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第一章
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あれからすぐに俺と美咲は帰宿した。と言うより、あんな状態になった美咲を放っておけず気もそぞろになった俺を危惧したガンジュールさんが俺達を追い出したと言って良いだろう。
しかし、美咲本人は幸せそうだ。エリュシアさんが言っていたが、達したらしい。
身体はぐにゃんぐにゃんで俺を見つめる瞳は潤み、頬は紅潮して背負っている俺に遠慮なく寄りかかっていて、息は熱くゆっくり。・・・・・・何というか、俺しか見えていない気がする。
「ふえっへへへぇ・・・・・・」
時折漏らす声は他人に聞かせたくないほどだらしなく、一歩間違えば涎さえも垂れさせそうだ。
「美咲、静かにしてくれないか?」
「むりぃ・・・・・・し、しあわせすぎて・・・・・・ふっへへへ」
そんなに気持ち良かったのだろうか?多幸感に浸食された様子の美咲は、辺りを憚る余裕もなく身を任せている。
「何がそんなに良かったんだか・・・・・・」
「はじめがわるいのぉ。あんなところであんなにやさしく・・・・・・ふへへへぇ・・・・・・つつまれて、
まもられて・・・・・・あんしんしたらあんなごういんにひきずりこまれてぇ、わたしきゅんきゅんしちゃったぁ・・・・・・そのあと、わたしのとひとつになっていっしょに・・・・・・」
その場面を思い返してか、美咲はプルプル震える全身で俺を抱きしめる。・・・・・・本当に幸せそうだ。
「はじめてのキョードーサギョーってこんな幸せなんだぁ」
「そうかい。そいつは良かったな。着いたぞ」
述懐を続ける美咲をベッドに下ろし、一息つく。
「はじめぇ、いっしょにおひるねしよ?」
おねだりするように見上げてくる美咲。とろんとろんになった美咲の声は理性にマズい。
「自分が昼寝したいだけだろう?」
「そうなのぉ。はじめのおっきなうでにつつまれてぇ、はじめがここにいるんだってぜんしんでかんじたいよぅ」
俺の言葉に素直に肯定する美咲。この世界に来てから何日も経ってないから、また俺が居なくならないか不安を覚えて居るのかもしれない。そう思うと、無碍にするのも憚れる。
それに、ここに来てから毎日忙しくし過ぎて居たかもしれない。
「しかたないな」
そう呟きつつ、美咲が横たわっている隣へ体を横たえ、美咲を抱き寄せる。・・・・・・俺の体からすると二回りくらい小さい彼女を感じ、得も言われぬ幸福感が俺を包み込んだ。この娘をいつまでも守っていきたい。
いたずら心が持ち上がって、俺の魔力で彼女を包んでやった。今回は変な声が漏れず、美咲はされるがままだ。
「あぁぁぁ、しあわせぇ」
そう呟いたかと思うと、そのまま寝息を立て始めた。俺も、彼女の心地良い体温を感じながらまどろみに身を預けた。
しかし、美咲本人は幸せそうだ。エリュシアさんが言っていたが、達したらしい。
身体はぐにゃんぐにゃんで俺を見つめる瞳は潤み、頬は紅潮して背負っている俺に遠慮なく寄りかかっていて、息は熱くゆっくり。・・・・・・何というか、俺しか見えていない気がする。
「ふえっへへへぇ・・・・・・」
時折漏らす声は他人に聞かせたくないほどだらしなく、一歩間違えば涎さえも垂れさせそうだ。
「美咲、静かにしてくれないか?」
「むりぃ・・・・・・し、しあわせすぎて・・・・・・ふっへへへ」
そんなに気持ち良かったのだろうか?多幸感に浸食された様子の美咲は、辺りを憚る余裕もなく身を任せている。
「何がそんなに良かったんだか・・・・・・」
「はじめがわるいのぉ。あんなところであんなにやさしく・・・・・・ふへへへぇ・・・・・・つつまれて、
まもられて・・・・・・あんしんしたらあんなごういんにひきずりこまれてぇ、わたしきゅんきゅんしちゃったぁ・・・・・・そのあと、わたしのとひとつになっていっしょに・・・・・・」
その場面を思い返してか、美咲はプルプル震える全身で俺を抱きしめる。・・・・・・本当に幸せそうだ。
「はじめてのキョードーサギョーってこんな幸せなんだぁ」
「そうかい。そいつは良かったな。着いたぞ」
述懐を続ける美咲をベッドに下ろし、一息つく。
「はじめぇ、いっしょにおひるねしよ?」
おねだりするように見上げてくる美咲。とろんとろんになった美咲の声は理性にマズい。
「自分が昼寝したいだけだろう?」
「そうなのぉ。はじめのおっきなうでにつつまれてぇ、はじめがここにいるんだってぜんしんでかんじたいよぅ」
俺の言葉に素直に肯定する美咲。この世界に来てから何日も経ってないから、また俺が居なくならないか不安を覚えて居るのかもしれない。そう思うと、無碍にするのも憚れる。
それに、ここに来てから毎日忙しくし過ぎて居たかもしれない。
「しかたないな」
そう呟きつつ、美咲が横たわっている隣へ体を横たえ、美咲を抱き寄せる。・・・・・・俺の体からすると二回りくらい小さい彼女を感じ、得も言われぬ幸福感が俺を包み込んだ。この娘をいつまでも守っていきたい。
いたずら心が持ち上がって、俺の魔力で彼女を包んでやった。今回は変な声が漏れず、美咲はされるがままだ。
「あぁぁぁ、しあわせぇ」
そう呟いたかと思うと、そのまま寝息を立て始めた。俺も、彼女の心地良い体温を感じながらまどろみに身を預けた。
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