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第参武将 想いは時を越え
8 想いは時を越え
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城に火を放ったのは、私に好意を寄せている武将達の姫を葬る為のことだった。
姫を葬れば、文を送った者の中の仕業だと思うに違いないと思った者たちの仕業だった。
「俺は何もできなかった。俺のしたことに意味はなかったんだ」
「こんなこと、誰にも想像できなかったと思う。それに文での言葉をこうして守ってくれてる」
才蔵は手紙で『アンタに何かあれば、俺は時を越えてでもアンタを守る』そう書いていた。
その言葉通りこうして守るために、私の前に現れてくれた。
現代に現れた信長から私を守るために。
「姫が最後に残した手紙、それは才蔵宛だったんだよ」
「俺……」
私は前世の気持ちを才蔵に伝えるため、あの文に姫が綴った文字を言葉にして伝える。
才蔵、私もアナタを好いていました。
佐助達を裏切ったことにも理由があると信じています。
だからいつか、また甲斐で皆と一緒の時間を過ごしましょう。
もしそれが叶わずとも、来世でまた出会える事を祈ります。
才蔵に届くはずだった手紙。
それは時を越えて現代でようやく届けられた。
姫の想いと共に。
「そういうことであったか」
「まさか俺達全員負けてたとはな」
「無理矢理にでも俺の物にしたところだが、死んだものはどうにもならんな」
話を聞いていた信玄、政宗、信長の声が聞こえ視線を向ける。
すると武将達の姿が透け始めていた。
真実がわかったことで未練がなくなったのだろう。
姫はもういない今真実がわかれば、もう現代に残る理由はない。
「皆、いっちゃうんだね」
秀吉、光秀の姿が消え。
信長、信玄、謙信、政宗の姿も消える。
「才蔵、お前のしたことはどんな理由があっても裏切りだ。だが、生まれ変わったらまたお前とバカやるのもいいかもな」
佐助はほんの少しの笑みを浮かべ姿を消す。
そして最後は才蔵。
「これでこの世ともお別れだな」
「うん、そうだね」
「また暗い顔になってんぞ。アンタは笑ってろ。じゃねーと、俺がここに居る意味がねーじゃねーか」
私が今できる精一杯の笑顔を才蔵に向けると「じゃあな」と言い残し、才蔵の姿も消えた。
静かになった空間。
目の前には展示されている苦無。
この苦無にひかれたのはきっと、前世の私が好きだった才蔵がいつも持っていたからだろう。
でも、有名な武将のみの物が展示されているはずなのに、何故この苦無はあるのか。
「あ、いた! こんなところで何してるの?」
「美海が先にどんどん行っちゃうからじゃん」
「ごめんごめん。あ、この苦無、確か謎の苦無なんだよね」
美海の話によるとこの苦無は、誰が使っていたのかわからない物らしい。
なら何故そんな物が展示されているのか聞くと、くないの持ちて部分に名前が刻まれているらしく、その名はどの忍びでも武将でもないことから謎とされているため展示しているらしい。
苦無をじっと見てみると、確かに何か刻まれている。
その名を読んで私はすぐに誰の物からわかった。
刻まれていた名は私の前世での名。
そしてこの苦無を持っていたのは才蔵。
これは姫が才蔵に初めて贈った物だから。
「どうしたの? ニヤニヤしちゃって」
「何でもない。あ、武将達成仏したからね」
「え!? それどういうこと」
話が見えない美海に尋ねられ、私は展示を見て回りながら美海に話す。
これはきっと、姫が武将達に伝えたかったことを私に伝えてほしかったのだろう。
姫を葬れば、文を送った者の中の仕業だと思うに違いないと思った者たちの仕業だった。
「俺は何もできなかった。俺のしたことに意味はなかったんだ」
「こんなこと、誰にも想像できなかったと思う。それに文での言葉をこうして守ってくれてる」
才蔵は手紙で『アンタに何かあれば、俺は時を越えてでもアンタを守る』そう書いていた。
その言葉通りこうして守るために、私の前に現れてくれた。
現代に現れた信長から私を守るために。
「姫が最後に残した手紙、それは才蔵宛だったんだよ」
「俺……」
私は前世の気持ちを才蔵に伝えるため、あの文に姫が綴った文字を言葉にして伝える。
才蔵、私もアナタを好いていました。
佐助達を裏切ったことにも理由があると信じています。
だからいつか、また甲斐で皆と一緒の時間を過ごしましょう。
もしそれが叶わずとも、来世でまた出会える事を祈ります。
才蔵に届くはずだった手紙。
それは時を越えて現代でようやく届けられた。
姫の想いと共に。
「そういうことであったか」
「まさか俺達全員負けてたとはな」
「無理矢理にでも俺の物にしたところだが、死んだものはどうにもならんな」
話を聞いていた信玄、政宗、信長の声が聞こえ視線を向ける。
すると武将達の姿が透け始めていた。
真実がわかったことで未練がなくなったのだろう。
姫はもういない今真実がわかれば、もう現代に残る理由はない。
「皆、いっちゃうんだね」
秀吉、光秀の姿が消え。
信長、信玄、謙信、政宗の姿も消える。
「才蔵、お前のしたことはどんな理由があっても裏切りだ。だが、生まれ変わったらまたお前とバカやるのもいいかもな」
佐助はほんの少しの笑みを浮かべ姿を消す。
そして最後は才蔵。
「これでこの世ともお別れだな」
「うん、そうだね」
「また暗い顔になってんぞ。アンタは笑ってろ。じゃねーと、俺がここに居る意味がねーじゃねーか」
私が今できる精一杯の笑顔を才蔵に向けると「じゃあな」と言い残し、才蔵の姿も消えた。
静かになった空間。
目の前には展示されている苦無。
この苦無にひかれたのはきっと、前世の私が好きだった才蔵がいつも持っていたからだろう。
でも、有名な武将のみの物が展示されているはずなのに、何故この苦無はあるのか。
「あ、いた! こんなところで何してるの?」
「美海が先にどんどん行っちゃうからじゃん」
「ごめんごめん。あ、この苦無、確か謎の苦無なんだよね」
美海の話によるとこの苦無は、誰が使っていたのかわからない物らしい。
なら何故そんな物が展示されているのか聞くと、くないの持ちて部分に名前が刻まれているらしく、その名はどの忍びでも武将でもないことから謎とされているため展示しているらしい。
苦無をじっと見てみると、確かに何か刻まれている。
その名を読んで私はすぐに誰の物からわかった。
刻まれていた名は私の前世での名。
そしてこの苦無を持っていたのは才蔵。
これは姫が才蔵に初めて贈った物だから。
「どうしたの? ニヤニヤしちゃって」
「何でもない。あ、武将達成仏したからね」
「え!? それどういうこと」
話が見えない美海に尋ねられ、私は展示を見て回りながら美海に話す。
これはきっと、姫が武将達に伝えたかったことを私に伝えてほしかったのだろう。
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