異世界探訪記

Luckstyle

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三十五日目。エルフ族の集落にて

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三十五日目。
 今日で毎日の訓練は終わりだったのだが、今日は本番になってしまった。
 今日は朝から嫌な予感がひしひしとしていたので狩り組の者達には今日は集落を出ないよう説得した。
 その他にも畑仕事の者や木の実拾いの者達にも出来る限り家屋内で出来る仕事をするように説いて回り、昼休憩直前でこの前見た男が粗野そうな者達を引き連れてこの集落に向かっているのを発見した。
 昼休憩の時にギルビットさんとベルデットさんを探し出して伝えると、ギルビットさんは俺と一緒に門番役のもとへ向かい、ベルデットさんはその場で休憩していた人たちと一緒に各家を回ってから避難所に向かうそうだ。
 門番役の所へたどり着いた俺達は直ぐに笛を吹くよう言って笛を吹かせ、ついでに彼も家族の元へ行くよう言って聞かせた。
 後は半刻後くらいに盗賊団がこの集落に襲撃をかけたんだが、一方的だった。
 俺が光魔法と水魔法で彼等から見れば上空遙か高く、俺たちから見れば一番身長の高い奴の少し上に雨雲を作り出してギルビットさんが『雷光スパーク』のちょっと規模を大きくしたものをそこから外れるように打ち出し、相手がひるんでいる内に俺が駆け込んでいって首元に『雷光スパーク』を撃ち込んで気絶させる。
 ギルビットさんは「私が居なくてもなんとかなりそうでしたね」とか後になって謙遜していたけれど、最初の『雷撃サンダー』がなければ反撃くらいされていただろうから必要だったのだ。
 十数人を縄で締め上げている間に気が付いた盗賊団の頭、名前はサザリーンと言ったか?そいつが言うにはここにいるのは盗賊団の一部でそろそろこの集落を包囲していた仲間が襲撃を開始するとか笑っていたが、木霊す様にそこかしこから聞こえてきたのはバチンと電気が弾けるような音と男の汚い悲鳴。
「対策をしていないとでも?」と、ギルビットさんも一緒にさわやかな笑みで応えてやったら彼は絶望にうなだれていた。
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