そう言った陽の表情はいつも以上に真剣で、まるで陽自身に言っているような、そんな気がした。
だがお陰で、私は気づいたことがある。
それは、ラルムが私を好きじゃなかろうと、自分のこの想いは変わらないということ。
陽にお礼を言うと「別に何もしてねーし」と照れ臭そうに頬を掻いている。
この先どうなるかなんてわからない。
でも、私は私のままでいようと決めた。
それから部屋に戻った私は布団に入ると、さっきまで苦しかった気持ちが楽になったお陰か、直ぐに眠りへと落ちていった。
腰を抱き寄せられ、至近距離で甘く囁かれた言葉。
自分が考えているようなことではないとわかっていながらも、鼓動が大きく高鳴ってしまう。
私が首を傾け差し出すと「いただきます」といつものように囁き、ラルムは首筋に牙を当てる。
やはり慣れない痛みに顔が歪むが、次第に痛みは消え甘い痺れだけが残る。
不思議とこの感覚だけは心地よく、無意識に私はラルムの背に手を回していた。
だがその瞬間、ラルムは私の両肩を掴むと押し返す。
「すみません。少し飲み過ぎたようですね」
背を向け言われた言葉。
私の胸に痛みを与える。
まるで拒絶されたようで、平然を装いながら、誰にも見つからないようにねとラルムに念押しすると、私は部屋を出た。
「何してるんだろ、私……」
口から溢れた声は誰にも届かず、私は二人のいる海へと戻る。
私が抱き締めてラルムはどう思ったか考えると表情は曇る。
あんな風に離されたのだから、答えなんて聞かずともわかってしまう。
「結、何処行ってたんだよ」
「うん、ちょっと疲れちゃって。部屋で休んでたんだ」
駆け寄ってきた陽に聞かれ、正直に答えるわけにもいかず、怪しまれないように返事を返す。
「陽くんったら、逢坂さんがいなくなったとたん探していたのよ」
「ッ……ば、バカ! べ、別にお前を探してた訳じゃねーからな」
顔を真っ赤にし否定する陽に、私はどうしたんだろうと首を傾げる。
すでに日も沈み始めていたため別荘へと戻り、夏蓮の家のメイドが用意した夕飯を3人で食べた。
とっても贅沢な夏休みで、3人で出掛けて楽しいはずなのに私の表情は晴れない。
「御馳走様。じゃあ、私は先に部屋で休ませてもらうね」
「もう寝んのかよ?」
「うん、なんだかはしゃぎすぎちゃったみたいで疲れちゃって」
本当は違う理由なのだが、こんなこと誰にも話せるはずもない。
平然を装うのが難しくなり、二人から逃げるように部屋の前まで来たはいいが、中々扉を開けることができずその場に立ち尽くしてしまう。
お昼のことを思い出すと胸が痛む。
ラルムを前にしても普段通りでいられる自信がない。
だが、このままというわけにもいかず、大きく深呼吸をすると扉を開け中へと入る。
ラルムはお昼のことを気にしていないのか、普段通り私に声をかけ接する。
その為、私も自然といつものように会話をすることができているが、どうしてか胸が痛む。
何で平然としていられるのか。
お昼のことなんてラルムにとってはどうでもいいことだったのか。
そんな感情が渦巻き私の胸に痛みを与える。
「って、何でこれがここにあるのよ」
そのとき目についた物に私は声を上げた。
部屋の中には似つかわしくない物が置かれており、それは間違いなく私の部屋に置かれていたラルムの棺。
「話しましたよね。私はこの中じゃないと眠ることができないと」
「言ってたけど……。いったいどうやって持ってきたんだか」
そんないつものような会話を交わしたところで私は布団に入り、ラルムも棺の中へと入る。
私はこんな気持ちのまま眠ることもできず、ラルムはもう寝たのだろうかと棺に視線を向けるが、蓋が閉まっているため確認できない。
きっとこんなに考えているのは私だけなんだと考えてしまうと、また胸が痛みだす。
ラルムは気にしていないのに、私だけが考えてしまっていることに小さく溜息を溢すと、私は外の空気を吸おうと浜辺に出る。
夜の浜辺。
風が気持ちよく空を仰げば、光輝く無数の星と、周りを照らす月の姿が瞳一杯に映し出され、ラルムにも見せたかったな、なんて考えが頭に浮かぶ。
気分転換に来たはずなのに、私が考えてるのはラルムのことばかり。
一度人を好きになってしまえば、想いは止まるどころか溢れだす。
という言葉を昔誰かに聞いたことがあるが、それが誰だったのか思い出せない。
ただわかるのは、それは相手がバンパイアであっても同じということ。
惚れたもん負けなんて言葉もあり、自分だけが相手を好きで、こんなにも辛いと知った今ならその言葉の意味がわかる。
「何かあったのかよ」
突然背後から声をかけられ振り返ると、そこには陽の姿があった。
「なんかお前、別荘から戻ってきてから元気なかったよな」
「気づいてたんだ……」
「何年お前といると思ってんだよ」
少しの変化にも気づいてくれる人がいること、それがこんなにも嬉しいものなんだとその存在の大きさを知った。
それでも全てのことを話すわけにはいかない。
でも、少しだけなら想いを吐き出してもいいんじゃないだろうか。
私は少し躊躇いながら口を開く。
「実はね、気になってる人がいて、ついその場の雰囲気でその人を抱き締めちゃったんだ。でもその人は、その後も平然としてて……」
「気になる人、か……。そんでお前は、意識されなかったことを落ち込んでるっつーわけか」
意識されていない。
それはつまり、ラルムは私のことをなんとも思っていないということ。
告白する前からフラれたようなもので、一緒にいるだけで胸が締め付けられて苦しくなる。
これからもラルムはプリンセスを見つけるまで私と一緒にいるというのに、こんな気持ちでこれから普通に接することなどできるのか自信がない。
どうしたらいいのかわからずにいる私に「それってさ、そんなに落ち込むことか?」と、私の苦しみもわからない陽に言われ怒るように声を荒らげる。
「そりゃ落ち込むよ! 好きな相手が自分になんの脈もないのよ」
「そんなの当たり前だろ。いくら自分が想ってようが、相手が自分を好きかっつったらそうじゃねーだろ」
陽の言っていることくらいわかってる。
だからこそ、脈がないと知った今、自分のこの想いをどうしたらいいのかわからない。
「じゃあ、私はどうしたらいいのよ……」
「そんなの知るかよ。でも、俺だったらそんなことじゃ諦めねーけどな」
そう言った陽の表情はいつも以上に真剣で、まるで陽自身に言っているような、そんな気がした。
だがお陰で、私は気づいたことがある。
それは、ラルムが私を好きじゃなかろうと、自分のこの想いは変わらないということ。
陽にお礼を言うと「別に何もしてねーし」と照れ臭そうに頬を掻いている。
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