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第弐武将 騒がしさは終わりの近づき
3 騒がしさは終わりの近づき
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「よく気づいたな」
「ああ。人が多く絞り込めなかったが、その女からは何らかの気配を感じていたからな」
話しは淡々と進んでいくが、私の頭は追い付かない。
つまり話を整理すると、佐助は美海を疑っていた。
でもその根拠がなく、私に人気のない場所に連れ出すように言った。
佐助の思った通り、美海は才蔵と繋がっていたということらしいが、つまり美海は信長とも繋がっているわけで、私のことを騙していたということになる。
美海は全てを知り、私を心配する振りをして才蔵と共に監視をしていた。
こんな話信じられるはずがない。
そもそも美海がそんなことをする理由はないはず。
「美海、嘘……だよね?」
少しの沈黙の後、美海は悲しげな笑みを浮かべごめんねと言うと、風と共に才蔵と姿を消してしまった。
教室に戻った後も、美海は姿を現すことはなく、私は未だに現実を受け入れられないまま帰路を歩く。
友達だと思っていたのは私だけだったのか。
美海はずっと私を騙していたのか。
聞きたいことはあるのに、それを聞くのが怖くてできない。
そもそも私は美海の家を知らないため、聞くことすら叶わないのだ。
「奈流、現実を受け入れろ」
「わかってるッ!! わかってるけど……」
佐助の言ってることはわかるが、そう簡単に受け入れられるような事ではない。
戦国時代なら、騙し騙されなんてこともあったかもしれない。
現代だってそういったことはある。
でも、騙された方の傷は簡単には消えてくれない。
今だって信じられない。
美海が私を騙していたなんて。
そんなことを考えながら家へ帰ると、制服のままベッドに倒れ込む。
ミニ武将達は佐助から話を聞いたらしく声をかけてきたが、今は誰とも話す気分になれず放っておいてと言う。
するとミニ武将達は静になり、私は一人現実を受け入れようと考えるが、肝心の美海本人からは何も聞いていない。
騙されていたなんて思いたくないだけなのかもしれない。
それでも、美海がどうして才蔵といたのかなどの理由を聞きたい。
「私、明日美海と話そうと思う」
「危険だ」
佐助が止めるのも無理はない。
相手は佐助と同じ忍びであり、私では気配すら気づけない相手だ。
それでも美海と話さなければならない。
話したところでもっと傷つくことになるかもしれないが、この胸の苦しみを残し続けるよりはいい。
そんな私の覚悟を感じた信玄は、お主のしたいようにしてみよ、と許可を出した。
私だけでは危険なため、護衛として佐助もいつも通り同伴。
こうして平日は波乱の幕開けとなった。
「ああ。人が多く絞り込めなかったが、その女からは何らかの気配を感じていたからな」
話しは淡々と進んでいくが、私の頭は追い付かない。
つまり話を整理すると、佐助は美海を疑っていた。
でもその根拠がなく、私に人気のない場所に連れ出すように言った。
佐助の思った通り、美海は才蔵と繋がっていたということらしいが、つまり美海は信長とも繋がっているわけで、私のことを騙していたということになる。
美海は全てを知り、私を心配する振りをして才蔵と共に監視をしていた。
こんな話信じられるはずがない。
そもそも美海がそんなことをする理由はないはず。
「美海、嘘……だよね?」
少しの沈黙の後、美海は悲しげな笑みを浮かべごめんねと言うと、風と共に才蔵と姿を消してしまった。
教室に戻った後も、美海は姿を現すことはなく、私は未だに現実を受け入れられないまま帰路を歩く。
友達だと思っていたのは私だけだったのか。
美海はずっと私を騙していたのか。
聞きたいことはあるのに、それを聞くのが怖くてできない。
そもそも私は美海の家を知らないため、聞くことすら叶わないのだ。
「奈流、現実を受け入れろ」
「わかってるッ!! わかってるけど……」
佐助の言ってることはわかるが、そう簡単に受け入れられるような事ではない。
戦国時代なら、騙し騙されなんてこともあったかもしれない。
現代だってそういったことはある。
でも、騙された方の傷は簡単には消えてくれない。
今だって信じられない。
美海が私を騙していたなんて。
そんなことを考えながら家へ帰ると、制服のままベッドに倒れ込む。
ミニ武将達は佐助から話を聞いたらしく声をかけてきたが、今は誰とも話す気分になれず放っておいてと言う。
するとミニ武将達は静になり、私は一人現実を受け入れようと考えるが、肝心の美海本人からは何も聞いていない。
騙されていたなんて思いたくないだけなのかもしれない。
それでも、美海がどうして才蔵といたのかなどの理由を聞きたい。
「私、明日美海と話そうと思う」
「危険だ」
佐助が止めるのも無理はない。
相手は佐助と同じ忍びであり、私では気配すら気づけない相手だ。
それでも美海と話さなければならない。
話したところでもっと傷つくことになるかもしれないが、この胸の苦しみを残し続けるよりはいい。
そんな私の覚悟を感じた信玄は、お主のしたいようにしてみよ、と許可を出した。
私だけでは危険なため、護衛として佐助もいつも通り同伴。
こうして平日は波乱の幕開けとなった。
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