異世界探訪記

五日目。クリスタル洞窟入り口前にて

五日目。
　昨夜はキノコと平原の攻防のおかげであまり眠れなかった。朝になってからは南へ進路を取り、夕方になると左側に山へと続くと思われる崖が見えてきた。崖の根本には洞窟だろう入り口が開いている。洞窟の内部を少しだけ見てみたが、夕方の外部と同じくらいの光量があり、それなりに深い気がするので明日、明後日で物資を調達し、その後に探検と洒落込もう。
　暗くなった辺りには黄緑、赤、青と様々な色に光る小さな小さな小石が散らばりそこにある物の輪郭を微かに浮かび上がらせる。
　そんな中で焚き火の横にいると、辺りが不気味で安心感があるような錯覚が起こる。今日は全身に棘の生えた牛っぽい動物が襲ってきたのでフィレ部位を使ったステーキを予定している。添え物には昨日掻っ払ってきたキノコの余りと、木になっていた人参っぽい果物とジャガイモっぽい果物。先程茹でて口にしてみたらそのままの味だった。夕餉ゆうげが楽しみだ。