異世界探訪記

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九日目。クリスタル洞窟の内部にて

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九日目。
 起きると光の変化が無いため今が何時か分からない。暗闇ではないとはいえ、時間感覚が無いのは危険なのではないかと思い今までとはやり方を変え、気になった事は先に書いておこうと思い朝からペンを走らせている。
 そう言えば、この星に来たときに傍らに置いてあったこの筆記具は興味深い。紙のような手触りの薄っぺらな板、ボールペンの様な書き心地のペン。ペン先の逆側には消しゴムのような半球が取り付けてあり、書き損じた時にはこれを前述の板に擦ると擦った部分のインク?が綺麗に消える。この板はスマホのように指で上下にスワイプすると書いた文字が上下に動き、過去、どんな事を書いたか確認できる。丸めることも、折り畳むことも出きるので現状は折り畳んで胸ポケットに入れている。割れも折れ目が付いたりしないのが不思議だ。

 失敗した。風の吹いてくる方へ進んでいたのだが、たどり着いたのは行き止まりの場所だった。色々調べていたときに正面の壁を思いっきり押し込んでみたところどんでん返しになっていたらしく、その先へ転がり込んでしまった。同じ場所を押しても、横へ滑らそうとしてもびくともしない。こちらに引っ張ろうにも取っ掛かりがないためそれも困難だ。仕方がないからこれからこの先に進んでみようと思う。願わくば、何事もなく脱出できる事を願う。
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