異世界探訪記

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二十六日目。エルフ族の集落にて

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二十六日目。
 午前中は弓矢を作って過ごした。軽く引いて良く飛ぶ弓矢だったのだがエルフ族達には引けなかった。腕力がとてもひ弱なのかとも思ったが、そこら片にある岩を何回か粉砕してこの世界において自分の非常識さを理解させられた。
 そんな俺を気持ち悪がる事もせず接してくれるこの前のノーム族やここのエルフ族達には感謝しかない。
 話のついでに、俺が周りからどうみられているのかも魔道具を介して見せてくれた。
 岩を殴る所を録画して見せてくれたのだがそれが周囲から見えている事だと思うとやはりおかしいのだろう。
 コマ送り機能を使うと振りかぶる前までは普通に動いているのに力を込め振り抜く過程をすっ飛ばして結果だけが次のコマに映し出されているのだ。そんなに早く動いているつもりはなかったからコレには呆気にとられた。そりゃ、兎が爆発したり虎っぽいのが切断したりするわなぁ。

 午後はスタットと一緒に夕餉の準備をした。早くから飯の準備を始めたのでしっかり下準備が出来、自分の中でもご馳走の部類に入るモノが幾つか出来た。
 話を聞くと、この村では朝と夜は集落全員が集まって食事を摂るのが習慣になっているそう。戦えない者の半分が集落の周囲で明日の分の食材を収穫し、もう半分が畑を耕していて、戦える者達は害獣駆除のため狩りに出かける。狩った動物は兎や蛇、猪や鹿なら出汁取りの為に持って帰ってくるが、それ以外はその場で埋めるらしい。
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